科研費 - 豊田 浩孝
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気体流および液体流を用いた弱減圧マイクロ波プラズマ生成と応用
研究課題/研究課題番号:22H01210 2022年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
豊田 浩孝, 鈴木 陽香
担当区分:研究代表者
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
従来の真空容器や排気システムを必要とする減圧プラズマは,処理対象物が真空内に持ち込まれるため大気環境でしか用いることのできない処理対象物に対応できない,応用範囲が限られる,といった課題があった.これに対し大気圧プラズマはこれらの制限から解放される点で大きな利点がある一方で,プラズマ生成そのものが困難であるという問題を抱えている.本研究は,高速流体を用いた弱減圧形成によりプラズマ生成を易化するとともに,大気圧環境下に置かれた処理対象物を高効率で処理できる手法を開発することを目指し,弱減圧プラズマの利点を明らかにし,処理の高効率化の指針を得ることを目的とする.
本年度は気体実験を可能とするプラズマ装置を立ち上げた.高速ガス流を形成するため,圧縮空気供給系を用いたガス導入系を用意し,ガス流路に狭隘部(断面積0.5mm2程度)を用意した。そのうえで、計測の手始めとして,これまでガス流体系での計測が行われていない圧力計測を行ったところ.流量の増加とともに放電ギャップ部の圧力が減少し、0.5気圧程度までの減圧化を実現できることが確認された。次にこの結果の確認を受けて,パルスマイクロ波を印加して放電をおこなったところ、プラズマの生成に成功した。さらにガス流量に対して放電開始電力を測定したところ、流量増加にともなって放電開始のマイクロ波電力がより低くできることも明らかとなり、弱減圧がプラズマ生成に対する効果を持っていることが確認された。
また、放電開始電力の圧力依存性について、電磁界シミュレーションを援用しつつ理論的検討を行った。大気圧領域から0.5気圧程度の減圧領域においては、マイクロ波絶縁電界は圧力にほぼ比例することが理論的に知られており、電磁界シミュレーションにより投入マイクロ波電力における放電ギャップ内電界を評価したところ、およそ理論値に近い値となることが確認され、また放電開始電力の圧力依存性についても若干のくいちがいも見られるもののおよそ理論に近い依存性が確認された。
さらに、予備実験であるが、プラズマ領域を通過したガス流を用いて樹脂(PET)の表面親水化特性も評価し、親水化処理が可能であることを実証できた。
ガス流による減圧効果の発現有無については、ガス流が圧縮清流体であり研究代表者がこれまでに進めてきた液体(非圧縮清流体)とは異なるため、減圧化が容易であるかどうかは不明であった。しかしながら、初期実験において減圧化が確認でき、さらにはこれに応じてプラズマ生成に成功した。さらには、ガス流を増加させることにより圧力を下げることができ、これに伴い放電開始マイクロ波電力を低く抑えることができることも実証できた。これらのことは、当初の本研究の大きな目的のひとつを実現できたという点で大きな成果である。
さらに、本効果を理論的に検討する試みをおこない、当初の研究計画をさらに進める形で放電開始電力の流量依存性の実験結果を電磁界シミュレーションおよび放電開始マイクロ波電界の理論値を用いて比較検討することができた。結果としておよそ妥当な結果が得られることが確認され、本手法の妥当性を理論的にも確認できたことは重要な成果である。
また、プラズマ処理したガス流による樹脂表面親水化も実験的に示すことができたことは、本装置の応用分野展開を考えるうえでの成果と考えている。
本年度の研究により、ガス流を用いた減圧化と放電の易化を実証することができたが、その一方でガス流を増加した際の圧力減少がある流量から理論を外れ、思ったほどの減圧が得られないことも確認された。現在は0.5気圧より低い圧力を実現するのが困難な状況である。この原因のひとつはガス流速が音速を超えて高速化した場合、音速を超えたガス流が下流領域において改めて減速し音速を下回る際に衝撃波を発生しガス流れを阻害することにあると考えている。これは液体流による減圧化とは大きく異なる圧縮性流体における現象であり、より低い圧力を実現するためには、この問題を解決することが必要であると考えている。
今後は流体シミュレーションを用いたガス流れの解析を進めるとともに、衝撃波発生を抑制できるノズル構造の最適化を検討する。特にノズル構造の最適化に関してはシミュレーションのみでは解決が困難で実験が必須であると考えているが、その一方では多数個の異なるノズル構造を試作加工し実験に供するには時間及びコストに問題があると考えている。そこで3Dプリンタを用いて樹脂を用いたノズル構造のモックアップを製作し、これを用いた実験的なノズル構造最適化を進めていく。そのうえで、最適化された構造で金属加工されたノズルを製作し、これを用いて放電実験に着手する計画である。これにより、より広い圧力範囲において実験が可能になると考えており、分光計測、放電開始電力計測、プラズマ密度計測などにおいて系統的な実験結果が得られるものと考えている。 -
気体流および液体流を用いた弱減圧マイクロ波プラズマ生成と応用
研究課題/研究課題番号:23K22481 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
豊田 浩孝, 鈴木 陽香
担当区分:研究代表者
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
本研究はこれまでに詳細な研究が進められていなかった大気圧よりやや減圧化された弱減圧環境でのプラズマ生成とその応用を進めるものである.具体的には,従来にない新たな手法である高速流誘起減圧環境を用いて真空ポンプを用いることなく容易にプラズマ生成を実現するとともに,本装置の最適な流路構造を明らかにする.さらに,本装置の応用展開としてさまざまな材料の表面改質に取り組む.
従来の真空容器や排気システムを必要とする減圧プラズマは,処理対象物が真空内に持ち込まれるため大気環境でしか用いることのできない処理対象物に対応できない,応用範囲が限られる,といった課題があった.これに対し大気圧プラズマはこれらの制限から解放される点で大きな 利点がある一方で,プラズマ生成そのものが困難であるという問題を抱えている.本研究は,高速流体を用いた弱減圧形成によりプラズマ生成 を易化するとともに,大気圧環境下に置かれた処理対象物を高効率で処理できる手法を開発することを目指し,弱減圧プラズマの利点を明らか にし,処理の高効率化の指針を得ることを目的とする.
昨年度までの研究において,減圧効果の発現とプラズマ生成に成功しているが,導入するガス流量が大きく,簡便性を考えるとより低流量で効率的に減圧環境を生成することが好ましい.そこで,本年度は流路構造のさらなる改善を試みた.流路構造を検討するにあたりまず流体シミュレーションによる検討を進めたが,必ずしも実際の結果を反映するものが得られるとはいえない.一方で,流路を製作するには加工が非常に困難であり,また多数のモックアップ製作に時間とコストがかかる.そこで,本研究では3Dプリンタを用いて様々な構造の流路を試作し,その減圧効果を比較することによって,最適構造を求めた.その結果,22L/minの空気において,従来と比較し圧力を50%以上減圧化することに成功した.
効率的な減圧環境生成は実験の遂行にとって重要な意味を持つ.本年度の研究は減圧環境の効率的形成実現を目指して,新たに3Dプリンタを用いた試作という手法に着眼し,その実験をおこなった.その結果として大気圧の20%を切る減圧環境形成に成功することができた.我々の理論的検討によれば,放電圧力を大気圧に対して20%とすることにより,絶縁破壊電界は同様に20%に抑制でき,そのことは絶縁破壊時の電力を数%まで抑制できることになる.実際に,改善された環境においてマイクロ波放電をおこなったところ,従来よりも低電力で安定にプラズマを生成することに成功している.また,この装置を用いた表面親水化処理をおこなったところ親水性発現がなされることも確認しており,本研究は比較的順調に進行していると考えている.
これまでの研究によって安定した弱減圧プラズマ生成に成功していることから,本年度は本プラズマ源の応用展開について検討する.具体的には様々な産業分野で用いられている粉体表面処理に着目し,粉体親水化処理への応用展開可能性について検討をおこなう.具体的には研究代表者が現有している粉体供給装置を用い,ガス流路に高速空気流を流すとともに,そこに粉体を混合させプラズマ領域を通過させる.この結果得られる処理粉体について,接触角計などを用いた親水化効果の確認をおこない,本装置の応用可能性を明らかにしていく. -
ターゲットを均一に利用する無磁場マイクロ波スパッタ製膜
2012年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
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大気圧プラズマ密度計測の高精度化
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
大気圧プラズマは、真空システムを用いないなど、従来のプラズマ源にない利点を有しており、表面処理などさまざまな分野への応用が進められている。また、それにともない本プラズマのプラズマ密度等の基礎的なプラズマ特性評価について高精度な計測手法が求められている。大気圧プラズマの電子密度測定法としては一般にシュタルク拡がりから算出する手法が用いられているが、本研究代表者らは、その時分解測定において放電時に印加される外部電界がシュタルクスペクトルの拡がりに影響を及ぼす可能性を指摘してきた。本研究はこの点に着目し、外部電界のスペクトル拡がりおよび密度測定に及ぼす影響を実験的に明らかにするとともに、より高精度なプラズマ密度測定法の指針を得ることを目的とする。
本年度は、スペクトルに対する電界の影響を評価する方法として、電界に対して平行および垂直方向のH_βスペクトル偏光面それぞれに対するスペクトル分裂の違いを利用した電界計測を試みた。まず、放電印加電界方向に対して、平行および垂直方向に偏光面を持つHβ線のスペクトル分裂の違いを計算し、電界強度が10^6V/m台以上になると、電界に対する垂直及び平行な偏光面を持つスペクトルの間に大きな違いが現れることを確認した。この結果を基に、大気圧マイクロ波プラズマにおいて両者のスペクトル拡がりの違いを測定したところ、放電開始初期1μs以下においてスペクトル線幅の違いを確認することができた。さらに、本手法により電界強度の時間変化を求めたところ、放電開始直後に強い電界強度がプラズマ生成の時間発展とともに急激に減少していくことを示すことができた。これらの結果は、本研究の当初目的のひとつであるスペクトル線幅に対する電界の影響を実証できたことを意味しており、本年度は本研究の大きな成果の一つを得ることができた。 -
粒子エネルギー制御型新規マグネトロン源の開発
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
豊田浩孝
担当区分:研究代表者
マグネトロンプラズマは、光学多層膜形成、磁性体薄膜形成、半導体製造における配線プロセスなど、さまざまな分野に用いられている。近年の薄膜形成の高精度化にともない、ナノレベルでの薄膜平坦性、多層膜の界面制御など、さまざまな要求が高まっている。例えば、磁気異方性を示すPt/Coなどの磁性多層膜においては、界面の平坦性や界面における原子のミキシングの抑制などが、膜の磁気特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。しかしながら、スパッタによる多層膜形成においては、ナノレベルの界面制御は非常に難しく、その原因の解明と解決が課題となっている。
このような界面制御において、本研究代表者らは、スパッタプラズマ中の希ガス高エネルギー粒子に着目し、質量分析法を用いた高エネルギー希ガス粒子計測手法を確立するとともに、高エネルギー粒子を制御する方法について研究をおこなった。
本研究においては、まず従来型のDCマグネトロンスパッタ源の高エネルギーAr^+測定より、プラズマ中の高エネルギーAr原子フラックスの評価をおこなった。測定結果は粒子シミュレーションに照らし合わせることで妥当性が確認された。次に、高エネルギーArフラックスを抑制する方法としてターゲットにVHFとDC電圧を重畳したVHF-DC重畳型スパッタ源およびターゲットを円筒型にした円筒型マグネトロンスパッタ源の2つの手法を提案するとともに高エネルギーAr粒子の測定を行なったところ、両者ともに高エネルギー粒子の抑制が可能であることを示した。最後に、VHF-DC重畳型マグネトロンプラズマ源を用いて極薄磁性多層膜のスパッタ製膜をおこなった。その結果、数nmの極薄層を数10層重ねた磁性膜においても良好な磁気特性が発生することを確認した。このことは高エネルギーAr原子の抑制により、各層界面における原子ミキシングの抑制がおこなわれたものによると考えられる。 -
マイクロ波帯の大面積放電によるジャイアント・プラズマプロセスの創出
2003年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
(1)2.45GHz,1メートル長尺プラズマ生成法の開発
大気圧による誘電体板の破壊を避けるため、真空導波管方式を考案し、プラズマ分布の均一化を図るためのマルチスロットアンテナ方式を確立し、1メートルの長尺プラズマの生成に成功した。さらに、厚さ2cmのシート状長尺プラズマの生成にも成功し、その密度分布の測定結果と解析結果との一致を見た。また、高圧力化を試みて、大気圧の長尺プラズマの生成にも成功した。
(2)915MHz,2メートル長尺プラズマ生成法の開発
(独)産業技術総合研究所・太陽光発電研究センターとの共同研究において、915MHzを用いて2メートルの長尺プラズマを生成することに成功した。さらに実際、水素/シラン混合ガスを用いて、アモルファスおよび微結晶のシリコン薄膜の形成を試みた。
(3)並列導波管励起による大面積化
これまでは1本の導波管を用いた長尺プラズマ生成を行ってきたが、大面積にするには並列導波管励起が必須となる。そこで、独自のパワーデバイダーを考案し、一つの電源から並列運転を可能にするマイクロ波システムを構築した。915MHzを用いて1メートル四方の大面積プラズマ発生装置を建設した。
(4)材料プロセスのためのプラズマ制御法の開発
高エネルギー電子を抑制するために、マイクロ波パルス放電を行い、プラズマの発光分布やプラズマ密度の時間変化を調べた。また、新しい制御法として、ホール付き誘電体板を採用し、ホール内の局所的高密度プラズマ生成と、ホール下流における高エネルギー電子の減少を観測した。
(5)シリコン薄膜の高速堆積とシリコン酸化およびシリコン窒化
高密度マイクロ波プラズマを用いることにより、微結晶シリコン膜の高速堆積(>10nm/s)、多結晶シリコン膜の大粒径化(>600nm)、シリコン酸化およびシリコン窒化の低温化を達成した。 -
フロロカーボン分子の表面反応過程と新規エッチングプロセスの基礎研究
2003年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:15540474
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
フロロカーボンブラズマを用いたSiO_2/Si選択エッチングは半導体製造における基本的なプロセスのひとつである。従来、フロロカーボンプラズマエッチングにおいてはフロロカーボン分子は表面反応に寄与しないと考えられてきた。しかし、近年のプロセスガス研究の発展に伴い、C_5F_8等の新規フロロカーボンガスがエッチングに供されるようになっている。C_5F_8分子はその分子構造に炭素の二重結合を持っているなど、従来のフロロカーボン分子と異なった複雑な構造をもつ。我々は、このような分子はそのものが表面反応に寄与できるのではないかと考え、本研究に着手した。
まず、SiO_2表面にAr^+を照射して表面欠陥を形成した場合と形成しない場合において、その後のC_5F_8表面吸着を調べた。その結果、C_5F_8の表面反応は表面に形成された未結合手によりC_5F_8の二重結合が開裂することによって反応が進行したものと推測された。また、Ar^+とC_5F_8をSiO_2表面に同時照射しその反応性を調べたところ、CF_4やC_4F_8等の従来用いられているフロロカーボンガス分子に較べてC_5F_8は高い表面反応性を示し、エッチング収率もAr^+による物理スパッタと比較して3倍近い値となることを実験的に示した。C_5F_8/Ar^+フラックス比の増加時におけるエッチング停止を見出し、これが表面へのフロロカーボン相形成によるものであることを確認した。さらに、SiO_2およびSiエッチングイールドの比較から、Ar^+/C_5F_8照射によるSiO_2/Si選択エッチングも可能であることを示した。最後に、本実験より得られたエッチングイールド値を用いて、実実験条件におけるフロロカーボン分子のエッチングへの寄与を評価したところ、その寄与は最大で30%近くになることを見出し、フロロカーボンエッチング表面反応に関する従来にない新たな知見を得ることができた。 -
表面波プラズマによる大面積・高品質液晶プロセスの開発
2002年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
液晶のプラズマプロセスには従来13.56MHzの容量結合プラズマが用いられているが、プラズマ密度が低いために限界に直面している。これを打ち破るために、マイクロ波放電で生成する新しい表面波プフズマを利用し、プラズマの高密度化と大口径化をはかり、低温基板上にポリシリコンを堆積する大面積液晶プロセスを開発するのが、本研究の目的である。
本年度までに次の項目について重点的に研究をおこなった。
(1)放電用アンテナ系の最適化:2.45GHzの表面波放電により高密度・大面積プラズマを作るために、導波管底のスロットアンテナと石英板の間に空気層を設けることにより、プラズマ生成効率を向上できることを見出した。また、プラズマと接する石英壁や金属壁の表面に凹凸を設けて均一化する方法を、波動シミュレーションを用いて詳細に調べた。
(2)電子エネルギー分布関数の計測と制御:希ガスの種類を変えることにより分布関数(電子温度)を制御できることを実験と計算から示した。
(3)大面積プラズマの試作:実際に大面積(1m×0.3m)のプラズマ生成装置を作り、石英壁の強度や金属壁によるプラズマ局在化の課題を明らかにし、対策の指針を見出した。
(4)ゲート酸化膜用の酸素プラズマ:液晶用の高品質・極薄ゲート酸化膜を低温プラズマ酸化法で作るために、表面波酸素プラズマを生成し、その中の酸素ラジカルの振舞いを明らかにした。
(5)シリコン膜の成長条件と結晶性:液晶用高速TFTの作製をめざして、高圧力水素希釈シランの表面波プラズマにより、ポリシリコン膜の低温・高速作製に成功した。また、膜中の酸素不純物が石英窓から混入することを見出し、これを低減する方法を示した。 -
高性能ビーム装置を用いる表面反応過程の研究
1998年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
半導体プラズマプロセス(エッチング、CVD)における表面反応を基礎的に解明するために、高度に制御されたビーム実験をおこなった。すなわち、プロセスのかぎと考えられる2,3種類の活性イオン種を選んでエネルギーやフラックス比を変えて基板に入射させ、表面から放出する種々のイオン、ラジカル、反応生成物を四重極質量分析計を用いて高感度に検出する。同時に基板表面をin-situ XPSを用いて分析し、気相診断の結果と合わせて総合的な表面反応の解明を試みるのが本研究の目的である。
本研究は以下の項目について重点的に研究をおこなった。
(1)ビーム実験装置の高性能化:従来用いてきた装置の改造により中性ラジカル検出能力を向上させ、またin-situ XPS装置を取り付け、その場表面分析を可能とした。
(2)フロン系ビームとシリコンの反応の研究:CF_3^+、CF_2^+ビームをシリコン基板に照射し、エッチング生成物であるSiF系分子およびラジカル、またCF系ラジカルの計測に成功した。さらに表面状態のその場観察をおこなった。
(3)フロン系ビームとシリコン酸化膜の反応の研究:CF_3^+、CF_2^+ビームをシリコン酸化膜に照射し、エッチング生成物や表面状態のその場観察をおこなった。またシリコン酸化膜のエッチングレートとエッチング生成物などの表面脱離物との相関を詳しく調べた。
(4)フッ素イオンビームとシリコンの反応の研究:エッチングにおける重要な活性種であるフッ素について、シリコンとの反応を詳しく調べ、SiF_x系の脱離生成物を検出した。 -
フロロカーボンプラズマにおける新しい壁制御法の開発とプラズマ・壁相互作用
1998年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
中村 圭二
担当区分:研究分担者
フロロカーボンプラズマを用いたシリコン酸化膜エッチングでは、エッチングプロセスを繰り返すうちに徐々にプロセス結果が経時変化してしまい、この原因の一つとして、プロセス中に壁に堆積するフロロカーボン膜とプラズマとの相互作用が考えられている。本研究では、プロセス再現性の改善が高精度酸化膜エッチングの実現させるために、イオン衝撃により膜堆積を抑制し、これらのプラズマ・壁相互作用を低減させることを目的としている。本研究では、イオン衝撃法とプラズマ電位振動法を開発し、いずれもRFバイアスを用いることにより、絶縁膜上のチャージアップを抑制しつつイオン衝撃エネルギーを制御でき、絶縁性のフロロカーボン膜の堆積抑制が可能となった。本研究で行なった実験条件ではイオン衝撃エネルギーを100eV以上にすると、イオン衝撃によって膜堆積をほぼ完全に抑制することができた。また交互イオン衝撃法ではプラズマを囲むように設置した二つのバイアス壁の間に、プラズマ電位振動法では接地壁とバイアス壁の間にバイアスを印加するが、すべてのバイアス壁で均一なイオン衝撃を得るためにはそれらの壁の表面積を等しくすることが有効であった。
イオン衝撃が加わらない非イオン衝撃壁がラジカル密度の経時変化に及ぼす影響について検討した。真空容器を2分割してそれ自身をバイアス壁として動作させると、非イオン衝撃壁の面積を全表面積と比べて極めて小さくできた。そのときのラジカル経時変化は小さく、またラジカル密度が定常値にに達するまでに時間を短くすることができた。このことから、極力非イオンの面積を減らして容器内部での膜堆積が起こらないようにすることが、プロセス再現性のよいエッチング装置を構成するために重要であり、本手法がそれに有効であることがわかった。 -
高密度プラズマを用いた大面積多結晶シリコン薄膜の低温形成
1997年4月 - 2000年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
多結晶シリコン(poly-Si)膜は水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)膜をはるかにしのぐ高い移動度を持つことから優れた薄膜トランジスタ(TFT)の作成が可能であり、集積化に適した材料といえる。しかしpoly-Si膜生成においてはこれまでのところ低温で大面積の膜生成をおこなうという2点を両立させる手法が確立されていない。本研究は誘導結合型プラズマを用いることにより300℃以下の低温でpoly-Siの作成をおこなう手法を確立することを目的としており、本年度は以下の点について研究を行った。
1)膜質再現性の改善
これまでの研究により、成膜時間の経過による壁状態の変化が得られる膜質に影響を及ぼすことを示唆する結果を得ている。そこで壁温を制御した成膜を行ったところ、低温壁(約100℃)では放電時間経過にともなう膜質の経時変化、特に結晶粒径の減少がみられたのに対して、壁温の上昇した成膜においては、低温壁でみられたような結晶粒径の減少がかなり改善できることが分かった。
2)発光分光法を用いた気相診断
このような放電時間経過による結晶粒径の劣化の原因として、壁状態の変化によるプラズマ中水素原子密度の減少が考えられる。そこで発光分光法を応用した水素原子密度測定を行った。その結果、比較的壁温が低い状態では壁への膜堆積に起因すると思われる水素原子密度の減少が見られたのに対して、壁温を増加(約300℃)すると低温壁でみられたような水素原子密度の減少は見られなかった。これは、上記1)で述べた結晶粒径の減少が水素密度の低下によるものを示唆する結果と考えられる。 -
リチウム膜による水素の選択排気法の開発
1995年4月 - 1998年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
核融合燃料である水素同位体と核燃焼後の灰であるヘリウムを分別して排気し、燃料水素(特にトリチウム)を回収して再利用するシステムの開発が望まれている。本研究は、リチウムパネルを利用して水素のみを選択的に排気する独自の技術を開発することを目的としている。得られた研究成果は次のように要約される。
1.融点(179℃)以下においてリチウムは水素分子とは反応しないが、水素原子・水素イオンと速やかに反応して水素化リチウムを形成する。この水素吸収は、リチウム原子1個につき水素原子1個の割合で起こり、水素原子はリチウム膜の奥深くまで拡散するので、水素の総吸収量はリチウム膜の表面積と厚さに比例する。
2.水素化リチウムを加熱すると400℃程度で水素分子とリチウムに分解する。
3.上記1,2の性質を利用して水素の選択排気システムを構築できる。すなわち、排気ダクト内で弱電離プラズマや熱フィラメントで水素原子を形成し、リチウムパネルに水素のみを吸収させる。パネルが水素で飽和した後に、400℃程度に加熱して水素を放出させて通常のポンプで排気し、リチウムパネルを初期状態に復帰させる。
4.清浄なリチウム面は活性であり、H_2O,O_2,COなどの気体と反応してリチウム化合物を形成するので注意を要する。
5.リチウム膜をのせる母材としては、グラファイトの可能性も検討したが、化学反応性が問題であり、金属の方が適している。 -
新しいラジカル計測法によるシラン系プラズマの診断と制御
1995年4月 - 1997年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
水素化アモルファスシリコン、微結晶および多結晶シリコン膜は太陽電池や液晶ディスプレイ等の材料としてなどに用いられ、これらのシリコン系薄膜を大面積にかつ低プロセス温度生成することが課題となっている。本研究においては誘導結合シランプラズマによりこれらシリコン系薄膜の低温生成を試み、従来よりも200℃以上低いプロセス温度での膜形成に成功した。また、このような誘導結合シランプラズマ中のラジカル計測を系統的に行い、気相中における活性種組成が従来の容量結合シランプラズマと大きく異なることを示した。さらに簡便なラジカル計測法である紫外透過分光法を開発し、その有用性を実証した。以下に研究の概要を項目別に記す。
(1)紫外吸収分光法を用いたシランプラズマのラジカル計測
紫外吸収分光法を用いた容量結合型プラズマにおけるSiH3ラジカルの検出に成功した。また、この方法を用いてプラズマ中の微粒子の同時計測が可能であることを示した。
(2)出現質量分析法を用いたシランプラズマのラジカル計測
誘導結合シランプラズマは従来の容量結合プラズマに比べて低圧力かつ高プラズマ密度のため、プラズマ中におけるラジカル組成が大きく変化する。本研究では誘導結合シランプラズマ中の中性ラジカル種およびイオン種の測定を行い、成膜に寄与する粒子種に関する知見を得た。
(3)高光伝導度水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)膜の低温形成
従来から、容量結合型シランプラズマによるa-Si : H膜の作成は盛んに行われているが、誘導結合型シランプラズマを用いたa-Si : H膜の作成は本格的な研究は余りなされておらず、その膜質についても評価が進んでいなった。本研究においては誘導結合型プラズマを用いて高光伝導度a-Si : H膜の低温形成に成功し、その成膜条件を明らかにした。
(4)多結晶シリコン膜の低温形成
高速スイッチング薄膜トランジスタ材料として期待されている多結晶シリコン膜のプラズマCVDによる低温形成の実験を行い、まず、誘導結合プラズマを用いることにより従来にプロセス温度よりも300℃程度低い250℃程度の基板温度で微結晶シリコン膜の形成が可能であることを示した。さらに、シランを水素希釈することにより多結晶シリコン膜の低温形成にも成功した。 -
定常化研究における第一壁のコンディショニング法
1994年4月 - 1996年3月
科学研究費補助金 一般研究(B)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
近年、超伝導磁場を用いる定常炉をめざす研究が重要になっている.このような状況においては、従来の無磁場の直流グロ-プラズマに頼るのではなく、超伝導磁場中のプラズマ(例えばECRマイクロ波プラズマ)を用いる壁の調整法が必要になる.さらに、核融合プラズマを停止することなく、その中にリチウムペレットを入射してその場でリチウムコ-ティングする方法などは有望な手段となるであろう.そこで本研究ではリチウムコ-ティングとECRボロンコ-ティイブを中心に進めて次のような研究成果を得た.
1.ボロンコ-ティング
定常化を想定した新しいボロニゼ-ション法として、二つの方法を提案し基礎研究を行った.その一つは、デカボランのペレットを核融合プラズマに直接入射し、アブレ-ションさせてボロンコ-ティングするやり方であり、もう一つは磁場中のECRマイクロ波放電を用いるボロニゼ-ションである.その基礎実験を行った結果、ガスの入射口近傍では中性ラジカルによるボロン膜が不均一に堆積し、遠方では磁力線に沿って輸送されるイオン性ラジカルによる堆積が見られる.この事は、磁化プラズマを用いれば大型の容器でも広くコ-ティングできる事を示唆している.
2.リチウムコ-ティング
リチウムはO_2,H_2O,CO,CH_4等の不純物分子に対する強いゲッタ-効果を持つ事や、Li一原子につきH原子一個の割合で水素を吸収することを初めて示した.さらに、水素脱離の壁温依存性や、リチウム内の水素の存在形態を探る研究も行った.リチウムはペレットとして直接的に核融合プラズマに投入できるので、将来、炉心プラズマを停止することなくコンディショニングするための有力な手段になる可能性を秘めている. -
リチウムコ-ティングとプラズマ・表面過程の基礎研究
1993年4月 - 1995年3月
科学研究費補助金 一般研究(C)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
核融合装置対向壁のリチウム(Li)コ-ティングの基礎実験を行い、以下の研究成果が得られた。
1)Liコ-ティング法の確立
真空蒸着によるLi膜のコ-ティング法としてヒ-タ-を用いたオ-ブン加熱による蒸着を試み、ヒ-タ-電力により成膜速度を制御できることを示した。また不純物放出を抑制した蒸着法としてRF誘導加熱によるLiコ-ティングを試み、良好な結果を得た。
2)Liとガスとの化学反応
Liは化学的に活性であり、残留ガスのゲッタリング材と考えられる。そこでLi膜を真空容器内壁に蒸着した直後に、さまざまなガス(H_2,O_2,CH_4,CO)を真空装置内に導入しLiとの反応を調べた。LiはO_2ガスと強い反応性をしめし、強いゲッタ材となることが明らかとなった。
3)LiとH_2プラズマとの相互作用
真空蒸着によってLiを容器内壁にコ-ティングした後、H_2を用いたDCグロ-放電を行い、LiのH_2プラズマとの相互作用を調べた。容器に蒸着されたLi量は水晶振動子膜厚計を用いてその場測定することにより求めた。また膜に吸収された水素量をH_2分圧の経時変化より測定した。その結果、数100nm程度の膜厚のLi膜は、容器にコ-ティングした全Li原子数に匹敵する水素を吸収することが示された。これは、水素がLi中において内部まで移動できることを示している。
4)実機におけるLiコ-ティング実験
核融合科学研究所との共同研究により、核融合科学研究所トカマク装置JIPPT-IIUにおいてLiコ-ティング実験をおこなった。トロイダル容器底部よりLiオ-ブンを導入し、RF誘導加熱によりオ-ブンを加熱してトロイダル容器面積の10%程度に0.5g程のLiを蒸着した。その結果、主放電時において酸素や炭素不純物を20-50%減少させること、およびNBI放電時においてリサイクリングの低減効果が見られる、などの良好な結果を得ることができた。 -
表面磁場を用いる大口径RFプラズマの開発
1992年4月 - 1995年3月
科学研究費補助金 試験研究(B)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
材料プロセス用の高密度・大口径・低圧力プラズマを生成するために、プラズマの生成、計測および制御に関する技術開発を幅広く行った。この研究で得られた成果は次のように要約される。
1.高密度プラズマの生成
誘導RFアンテナを真空容器内に挿入し、その容器壁を表面磁場で覆うことにより、高エネルギ-電子の長寿命化をはかり、大口径の高密度プラズマを低圧力で生成することができた。また、ファラデ-シ-ルドによりアンテナとプラズマとの静電的結合を抑制できることを示した。一方、ヘリコンプラズマにおけるRFパワ-吸収機構を研究し、低磁場(<100G)で低パワ-(<1kW)のとき、RFパワ-はヘリコン波よりもアンテナ近接場を通してプラズマに入ることが示された。
2.高密度プラズマの計測・制御と応用
詳細なプラズマ診断から、高い電子密度はラジカル組成を大きく変えてしまい、エッチングにおける材料選択性を劣化させることが分かった。この問題を解決する方法として、プラズマ容器壁の加熱(100-200℃)と放電のパルス化(周期〜10μs)が有効であることを初めて示した。この他、新しい診断技術としてプラズマ振動法による電子密度測定、光バイアスプロ-ブによる電子エネルギ-分布関数の測定、紫外吸収分光によるSiH_3ラジカルと微粒子の簡易モニタ-法を開発した。 -
ボロニゼ-ションによる粒子制御の最適化
1992年4月 - 1994年3月
科学研究費補助金 一般研究(B)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
本研究において我々は、比較的安全で取り扱いの簡単なデカボラン(固体)を原料とする新しいボロニゼ-ション法を提案し、そのコ-ティング技術・ボロン膜の物性評価・ボロニゼ-ションの効果などについて、次のような研究成果が得られた。
(1)コ-ティング技術の開発
猛毒で爆発性の気体デカボランの代わりに、固体デカボランを昇華させる新しいボロニゼ-ション法を開発した。また、プラズマを用いずに熱的に原料ガスを分解する熱CVD法についても検討し、その有用性を明らかにした。プラズマCVD法と熱CVD法との比較、デカボランとジボランとの比較も行った。さらに、ボロンの膜厚分布のスケ-リング則を実験・理論両面から見出し、大型容器を均一にコ-ティングするための指針を与えた。
(2)ボロン膜の水素濃度の制御
ボロニゼ-ション後の水素リサイクリングの指標として、ボロン膜中の水素濃度を共鳴反応を用いて実測した。その結果、H濃度は壁温の上昇に伴って急激に減少すること、イオン衝撃による水素抑制効果が顕著であることなどが分かった。また、原料ガスが軽水素化ホウ素であっても、D_2ガスによる希釈やD_2グロ-処理を行うことにより、重水素化したボロニゼ-ションが出来ることを示した。
(3)ボロニゼ-ション効果の検証
ボロンコ-ティングされた壁の水素リサイクリングや酸素ゲッタリング効果を定量化する基礎実験を行った。すなわち、前者についてはD_2グロ-放電、後者についてはHe希釈O_2グロ-放電をパルス的に行って、デカボランでもジボランと同程度のコ-ティング効果があることが分かった。なお、我々の提案したデカボランによるボロニゼ-ションは、原研のJT-60UやヘリオトロンEで実用に供されて成果を上げている。 -
新しい質量分析法によるプラズマ内の中性粒子の測定
1991年4月 - 1992年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
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ボロンの新しいコーティング法と高速リムーバル
1990年4月 - 1991年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
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超微細プロセス用低エネルギ-粒子ビ-ム源の開発
1989年4月 - 1991年3月
科学研究費補助金 試験研究→試験研究(B)
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者
高性能の超微細プロセスを可能にするには、基板へ入射するイオンの速度ベクトルの向きと大きさがそろっており、大口径で一様なビ-ムであること、また、損傷を与えない程度に低エネルギ-であること、などの条件を満たす必要がある。これらの条件をクリアするには放電の低圧力化、大口径化、低プラズマ電位化、高プラズマ密度化が求られる。このような要請に応えるために、本研究では表面磁場(磁気壁)中の誘導型高周波放電プラズマを提案し、その開発を行った。
表面磁場の解効果として次の点が期待できる。電離生成に寄与する高エネルギ-電子が磁気壁で反射されるのでプラズマの発生率が向上し、低エネルギ-のバルク電子の拡散も抑制されるので電子損失も減少する。このことは両極性拡散電界の減少、すなわちプラズマ電位の低下を導き、また、大口径の一様性の良いプラズマが生成される条件が整ってくる。
本研究において試作した表面磁場装置では、期待される通り、次のような有望な実験結果が得られた。
1.2×10^<-5>Torrの低圧力においても放電維持が可能になった。
2.直径約40cmの一様性の良い大口径プラズマを生成できた。
3.プラズマ電位は表面磁場によって20Vまで低下できた。
4.10^<10>〜10^<11>cm^<-3>の高密度のプラズマが得られた。
なお、ここで用いた放電形式は誘導型高周波放電であり、アンテナ導体表面の絶縁の重要性も明らかになった。また、プラズマ中の小さな電極にバイアスを印加することにより、広範囲にプラズマ電位を制御できた。
一方、イオン・表面相互作用の結果、分子イオンが固体表面に衝突すると同時に小さなフラグメントに分解して、ラジカルビ-ムが表面から飛び出す現象を詳細に調べた。このプラズマ界面過程は、将来、新しいラジカルビ-ム源に発展する可能性を示す興味深い現象である。 -
ボロンコーティング膜のリムーバルの高速化
1989年4月 - 1990年3月
科学研究費補助金 奨励研究(A)
豊田 浩孝
担当区分:研究代表者
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ダブルプラズマ法による機能性薄膜の作成
1987年4月 - 1989年3月
科学研究費補助金 試験研究
菅井 秀郎
担当区分:研究分担者