科研費 - 内藤 久資
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ナノ極小曲面論による相分離過程の大域解析
2017年6月 - 2022年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者
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次世代材料探索のための離散幾何解析推進
2017年7月 - 2022年3月
科学研究費補助金
小谷元子
担当区分:研究分担者
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幾何学的変分問題と離散幾何学の数値解析を援用した研究
2014年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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離散幾何解析学の進展
2015年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
砂田利一
担当区分:研究分担者
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幾何学的変分問題とその幾何学的視覚化の研究
2010年11月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C) 課題番号 22540075
担当区分:研究代表者
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幾何学的変分問題に関連する非線形偏微分方程式
2004年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号:16540188
内藤久資
担当区分:研究代表者
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仮想コンピューティング実験室によるクラウド型専門教育実習環境とその応用
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B) 課題番号 10002588
梶田将司
担当区分:研究分担者
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離散幾何解析を基礎とした機械学習による幾何学・物理学にあらわれる変分問題の研究
研究課題/研究課題番号:25H01527 2025年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
内藤 久資
担当区分:研究代表者
配分額:2600000円 ( 直接経費:2000000円 、 間接経費:600000円 )
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数値計算・グラフィックス・機械学習を利用した離散幾何解析とその応用
研究課題/研究課題番号:24K06710 2024年4月 - 2029年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
内藤 久資
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
本研究では, 数値計算および機械学習的な手法を利用して, コンピュターグラッフィクスも利用した離散幾何解析および幾何学的変分問題の研究を行う.
我々がこれまでに行ってきた研究では, 三分岐離散曲面に対する曲率の定義を行い, Mackay 型結晶(Schwarz P 曲面の「離散化」と考えられる三分岐曲面)の細分を考察した. そこでは「離散から連続」への方向の解析を行ったが, それを調和または極小な三分岐離散曲面に限ることにより, その細分列のより詳細な収束を議論する. -
研究課題/研究課題番号:23K25769 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
小谷 元子, 楯 辰哉, 内藤 久資, 熊谷 隆
担当区分:研究分担者
離散曲面(距離・測度付き三分岐グラフ)の幾何解析を行う。特にW.Thurstonによって提唱された「閉曲面の接触円パッキング」を用いた離散共形構造の概念をより一般の離散曲面に対して定義する。また共形構造を用いて離散極小曲面の表現公式を定義する。与えられた離散極小曲面の細分列を「標準的実現」を用いて構成し、その極限として離散曲面の背後にある連続な曲面を特定する。その際に表現公式を通して共形構造の収束や特異点の詳細解析を行う。更に離散曲面上のランダム・ウォークを細分列に対して定義し、その確率過程としての収束を議論する。これらの結果を絡み合う複数のグラフにより構成される織り込み構造に対して拡張する。
本研究では、与えられた離散曲面に対し、共形構造の概念を定式化し、共形構造をもつ離散曲面と収束理論を精密化し特異点解析を行うこと、その上でのランダム現象の収束理論も構築を目指すこととしていた。本年は離散正則構造を定式化することで、離散曲面に共形構造を導入し、離散調和曲面に関するWeierstrass表現公式を得ることができた。また、離散正則構造から古典的な正則構造を取り出すことに成功し、与えられた離散調和曲面から細分を繰り返すことで得られる離散調和曲面列の収束を議論し、これが古典的な極小曲面に滑らかに収束することを証明した。これらは内藤氏との共同研究論文として出版した。収束する曲面列上のランダムウォークの収束に向けての第一段階が達成できた。この表現公式の応用として、楯氏と共に群作用のある場合に適用する為の検討を開始した。空間内で絡みあう織物構造を組み合わせ論的に分類する研究に関しては、twistのある場合についてMahmoudi氏と研究討論を継続しているが、特に3月に国内研究者を招聘し最新研究の進捗状況を含め数学と材料科学の学際的研究に関し有意義な情報交換ができた。また、織物構造の3次元空間内の安定的な配置に関して、反発作用を持つ標準実現を用いて定式化することができる事が分かり、内藤氏と共に出版の準備を行っている。熊谷氏はBouchaudのトラップモデルと呼ばれる一次元ランダムウォークの各点での滞在時間にランダムなheavy tailの重みを置いたモデルについて、対応する熱核が振動を起こす現象を重みに関するパラメーターに応じて詳細に解析した。今後これを離散調和曲面などに展開していく為の議論を開始した。“Emerging Platforms for Quantum Computing”を開催し東北大学及びUCSB, Microsoft Q-station他の研究者に講演頂いた。
この課題の目的であった離散共形構造の定式化、および離散調和曲面の表現公式を得られたことは研究計画の要であり、実現できたことに満足している。また、当初、これが古典的な極小曲面に滑らかに収束することを示すのは大変に難しいと考えていたが、正則形式に注目することでこれが証明できたことは予想以上であった。それ以外の計画も順調に進んでおり、論文発表に向けて準備できている。国際研究集会を開催し、世界的に活躍する研究者から講演をいただき、活発な研究討論を行うことができた。
6・8に記載したように、順調、もしくは予想以上に計画が進んでいる。今後は、共同研究者間の情報交換の機会や、若手研究者を巻き込んだ国際シンポジウムの開催を活発に行い、成果の発信や、さらなる発展につなげる。 -
研究課題/研究課題番号:23H01072 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
小谷 元子, 楯 辰哉, 内藤 久資, 熊谷 隆
担当区分:研究分担者
離散曲面(距離・測度付き三分岐グラフ)の幾何解析を行う。特にW.Thurstonによって提唱された「閉曲面の接触円パッキング」を用いた離散共形構造の概念をより一般の離散曲面に対して定義する。また共形構造を用いて離散極小曲面の表現公式を定義する。与えられた離散極小曲面の細分列を「標準的実現」を用いて構成し、その極限として離散曲面の背後にある連続な曲面を特定する。その際に表現公式を通して共形構造の収束や特異点の詳細解析を行う。更に離散曲面上のランダム・ウォークを細分列に対して定義し、その確率過程としての収束を議論する。これらの結果を絡み合う複数のグラフにより構成される織り込み構造に対して拡張する。
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数値計算とコンピュータグラフィックスを援用した離散幾何解析の研究
研究課題/研究課題番号:19K03488 2019年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
内藤 久資
担当区分:研究代表者
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
本研究では, 数値計算およびコンピュータグラフィックスを利用して, 離散幾何解析の研究を行う. 特に, 離散幾何解析の中でも, 三分岐離散曲面の解析に重点をおく.
本研究では, 三分岐離散曲面の「細分」を適切に定義し, その収束理論を展開する. 応募者がこれまで に行ってきた研究では, 三分岐離散曲面に対する曲率の定義を行い, Mackay 型結晶(Schwarz P 曲面 の「離散化」と考えられる三分岐曲面)の細分を考察した. そこで, より一般の三分岐離散曲面を対象 として, 収束理論を展開して, そこであらわれる特異点と材料科学的な性質との関連を明らかにしたい.
1.3分岐離散調和曲面に対する局所的なワイエルシュトラス表現公式を構成した.さらに,それを用いて,3分岐離散調和曲面の細分列に対する収束定理を証明した. その具体例として,3分岐エネパー形調和曲面を構成し,その細分列は,古典的な極小曲面であるエネパー曲面に収束することを示した.
2.3次元ユークリッド空間内に配置された entangled graph および weaving の絡み合いを定義し,それらの間に反発項を含むエネルギーを定義することで,絡み合い成分ごとに,時間に対して 1/3 乗の速度で分離することを示した.
3.教師なし機械学習(ニューラルネットワーク)を用いて,複数粒子に関する1次元シュレディンガー方程式の基底状態およびいくつかの励起状態を計算した. 特に,複数のフェルミオンに対する状態を,ボソンに対する状態と同じ手法で計算した.
4.平面内の多角形および空間内の多面体を,簡単な教師データを用いたニューラルネットワークで生成できることを示した.
3分岐離散調和曲面に対するワイエルシュトラス表現公式を,局所的であっても構成することができ,それによって3分岐離散調和曲面の細分列に対する収束定理を示すことができた.
我々が構成した3分岐離散調和曲面に対するワイエルシュトラス公式は局所的なものであり,例えば,この公式を用いて離散カテノイドを構成することはできない. このようなモノドロミーをもつ曲面にも適用可能なワイエルシュトラス形公式の構成を考える.
また,3次元空間に配置された3次元的グラフの絡み合いの反発力をもつエネルギーに関する安定構造を求める. -
研究課題/研究課題番号:17H06460 2017年6月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
小谷 元子, 大西 立顕, 内藤 久資, 高見 誠一, 一木 輝久, 古田 幹雄, 青柳 岳司, 下川 航也, 橋本 幸士
担当区分:研究分担者
本研究課題では、原子・分子が作るミクロな構造とその物質材料が持つマクロな性質や機能との関係を記述・解析できる「離散幾何解析」という数学の枠組みを発展させ、材料科学者と連携して、構造から機能を予測したり(順問題)、求める機能を発現する構造を予見したり(逆問題)する取り組みを支援した。特に、「数学」「材料の理論」「材料の実験」「データ科学」という異なる分野の研究者の間で自発的な連携を促すための種々の仕組みを導入し、次世代物質探索につながる成果の創出に寄与した。
近年、データと人工知能(AI)を用いた物質材料の探索が盛んになっているが、ミクロな構造とマクロな性質との関係を調べ、求める性質を実現するための構造を予測する逆問題を解くことは簡単ではない。複雑な構造が持つ本質的な情報を見つけてミクロとマクロの関係を階層横断的に理解して逆問題を解くために、「数学」「材料の理論」「材料の実験」「データ科学」の連携を促して道すじを示すことを支援したことが、本課題の社会的意義である。また、これらの連携に主体的に関与することで、特に若手研究者が従来にない視点での研究テーマを見出せたことに、学術的意義があると言える。 -
研究課題/研究課題番号:17H06466 2017年6月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
内藤 久資, 納谷 信
担当区分:研究代表者
配分額:52130000円 ( 直接経費:40100000円 、 間接経費:12030000円 )
炭素構造を代表例とする新奇結晶構造を離散幾何解析を用いて解析した. 炭素構造を代表的な例とする結晶構造を離散幾何解析の視点から解析するために, 3分岐離散曲面を定義し, そのガウス曲率・平均曲率を定義し, 従来「負曲率炭素構造」と言われていた構造の負曲率性を示すなど, 離散幾何解析の手法により, 物質科学にあらわれる構造の記述ができることを示した. また, グラフのエネルギーを改良することで, 曲面的なグラフェン構造の高速計算法を提案し, 曲面の曲率と物性との間に強い相関がある例を示した.
従来とは異なる離散幾何解析的なアプローチによって材料物性を解析できる可能性を示した. 従来の材料科学では経験的な手法によって望ましい物性を探索することが多く, また近年のデータ駆動型アプローチでも, 多くの既存のデータを用いることが多い. 一方, 我々が行なった離散幾何解析的アプローチは, 材料の幾何学的性質を考察することにより,
望ましい物性・新奇な物性をもつ材料を探索する可能性を開拓した. -
離散幾何解析学の進展
研究課題/研究課題番号:15H02055 2015年4月 - 2019年3月
砂田 利一
担当区分:研究分担者
本研究では、数学的結晶理論のトピック、中でも最近の系統的結晶デザインの発展に触発されて、「標準的結晶モデル」、「タイト枠」、「グラスマン多様体の有理点」、「2次の不定方程式系」の間の興味深い関係について探求した。核となる対象は、結晶的タイト枠であり、これはルート系の一般化である。さらに、最近発展しつつあるtropical geometryとの関連を調べ、結晶の標準モデルがアーベル・ヤコビの写像の離散類似として説明されることを見出した。 これに加えて、準結晶の理論にも踏み込み、一般化されたリーマン和を定式化することにより算術的に定義されたいくつかおの離散集合は準結晶となっていることを確かめた。
本研究は、物質科学に密接に関連しており、特に結晶と準結晶の数学的理論を通して、結晶デザインの系統的方法を与えることにより、現実の社会に貢献している。 -
離散曲面論の構築による物質の機能ー構造相関の幾何学的記述
研究課題/研究課題番号:15K13432 2015年4月 - 2018年3月
小谷 元子
担当区分:連携研究者
与えられた滑らかな曲面を離散化し、離散的なデータを用いて幾何学的量を計算する研究が最近活発に行われている。本研究では、前提となる滑らかな曲面がない場合、すなわち2次元・3次元空間のなかにグラフが与えられたときに、直接に「曲面」の幾何学量をとりだすための、曲面論の離散版にあたる「離散曲面論」を構築し研究した。特にガウス写像に注目することで面積の変分公式を求めた。これにより、「離散極小曲面」「離散平均曲率一定曲面」を定義した。これらの幾何学量と実際の物質の内的歪みや外的歪みとの相関、スペクトル量と電子状態の相関などを、比較する手法を開発しこれらを論文にまとめた。
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幾何学的変分問題と離散幾何学の数値解析を援用した研究
研究課題/研究課題番号:26400067 2014年4月 - 2020年3月
内藤 久資
担当区分:研究代表者
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
三分岐離散曲面に関する幾何学の研究を行った. 特に,3次元ユークリッド空間内の三分岐離散曲面に対して,その頂点ごとの曲率を定義した。その中では、カーボン・ナノチューブ、フラーレン、マッカイ結晶などを例としてあげ、 材料科学及び有機化学で「負曲率炭素構造」と呼ばれているマッカイ結晶が、実際に負曲率を持つことを示した。さらに,三分岐離散曲面に対して,複数の種類の細分を定義し, 極小エネルギーによる細分列の場合には,標準実現三分岐離散曲面が連続曲面にハウスドルフ収束することを証明した
従来の離散曲面論は,連続曲面の離散化として離散曲面を定義していた. この研究では,分子構造・結晶構造をモデルとした,本質的に離散な曲面を対象とし,その幾何学を展開したことに重要な意義がある. しかも,単純に曲率を定義するだけではなく,離散曲面の細分を定義することにより,収束理論への道を開いた. 一般に,分子構造・決s高構造のミクロな解析では離散的なオブジェクトとしてそれらを扱うが,収束理論を通じて,マクロな連続的なオブジェクトを扱うことができる可能性を示した.