科研費 - 荘司 長三
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研究課題/研究課題番号:24K22051 2024年6月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
荘司 長三
担当区分:研究代表者
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
ヘム獲得蛋白質HasAに,菌体内で配位結合により超分組織化する合成金属錯体を結合させた「偽のHasA」を作成し,緑膿菌のヘム獲得経路を利用して,積極的に合成金属錯体を取り込ませることにより,緑膿菌を殺菌できる新規手法を開発する.これまで,光照射が必要であることが「足かせ」となり,実用化へ向けた取り組みは,体の表層部などの極一部の緑膿菌感染症にとどまっていたが,光照射を伴わない殺菌手法を開発することで,光が届かない部位で増殖する多剤耐性緑膿菌を殺菌可能にする.
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研究課題/研究課題番号:21H04704 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
荘司 長三
担当区分:研究代表者
配分額:42900000円 ( 直接経費:33000000円 、 間接経費:9900000円 )
鉄ポルフィリン錯体(ヘム)を活性中心とする金属酵素のシトクロムP450(P450)の中でも活性が高いことで知られる巨大菌由来のP450BM3を用いて,ガス状アルカンやベンゼンなどの不活性な有機基質を高効率に水酸化可能な,強力なバイオ触媒系を創出する.長鎖脂肪酸水酸化酵素のP450BM3に,長鎖脂肪酸に構造を似せた「デコイ分子」を作用させると様々な小分子アルカン類を水酸化可能になる.P450BM3とデコイ分子複合体や反応中間体の結晶構造解析から得られる構造情報を反応場設計に反映させることにより,温和な条件下で小分子アルカン類を高効率に水酸化可能な「P450-デコイ分子」反応システムを創出する.
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研究課題/研究課題番号:15H05806 2015年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
荘司 長三
担当区分:研究代表者
配分額:35880000円 ( 直接経費:27600000円 、 間接経費:8280000円 )
長鎖脂肪酸の水酸化酵素のシトクロムP450BM3(P450BM3)に基質類似分子(デコイ分子)を取り込ませることによって,長鎖脂肪酸以外の基質を水酸化できることを明らかにした。フッ素原子を含まないデコイ分子を開発し、ベンゼンをフェノールに高効率で変換する反応系の構築に成功した。結晶構造解析により,フッ素原子を含まないデコイ分子も長鎖脂肪酸と同様にP450BM3に取り込まれることを明らかにした。緑膿菌が分泌するヘム獲得蛋白質のHasAが、鉄ジフェニルポルフィリンやその誘導体、コバルトテトラフェニルポルフィセンなどのヘムとは構造が大きく異なる様々な合成金属錯体を安定に補足できることを明らかにした。
酸化酵素の一つであるシトクロムP450BM3は、長鎖脂肪酸の水酸化酵素であり、通常は長鎖脂肪酸以外の基質を水酸化することはできないが、基質類似分子(デコイ分子)を取り込ませることで、様々な基質の水酸化が可能になる。共同研究によって、カルボキシル基を持つ様々な化合物がデコイ分子として機能することを見出した。開発した反応系は、有用物質の生産に利用できると期待される。また、緑膿菌のヘム獲得蛋白質HasAに、ヘムとは構造が大きく異なる合成金属錯体が安定に取り込まれることを明らかにすることができた。合成金属錯体を有する人工金属蛋白質開発が大きく進展した。 -
改変型鉄獲得蛋白質による緑膿菌の鉄獲得阻害と光線力学的反応を併用する殺菌システム
研究課題/研究課題番号:26708018 2014年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 若手研究(A)
荘司 長三
担当区分:研究代表者
配分額:24830000円 ( 直接経費:19100000円 、 間接経費:5730000円 )
緑膿菌は,多剤耐性菌の出現による院内感染が社会問題となっているグラム陰性細菌で,多剤耐性緑膿菌に対する治療法の確立が急がれている.緑膿菌は鉄が不足した状態に陥ると鉄ポルフィリン錯体(ヘム鉄)を鉄分として獲得することを目的として,ヘム鉄獲得蛋白質(HasA)を分泌する。本研究では、HasAがヘムとは異なる形状の合成金属錯体であっても捕捉可能であることを明らかにした。鉄-フタロシアニンや鉄-ジフェニルポルフィリンを結合したHasAが緑膿菌の増殖を阻害することを見出した。また、ガリウムフタロシアニンを結合させたHasAを用いると光照射によって緑膿菌を殺菌できることも明らかにした。
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研究課題/研究課題番号:22K21346 2022年12月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際先導研究)
山口 茂弘, 大井 貴史, 斎藤 進, 八木 亜樹子, 松田 亮太郎, 荘司 長三, 木村 康明, 柳井 毅
担当区分:研究分担者
本研究では,有用物質の高効率合成を実現する触媒の開発,材料科学・生命科学研究の革新的進歩をもたらす機能性マテリアルの創製,さらには生体分子システムの機能制御を掲げ,未踏分子機能の実現に挑む.特に,元素効果のダイナミックな変化と分子性機能との相関を深く理解し,その変化を統合的にデザインし得る「動的元素効果デザイン」をもとに,触媒,マテリアル,バイオ機能に関わる分子機能の学際的追求に挑む.
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研究課題/研究課題番号:22H05119 2022年6月 - 2027年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
葛山 智久, 内山 真伸, 丸山 千登勢, 寺田 透, 渡辺 賢二, 勝山 陽平, 山崎 真巳, 脇本 敏幸, 大栗 博毅, 淡川 孝義, 荘司 長三
担当区分:研究分担者
天然化合物は「探す」ものという天然物化学分野で半世紀以上続いてきた既成概念から脱却し、天然化合物の設計図である生合成遺伝子の機能を予知し再構成して天然化合物を人工的に「創り出す」ものとする根本的な変革を先導する。そのため、既存の方法では解析が追いつかず、解析されぬまま爆発的に蓄積し続ける未利用資源とも言うべきゲノム情報から未知の有益な配列情報を情報科学的アプローチで効率的に抽出し、さらに生物合成と化学合成の手法で未踏の天然化合物の生産を可能にすることを目指す。
計画班メンバーによるキックオフミーティングを、2022年7月2日に、東京大学大学院農学生命科学研究科で行い、今後の研究方針について意見交換を行った。
本領域の共催企画として2022年8月16日に札幌生合成国際シンポジウムを北海道大学薬学部臨床薬学講義室で開催した。 スイスETHのJorn Piel教授に加え、ボン大学のJeroen Dickschat 教授や、本領域の計画班メンバーらが講演を行った。ハイブリッド形式で実施し、アメリカやシンガポールからの参加者を含む80名近い参加者が出席した。
2022年8月26日に、東京大学薬学部総合研究棟2階講堂において第1回若手シンポジウムを開催した。本シンポジウムでは、 第1部で、計画班を中心とした若手研究発表会を非公開で行い、第2部で、公開シンポジウムとして、「予知生合成科学」の研究領域の説明と特別講演を開催した。
2022年度日本放線菌学会大会では、共催シンポジウムとして、Inha Universityの Eung-Soo Kim教授を特別講演の講師としてお招きし、ご講演いただいた。
計画班の分担者である東京大学大学院薬学系研究科助教の牛丸理一郎博士が、2022年10月に生合成研究についての意見交換と講演のためアメリカの10大学を訪問した。本研究領域では、前半の3つの大学での講演と意見交換についてサポートを行った。
2023年1月28日に、東京大学農学部において第1回公開シンポジウムを開催した。計画班研究代表者11名が研究計画と研究成果について発表した。最新の成果や今後の研究の方向性に関する活発な議論が行われた。2023年3月15日に、日本農芸化学会大会で、「生合成研究の変革を目指して ~実験科学と計算科学の融合への挑戦~」というシンポジウムを開催し、本領域の計画班から6名が発表した。
初年度は計画班だけによる研究が予定していたメンバーでスタートした。
速やかに領域のWebページを作成し、領域の研究概要や、各班員の研究内容を公開することができた。このwebページやシンポジウムで、公募班の研究概要を伝えることで、予定していた人数の公募班を立ち上げることができた。国際シンポジウムと学会に海外研究者を招聘し、最先端研究を紹介してもらえたことで、本領域の活性化につながっている。若手研究者を海外に派遣し、本領域における最先端研究を学んだり意見交換したことも、本領域の活性化につながっている。Slackやメールを利用した情報交換は、共同研究を進めるのに大きく貢献している。
各計画班や公募班が、研究計画に従って研究を推進するよう、メールや公開シンポジウムでの班会議などで周知していく。そのため、まずは、公募班の研究内容を明確にするため、図とその説明を作成してもらい、領域のホームページで公開する。これにより、研究領域の意義や研究内容を広く周知し、共同研究の促進を図る。そのため、公募班を加えた、第2回公開シンポジウムを6月10日-11日の日程で、計画班の北海道大学の脇本教授を担当者として開催する。このシンポジウムでは、共同研究の推進を計る目的で、公募班全員の研究内容をショートプレゼンテーションとポスター発表で十分に周知してもらう予定である。また、計画班の若手の分担者には、研究成果と研究計画について発表してもらい、お互いの研究をよく理解し合うことを計画している。
これら若手の啓蒙に加えて、8月には、第2回若手シンポジウムを計画している。ここでは、各班に所属する学生やポスドク、若手研究者に集まってもらい、研究に関するアプリケーションの使い方などの講習会も予定している。また、日中間などの国際間の生合成シンポジウムも積極的に開催する。
2024年2月には、第2回公開シンポジウムを東京大学で開催予定である。ここでは、計画班を中心に最新の研究成果を発表してもらう。
加えて、本研究領域で第一線の成果を挙げている海外の著名な研究者をお呼びして、特別講演を開催し、班員の研究推進のサポートを行う。若手研究者や学生を海外の大学などで行われるサマースクールに通わせたり、海外の著名な研究者の研究室を訪問し、成果発表や討論などを通して、若手の国際交流を図る。研究成果に関しては、本研究領域のホームページで随時公開するとともに、SNSを通じて広く発信する。 -
研究課題/研究課題番号:22H05129 2022年6月 - 2027年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
荘司 長三, 當舎 武彦, 有安 真也
担当区分:研究代表者
配分額:82030000円 ( 直接経費:63100000円 、 間接経費:18930000円 )
シトクロムP450の中でも最も活性が高いことで知られる長鎖脂肪酸水酸化酵素のP450BM3に,長鎖脂肪酸に構造を似せた「デコイ分子」を作用させることで,不活性な有機基質を自在に水酸化可能な強力なバイオ触媒系を創出するとともに,機械学習による構造活性相関の解明と予知を実現する.本申請課題では,新規デコイ分子とP450BM3変異体を開発するとともに,全自動酵素活性評価システムや全自動微結晶構造解析システムと連携させることにより、デコイ分子の結合を含めたP450BM3の構造活性相関の解明と予知を実現する.
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ヘム鉄獲得システムを阻害する人工金属蛋白による緑膿菌の新規殺菌法開発
研究課題/研究課題番号:18H02084 2018年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
荘司 長三
担当区分:研究代表者
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
強い薬剤抵抗性を持ち,多剤耐性化しやすく,院内感染の主要な原因菌となっている緑膿菌が鉄欠乏状態で分泌するヘム鉄獲得蛋白質HasAに、ガリウムフタロシアニンを捕捉させた人工金属蛋白質を開発した。人工金属蛋白質を緑膿菌に作用させると、10分間の赤色光を照射するだけで99.999%以上の緑膿菌を光殺菌できる、既存の抗生物質とは作用機序が異なる新規殺菌手法である。多剤耐性緑膿菌も殺菌できることを確認するとともに、緑膿菌のみを高選択的に殺菌可能な手法であることを明らかにした。
緑膿菌はヒトに日和見感染する病原菌であり,高い薬剤抵抗性や薬剤耐性化しやすい性質から,既存の抗生物質が効かない薬剤耐性緑膿菌が多く発生している.世界保健機関(WHO)は最も危険な薬剤耐性菌の1種としてカルバペネム系抗生物質に耐性化した緑膿菌をあげており,従来の抗菌薬とは作用機序が異なり耐性化されにくい,緑膿菌感染症の新たな治療法開発が強く望まれている.本研究では,日和見感染菌の緑膿菌を標的とし,合成金属錯体を内包させた人工金属蛋白質を構築し,従来の抗菌薬とは全く異なる作用機序の緑膿菌高選択的な光殺菌法を開発した. -
生体触媒の誤作動状態を利用するメタンの直接的メタノール変換
2015年10月 - 2021年9月
科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 多様な天然炭素資源の活用に資する革新的触媒と創出技術
荘司 長三、杉本 宏、久保 稔
担当区分:研究代表者
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外部添加因子による生体触媒反応場の制御と高難度物質変換
2015年6月 - 2020年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
担当区分:研究代表者
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外部添加因子による生体触媒反応場の制御と高難度物質変換
2015年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
資金種別:競争的資金
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変性蛋白質の自己集合状態を利用する新規機能性蛋白質の開発
2015年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金
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改変型鉄獲得蛋白質による緑膿菌の鉄獲得阻害と光線力学的反応を併用する殺菌システム
2014年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
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改変型鉄獲得蛋白質による緑膿菌の鉄獲得阻害と光線力学的反応を併用する殺菌システム
2014年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A)
資金種別:競争的資金
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生体触媒の基質誤認識を利用する不活性炭化水素への酸素原子挿入反応触媒系の開発
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)
担当区分:研究代表者
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小分子アルカン類を水酸化するバイオ触媒システムの分子設計
研究課題/研究課題番号:24225004 2012年5月 - 2017年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
渡辺 芳人, 荘司 長三
長鎖脂肪酸を高選択的に水酸化するシトクロムP450BM3 に,パーフルオロアルキルカルボン酸(PFC)を疑似基質として取り込ませると,ガス状アルカンやベンゼンを酸化できることを明らかにするとともに、PFCのカルボキシル基をアミノ酸で修飾した第二世代のデコイ分子がガス状アルカンの水酸化活性を大幅に向上させることを見出した.また、過酸化水素駆動型P450の活性部位に、変異導入によってグルタミン酸を配置して基質の長鎖脂肪酸が結合した状態を疑似的に再現すると、非対象基質を水酸化できることを明らかにした。酸素分子を活性化する通常のP450を過酸化水素駆動型に変換できることを合わせて見出した。
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酵素の基質誤認識を利用するバイオ触媒の創成
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
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高難度酸化反応を可能とするヘム酵素の創
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金