2021/06/16 更新

写真a

オオウチ ノリユキ
大内 乗有
OUCHI, Noriyuki
所属
大学院医学系研究科 分子循環器医学(Department of Molecular Medicine and Cardiology)(興和)寄附講座 特任教授
職名
特任教授

学位 1

  1. 博士(医学) ( 2001年2月   大阪大学 ) 

 

論文 14

  1. Important Role of Concomitant Lymphangiogenesis for Reparative Angiogenesis in Hindlimb Ischemia.

    Pu Z, Shimizu Y, Tsuzuki K, Suzuki J, Hayashida R, Kondo K, Fujikawa Y, Unno K, Ohashi K, Takefuji M, Bando YK, Ouchi N, Calvert JW, Shibata R, Murohara T

    Arteriosclerosis, thrombosis, and vascular biology     頁: ATVBAHA121316191   2021年4月

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  2. Adipolin/C1q/Tnf-related protein 12 prevents adverse cardiac remodeling after myocardial infarction

    Takikawa Tomonobu, Ohashi Koji, Ogawa Hayato, Otaka Naoya, Kawanishi Hiroshi, Fang Lixin, Ozaki Yuta, Eguchi Shunsuke, Tatsumi Minako, Takefuji Mikito, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    PLOS ONE   15 巻 ( 12 ) 頁: e0243483   2020年12月

  3. C1q/TNF-Related Protein 9 Promotes Revascularization in Response to Ischemiaviaan eNOS-Dependent Manner

    Yamaguchi Shukuro, Shibata Rei, Ohashi Koji, Enomoto Takashi, Ogawa Hayato, Otaka Naoya, Hiramatsu-Ito Mizuho, Masutomi Tomohiro, Kawanishi Hiroshi, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    FRONTIERS IN PHARMACOLOGY   11 巻   頁: 1313   2020年8月

  4. A novel selective PPAR alpha modulator, pemafibrate promotes ischemia-induced revascularization through the eNOS-dependent mechanisms

    Kawanishi Hiroshi, Ohashi Koji, Ogawa Hayato, Otaka Naoya, Takikawa Tomonobu, Fang Lixin, Ozaki Yuta, Takefuji Mikito, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    PLOS ONE   15 巻 ( 6 ) 頁: e0235362   2020年6月

  5. Can Pharmacological Ischemic Preconditioning Affect Myocardial Ischemic Injury?

    Ohashi Koji, Ouchi Noriyuki, Murohara Toyoaki

    CIRCULATION JOURNAL   84 巻 ( 6 ) 頁: 891 - 893   2020年6月

  6. Adipolin/CTRP12 protects against pathological vascular remodelling through suppression of smooth muscle cell growth and macrophage inflammatory response

    Ogawa Hayato, Ohashi Koji, Ito Masanori, Shibata Rei, Kanemura Noriyoshi, Yuasa Daisuke, Kambara Takahiro, Matsuo Kazuhiro, Hayakawa Satoko, Hiramatsu-Ito Mizuho, Otaka Naoya, Kawanishi Hiroshi, Yamaguchi Shukuro, Enomoto Takashi, Abe Takaya, Kaneko Mari, Takefuji Mikito, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    CARDIOVASCULAR RESEARCH   116 巻 ( 1 ) 頁: 237 - 249   2020年1月

  7. Protein Kinase N Promotes Stress-Induced Cardiac Dysfunction Through Phosphorylation of Myocardin-Related Transcription Factor A and Disruption of Its Interaction With Actin

    Sakaguchi Teruhiro, Takefuji Mikito, Wettschureck Nina, Hamaguchi Tomonari, Amano Mutsuki, Kato Katsuhiro, Tsuda Takuma, Eguchi Shunsuke, Ishihama Sohta, Mori Yu, Yura Yoshimitsu, Yoshida Tatsuya, Unno Kazumasa, Okumura Takahiro, Ishii Hideki, Shimizu Yuuki, Bando Yasuko K., Ohashi Koji, Ouchi Noriyuki, Enomoto Atsushi, Offermanns Stefan, Kaibuchi Kozo, Murohara Toyoaki

    CIRCULATION   140 巻 ( 21 ) 頁: 1737 - 1752   2019年11月

  8. Cardiomyocytes capture stem cell-derived, anti-apoptotic microRNA-214 via clathrin-mediated endocytosis in acute myocardial infarction

    Eguchi Shunsuke, Takefuji Mikito, Sakaguchi Teruhiro, Ishihama Sohta, Mori Yu, Tsuda Takuma, Takikawa Tomonobu, Yoshida Tatsuya, Ohashi Koji, Shimizu Yuuki, Hayashida Ryo, Kondo Kazuhisa, Bando Yasuko K., Ouchi Noriyuki, Murohara Toyoaki

    JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY   294 巻 ( 31 ) 頁: 11665 - 11674   2019年8月

  9. Associations among circulating levels of follistatin-like 1, clinical parameters, and cardiovascular events in patients undergoing elective percutaneous coronary intervention with drug-eluting stents

    Aikawa Tatsuro, Shimada Kazunori, Miyauchi Katsumi, Miyazaki Tetsuro, Sai Eiryu, Ouchi Shohei, Kadoguchi Tomoyasu, Kunimoto Mitsuhiro, Joki Yusuke, Dohi Tomotaka, Okazaki Shinya, Isoda Kikuo, Ohashi Koji, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki, Daida Hiroyuki

    PLOS ONE   14 巻 ( 4 ) 頁: e0216297   2019年4月

  10. Myonectin Is an Exercise-Induced Myokine That Protects the Heart From Ischemia-Reperfusion Injury

    Otaka Naoya, Shibata Rei, Ohashi Koji, Uemura Yusuke, Kambara Takahiro, Enomoto Takashi, Ogawa Hayato, Ito Masanori, Kawanishi Hiroshi, Maruyama Sonomi, Joki Yusuke, Fujikawa Yusuke, Narita Shingo, Unno Kazumasa, Kawamoto Yoshiyuki, Murate Takashi, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    CIRCULATION RESEARCH   123 巻 ( 12 ) 頁: 1326 - 1338   2018年12月

  11. Adiponectin/AdiopR1 signal inactivation contributes to impaired angiogenesis in mice of advanced age

    Piao Limei, Yu Chenglin, Xu Wenhu, Inoue Aiko, Shibata Rei, Li Xiang, Nan Yongshan, Zhao Guangxian, Wang Hailong, Meng Xiangkun, Lei Yanna, Goto Hiroki, Ouchi Noriyuki, Murohara Toyoaki, Kuzuya Masafumi, Cheng Xian Wu

    INTERNATIONAL JOURNAL OF CARDIOLOGY   267 巻   頁: 150 - 155   2018年9月

  12. Chronic Psychological Stress Accelerates Vascular Senescence and Impairs Ischemia-Induced Neovascularization: The Role of Dipeptidyl Peptidase-4/Glucagon-Like Peptide-1-Adiponectin Axis

    Piao Limei, Zhao Guangxian, Zhu Enbo, Inoue Aiko, Shibata Rei, Lei Yanna, Hu Lina, Yu Chenglin, Yang Guang, Wu Hongxian, Xu Wenhu, Okumura Kenji, Ouchi Noriyuki, Murohara Toyoaki, Kuzuya Masafumi, Cheng Xian Wu

    JOURNAL OF THE AMERICAN HEART ASSOCIATION   6 巻 ( 10 )   2017年10月

  13. Role of Adipokines in Cardiovascular Disease

    Lau Wayne Bond, Ohashi Koji, Wang Yajing, Ogawa Hayato, Murohara Toyoaki, Ma Xin-Liang, Ouchi Noriyuki

    CIRCULATION JOURNAL   81 巻 ( 7 ) 頁: 920 - 928   2017年7月

  14. C1q/TNF-related protein 1 prevents neointimal formation after arterial injury

    Kanemura Noriyoshi, Shibata Rei, Ohashi Koji, Ogawa Hayato, Hiramatsu-Ito Mizuho, Enomoto Takashi, Yuasa Daisuke, Ito Masanori, Hayakawa Satoko, Otaka Naoya, Murohara Toyoaki, Ouchi Noriyuki

    ATHEROSCLEROSIS   257 巻   頁: 138 - 145   2017年2月

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科研費 9

  1. 運動による健康増進に関わる分泌型microRNAの同定と病態生理機能の解明

    研究課題/研究課題番号:20K21753  2020年7月 - 2022年3月

    挑戦的研究(萌芽)

    大内 乗有

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )

    本研究では、持久性運動により調節を受ける骨格筋由来の分泌型microRNAのスクリーニングを行い、心血管病あるいは腎臓病に対して作用を有する骨格筋由来分泌型microRNAの同定を試みる。そして、本研究で明らかとなる骨格筋由来分泌型microRNAの機能解析を行うことで、運動療法による心腎血管保護作用の機序解明と心血管病や腎臓病の病態解明と創薬開発につなげる。

  2. マイオカインを標的とした運動による加齢関連疾患の制御機構の解明と創薬への応用

    研究課題/研究課題番号:20H00571  2020年4月 - 2024年3月

    大内 乗有

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:44980000円 ( 直接経費:34600000円 、 間接経費:10380000円 )

    本研究では、運動や加齢により発現制御される骨格筋由来分泌因子「マイオカイン」とその関連分子に着目し、加齢関連疾患における役割を個体レベルで明らかにし、その詳細な分子機構を細胞レベルで解明する。そして、マイオカインの機能解析により、運動による疾患保護機構を明らかにすることのみならず、マイオカインとその関連因子を標的とした加齢関連疾患の病態生理解明と予防法開発や治療応用へと展開することを目指す。

  3. 透析患者の重症化予防にむけた透析中運動療法の効果とメカニズムの解明

    研究課題/研究課題番号:20K11190  2020年4月 - 2024年3月

    河野 健一

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    担当区分:研究分担者 

    本研究は3つの課題から構成されている。研究課題1は、骨格筋機能、運動耐容能力、心血管機能とマイオカイン、アディポサイトカインの関連性を横断的調査にて明らかにする。研究課題2は、運動器疾患重症化による入院とCVD死亡に対する身体機能、マイオカイン、アディポサイトカインの影響を前向きコホートにて明らかにする。研究課題3は透析中レジスタンス運動によるマイオカイン、アディポサイトカインならびに身体活動量や身体機能への効果を非無作為化比較試験にて明らかにする。

  4. 新規骨格筋由来分泌因子の同定と心血管病における役割の解明

    研究課題/研究課題番号:18K19541  2018年6月 - 2021年3月

    挑戦的研究(萌芽)

    大内 乗有

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )

    本研究では、持久性運動により制御され、機能がほとんど明らかにされていない骨格筋由来分泌因子「マイオカイン」を同定し、マイオカインの心血管疾患における生理病態学的意義を明らかにすることを目的としている。現時点で以下のような実験の結果を得ている。
    1. 心筋虚血再灌流障害を改善するマウス持久性運動(トレッドミル運動)モデルを用いて、運動群と非運動群の骨格筋における発現遺伝子プロファイルをマイクロアレイ法を用いて比較検討した。運動により発現変化を示す遺伝子群の中でバイオインフォマティクス手法を用いて分泌因子(マイオカイン)であると予測できる分子を選別した。
    2. 運動により発現変化を示し機能があまり解析されていないマイオカインとしてTIMPファミリーメンバー、Ntnファミリーメンバー、TSPファミリーメンバーなどの分子が候補としてあげられた。
    3. 候補であるマイオカインの全長cDNAを発現ベクターに組み込み、哺乳動物細胞に導入し培養上清への分泌を確認した。候補分子のアデノウイルスベクターを作成した。
    4. アデノウイルス発現系を用いた解析において血管内皮に対して保護的に作用するマイオカインを見出した。このマイオカインの遺伝子欠損マウスを作成し、このマウスでの遺伝子の欠損を確認した。マイオカイン遺伝子欠損マウスを用いて、生理的条件下での心血管系の表現型を解析するとともに、マイオカインの血管内皮機能への作用を検討中である。
    現時点では、心筋虚血再灌流障害を改善するマウス持久性運動モデルを用いて、運動により発現変化を示し機能があまり解析されていないマイオカインのスクリーニングを行った。その結果、いくつかのマイオカイン候補を選び出した。アデノウイルス発現系を用いた解析において血管内皮保護的に作用するマイオカインを発見し、遺伝子欠損マウスを作成した。しかし、遺伝子欠損マウスの子孫の確認のためのジェノタイピング方法の確立と遺伝子欠損の確認に予想以上に時間を要した。現在、遺伝子欠損マウスを用いてマイオカインの血管内皮機能への作用を検討中である。これらの達成度は当初の研究計画の予定を考えるとやや遅延していると考えられる。
    心血管系に作用するマイオカインの同定と心血管疾患におけるマイオカインの役割を明らかにするため、前年度までの研究成果を踏まえて、以下の解析を行う。
    1.前年度に、運動により発現変化を示すマイオカインのスクリーニングを行い、血管内皮に作用するマイオカインを発見し、遺伝子欠損マウスを作成した。今後は、まず、この分子に着目して生理的条件下での遺伝子欠損マウスの表現型を解析する。さらに、遺伝子欠損マウスに対して下肢虚血モデルを作成し、心血管疾患における役割を解明する。
    2.作成済であるアデノウイルスベクターを用いて、さらなる機能解析を行う。

  5. グルカゴン関連蛋白と毛細血管機能にフォーカスした糖尿病性心筋症の病態に関する研究

    研究課題/研究課題番号:18H02805  2018年4月 - 2021年3月

    室原 豊明

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    担当区分:研究分担者 

    糖尿病合併心血管病の基本病態は血管障害であり、それらは大血管障害と毛細血管障害に分けられる。毛細血管障害については、予後や患者のQOLに悪影響をもたらすものの、未だに明確な病態が明らかにされておらず治療法も確立されていない。本研究では糖尿病性細小血管傷害による心機能の低下対して、特にインクレチンやグルカゴンと、毛細血管機能、血管新生機能に着目してその病態解明と新しい治療法の開発を目指す。血管新生因子、アディポカイン・マイオカインとの関連性についても検討する。
    (1)グルカゴン、GLP-1 研究
    グルカゴン関連ペプチド (glucagon, GLP-1, GIPなど) は、心筋細胞や血管内皮細胞にも受容体が存在し、直接的効果がある。近年グルカゴン関連ペプチドにより、血管新生を惹起できることが報告されており、グルカゴン関連ペプチドと糖尿病性毛細血管障害の関連性が注目されている。大規模臨床試験でもGLP-1受容体作動薬が心血管イベントを有意に低下させることが示され、その機序について注目が集まっている。我々はグルカゴン・GLP-1欠損マウスを入手し研究を継続した。その結果興味ある知見を得たので、論文投稿中である。
    (2)アディポカイン・マイオカイン研究
    我々のグループはこれまでに新規アディポカイン・マイオカインを複数同定しており、これらが虚血部血管新生作用を有していることもまた報告した。2018年度には新規マイオカインの1つであるマイオネクチンを同定し、その生物学的特性に関して論文発表を行った(Otaka N. et al. Circ. Res. 2018;123:1326-1338.)。心筋虚血再灌流モデルマウスにおいて、マイオネクチンは心筋保護作用を示した。マイオネクチンは運動により骨格筋からの分泌が増強する。これらの研究を現在継続中である。
    アディポカイン・マイオカイン研究においては、新規マイオカインの1つであるマイオネクチンを同定し、その生物学的特性に関して解析を行った(Otaka N. et al. Circ. Res. 2018;123:1326-1338.)。この延長として、心筋梗塞の一般的な動物モデルである、心筋虚血再灌流モデルマウスにおいて、マイオネクチンは心筋保護作用を示した。またマイオネクチンは運動により骨格筋からの分泌が増強することから、非常に興味深い分子である。これらのデータを現在投稿準備中である。
    また、グルカゴン関連ペプチド (glucagon, GLP-1, GIPなど) に関連する研究では、我々はグルカゴン・GLP-1欠損マウスを入手する事が出来て、研究を継続している。糖尿病性心機能障害や毛細血管障害に対するグルカゴン関連ペプチドの役割について研究継続中である。現在は論文作成を終えて、海外雑誌に投稿中である。また学会でもデータを発表している(Nishimura et al. Glucagon acts as a guardian of the heart against catecholamine elevation. 2019年3月 日本循環器学会総会にて発表)。
    引き続き、グルカゴン関連ペプチド(グルカゴンとGLP-1)欠損マウスを用い、心筋虚血モデル、TAC 心不全モデル、血管新生モデルなどを用いて、グルカゴンや GLP-1受容体作動薬剤の心血管系に与える役割を検討して行きたい。また、アディポカイン、マイオカインについても、引き続き動脈硬化モデル、血管新生モデル、心不全モデルなどの動物モデルを用いて、それらの効果を検討して行きたい。
    2020年度から新たに当科において、肺高血圧症モデルマウスを作成する予定である。このモデルにおける血管新生と病態、さらにはグルカゴン関連ペプチド、アディポカイン、マイオカインの効果を見て行きたい。

  6. 骨格筋由来分泌蛋白を標的とした心血管病の病態解明と治療法の開発

    研究課題/研究課題番号:17H04175  2017年4月 - 2020年3月

    大内 乗有

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:16770000円 ( 直接経費:12900000円 、 間接経費:3870000円 )

    本研究では、運動誘発性マイオカインであるマイオネクチンの虚血性心疾患における役割を解析した。マイオネクチン欠損マウスは対照マウスと比べて、虚血再灌流後の心筋梗塞サイズの増加、心収縮能の低下、心筋でのアポトーシスと炎症反応の増悪を認めた。一方、マイオネクチン過剰発現マウスは対照マウスと比べて、心筋虚血再灌流障害が軽減していた。マイオネクチンの虚血心筋保護機序は、心筋細胞とマクロファージにおけるスフィンゴシン1リン酸分泌増加によるcyclicAMP/Akt経路を介したアポトーシス抑制と炎症反応抑制が関与していた。従って、マイオネクチンは心筋保護作用を有するマイオカインであると示唆された。
    我が国において虚血性心疾患を代表とする心血管病の病態解明及び治療法の確立は最重要課題である。本研究において、運動誘発性の骨格筋由来分泌因子「マイオカイン」であるマイオネクチンが心筋細胞のアポトーシスとマクロファージの炎症反応の抑制を介して心筋虚血再灌流障害を改善することが明らかとなった。従って、マイオネクチンは心筋保護作用を有するマイオカインでありマイオネクチンを標的とした心血管病の創薬開発が期待される。

  7. オメンチンを標的とした心血管病の治療開発

    研究課題/研究課題番号:17K09572  2017年4月 - 2020年3月

    柴田 玲

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    担当区分:研究分担者 

    肥満症を中心とした代謝異常や心血管病の病態には、オメンチンをはじめとした種々のアディポカインの産生異常が関わっている。我々は本研究の中で、オメンチン過剰発現マウス等を用いたアプローチで、オメンチンが虚血下において直接的な心保護効果を有することを見出した。またその機序としてAMPKシグナル伝達経路が関与している可能性が明らかとなった。これらの所見は、オメンチンを標的とした新たな心血管病治療の開発につながると考えられる。
    高齢化社会の到来により、心臓疾患の患者数は顕著に増加しているのみならず、死亡率も非常に高い。まだまだ新たな治療法が求められている現状である。今回我々は、オメンチンが虚血下において直接的な心保護効果を有することをマウス及びミニブタを用いた検討にて見出している。これらの所見は、オメンチンを標的とした新たな心血管病治療の開発につながると考えている。

  8. 新規脂肪由来分泌因子による血管リモデリング制御機構

    研究課題/研究課題番号:16K09512  2016年4月 - 2019年3月

    大橋 浩二

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    担当区分:研究分担者 

    本研究では、肥満状態で低下する新規アディポサイトカイン、アディポリンの病的血管リモデリングに対する役割を検討した。アディポリン欠損マウス(APL-KO)と、野生型(WT)マウスに大腿動脈ワイヤー傷害モデルを作製したところ、傷害後の血管壁においてAPL-KOはWTと比較して新生内膜肥厚の増強と、新生内膜での平滑筋細胞増殖を認めた。また傷害血管壁におけるマクロファージ浸潤と炎症性応答もWTと比較して増加した。さらに培養細胞における検討では、アディポリンはマクロファージの炎症性応答、平滑筋細胞の増殖を、TGFβ/TGFβRII/Smad2シグナルを介して抑制することが明らかとなった。
    本研究は、肥満でその発現が低下し、インスリン感受性を促進する新規のアディポサイトカインとして、我々が同定したアディポリンに着目し、自ら作製した遺伝子改変マウスを用いて、内因性アディポリンの血管病モデルにおける役割の解明を行うという非常に新規性に富み独創性が高いものである。今回の結果から、内因性のアディポリンの欠如は、肥満に伴う動脈硬化、病的血管リモデリングの増悪に繋がることが示唆され、アディポリンを標的とした研究は、心血管病の病態生理の発見や 新規の治療法の開発に発展する可能性を秘めており、社会的意義も大きい。

  9. 新規アディポサイトカイン「オメンチン」の加齢性難聴における役割

    研究課題/研究課題番号:15K10769  2015年4月 - 2019年3月

    谷川 徹

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    担当区分:研究分担者 

    肥満やアディポサイトカインと加齢性難聴との関係についてはまだまだ不明な点が残されている。本研究では、新規アディポサイトカイン「オメンチン」が内耳保護作用を有するかどうかを検討した。
    その結果、オメンチン過剰発現マウスでは加齢に伴う聴力低下が抑制され、らせん神経節細胞も比較的保たれていた。オメンチン過剰発現マウスの血管条では4-HNEやiNOS陽性細胞の減少が見られ、血管内皮機能を反映するとされるeNOS陽性細胞は増加していた。さらに、オメンチン過剰発現マウスでは、蝸牛血流量もよく保たれていた。オメンチンは蝸牛血流保護作用と活性酸素生成の抑制により、加齢性難聴の進行を抑制する可能性が示唆された。
    難聴を来した高齢者に対して、補聴器で聞こえを改善させているのが現状である。“ヒトは血管とともに老いる”。はOsler 博士の有名な言葉である。オメンチンは強力な血管保護作用と抗炎症作用を持つ。しかし、加齢性難聴をはじめとした内耳障害に対する作用については、全く解明されていない。肥満、動脈硬化、オメンチンと内耳障害の関連を明らかにすることにより、加齢性難聴に対する新たな予防手段を提案できる。将来的には、オメンチン受容体を活性化する治療薬を開発することで、加齢や肥満にともなう疾患を克服し、健康長寿の実現につなげることも可能である。

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