科研費 - SAVELIEV IGOR
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「ベトナム-極東アジア経済中心」間の移動動態と共同態創出の都市人類学
研究課題/研究課題番号:22K01085 2022年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
長坂 康代, SAVELIEV IGOR, 和崎 春日
担当区分:研究分担者
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
本研究は、グローバル化の進む現代社会における移動性の加速化とそれに伴う越境的な生活圏の多方向的な拡大がもたらす諸問題に対する民衆的な生活戦略と共同態構築が生み出す文化創造の実態を、経済成長著しい東南アジアから、移動/定住、グローバル/ローカル、南/北、新興国/先進国がせめぎ合い錯綜する都市、その端的な一国首都ベトナムのハノイを中心に、村落社会にも広げて調査・分析する。
こうして、地球規模の移動社会時代を生きる人類にとっての、移動/定住もそこに住む意味も期間も可動的な多元的生活原理「移動と定住の間」に関する動態社会モデルとそれに伴う共生モデルの理論化を図る。
1 「ベトナムー極東アジア経済中心(日本)」関係の調査―①ハノイ外縁部で、日本滞在経験者(ハーイ氏)の移動(帰国後)の動態調査。
在日留学経験者同士の男女が、ベトナム帰国後もハノイの「送り出し」関係の会社に就職し、「送り出される」から「送り出す」へと移動する、学習から労働へと、金銭払うから金銭稼ぐへと変化する、動態を調査した。また、日本からベトナム帰国後は、就職だけでなく結婚も、日越の国際移動にかかわることを調査析出した。②ハノイ外縁部で、日本滞在経験者(ルオン氏)の移動(帰国後)の動態調査。出産を母国ベトナムでしたあと、やはり労働勤務を日本で再開するべく、日本へと移動することを確認。このように、コロナ状況から日本もベトナムもかなり脱しており、交流が再開され再活発化し始めた状況を観察、確認した。ー日本においては、これに先立って、マジョリティ金族とマイノリティー山間民族が、滞日共通経験をフィルターに、異なる民族の出会いを得て、結婚という、多(異)民族共生をなしていくことを調査確認した。ハノイでも異民族のり超えが家族的に継続することを調査確認した。③学術部門でのベトナムー日本間の移動‐交流動態を、JVCCとハノイ国家大学で、調査確認した。Vu学部長とフオン名誉教授の、日本の大学院留学生(博士取得者)経験者や大学教育実施経験者が、ベトナムでも帰国後も「ベトナムー日」間の移動‐交流を促進リードしている、ベトナム上層者の交流実態を把えた。
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2 多民族集中タヒエン地域調査
ハノイの「ベトナムー極東アジア経済中心」間の移動と国際交流状況をめぐる都市人類学的調査を実施した。物的調査では、ハノイ時計店において、大量のロシア製時計が今も店頭に並んでおり、厚い交流の継続を調査確認した。
コロナ禍で移動が困難であったが、国内での調査を可能な範囲で進め、継続して行ってきた。昨夏から海外渡航が可能になり、ベトナムでの調査を進めることができるようになったため。科研の共同研究としては、まずよいスタートをきることができたと考えている。
ロシアに渡航調査ができる国際情勢ではないので、ベトナムおよび日本における調査に力点をおいて、国際移動と国際交流を考察する。 -
東北アジアにおける「帝国」と移民政策―海洋帝国と大陸帝国の比較研究
研究課題/研究課題番号:22K00841 2022年4月 - 2025年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
SAVELIEV IGOR
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
本研究は、東北アジアにおける大英帝国とロシア帝国の移民政策を研究の対象にして、未 発掘のイギリスの植民地省と帝政ロシアの移住局の史料などの分析に基づいて、海洋帝国 (大英帝国)と大陸帝国(ロシア帝国)の移民政策の決定過程および中央・辺境の諸関係を 比較し、両方における帝国構想をめぐる議論、帝国の官庁による移民政策の決定過程、帝国 内の各アクター(宗主国の官庁(植民地省、移住局等)、植民地・辺境地の行政官、企業、知識人 等)の役割および相互関係、帝国内の人材管理、東北アジア諸国からの海外移住および国内 移住、民族政策を明らかにし、ポストコロニアルな社会の異民族間関係への影響を解明し、帝国論を問い直す。
令和4年度は、6月に本研究の理論的研究および事例研究を取りまとめるための理論枠組みおよび方法論を確認し、7月に1893年から1902年にかけての新聞『ウラジオストク』、東北アジア史に関する文献などの資料を調査し、ロシア帝国内の人材管理、中国からの移住および国内移住、民族政策を明らかにする『ロシア史研究』への投稿原稿を作成し、2022年10月15日 にロシア史研究会2022年度年次大会に研究成果報告を実施し、さらに2022年10月28日 にオンラインにてInstitute of Asian Studies of Al-Farabi Kazakh National Universityが開催した国際学術大会“Prospects for the development of Diaspora Studies in the era of globalization, transnationalism, and digitalization” において研究成果発表を行った。同研究所が同月に刊行した論文集(国際会議プロシーディングス)Prospects for the development of Diaspora Studies in the era of globalization, transnationalism, and digitalizationにおいて、Railroad Construction and the Formation of a Labor Diaspora: the Case of Northeastern China and the Russian Far East, 1890s - 1920sという論文を掲載した。2022年11月から2023年3月にかけて収集した資料の整理・分析を行い、令和5年度の研究活動の日程を確認した。
2022年度7月までパンデミックによる移動の制限があり、また、2022年2月から国際政治情勢悪化したために、ロシアへの渡航を控えるという方針となり、ロシア公文書館での史料調査が困難になった。状況を鑑みて、さらに未発掘の資料を用いるため、2022年7月に国内において、1893年から1902年にかけての新聞『ウラジオストク』を調査し、極東および中国東北におけるロシア帝国の植民事業、とくに人材を獲得するための諸制度に関する重要なデータを収集した。そのデータの分析に基づいて、2022年10月にロシア史研究会年次大会およびInstitute of Asian Studies of Al-Farabi Kazakh National Universityが開催した国際学術大会において研究成果発表を行った。令和5年度には、国際政治情勢を見極めながら、海外資料調査の企画を検討する。
令和5年は、4・5月に1895年と1901年の新聞『ウラジオストク』を調査し、収集した資料を東北アジア史に関する文献などの資料と合わせて、ロシア帝国の移民政策の決定過程および中央・辺境の諸関係を、帝国構想をめぐる議論、帝国の官庁による移民政策の決定過程、帝国内の各アクター(宗主国の官庁(植民地省、移住局等)、植民地・辺境地の行政官、知識人等)の役割および相互関係、東北アジア諸国からの移住および国内移住を明らかにする。研究方法として、国際共同研究を推進するために、研究者のネットワークを強化させ、6月に「日露交流史研究会」第15回例会において、「世紀転換期のロシアの社会における極東・中国東北での植民事業をめぐる議論」(仮題)というテーマで、さらに大邱に開催されるアジア研究学会アジア学術大会(AAS-in-Daegu Conference)において、他の研究者とともにセッションを組織し、研究成果報告を行う。7月からは、史料調査を継続し、随時学術論文を執筆する。国際情勢が許す限り、海外の史料調査を実施する。 -
東北アジア(日中韓露)における朝鮮族の拡散と新コリアン・ネットワーク形成の研究
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(海外)
サヴェリエフ・イゴリ
担当区分:研究代表者
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自治領時代カナダの政治と日本人移民
2019年4月 - 2019年9月
科学研究費補助金
Igor Saveliev
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自治領時代カナダの国家アイデンティティ形成における日本人移民、1867-1914
2010年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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東北アジア辺境地域多民族共生コミュニティ形成の理論:中露・蒙中辺境に着目して
2015年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
岡洋樹
担当区分:研究分担者
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東北アジア辺境地域多民族共生コミュニティ形成の論理:中露・蒙中辺境に着目して
研究課題/研究課題番号:15H03128 2015年4月 - 2019年3月
岡 洋樹
担当区分:研究分担者
本研究は、18世紀から21世紀初頭の東北アジアの中蒙辺境、露中辺境における人の移動と住民間の共生関係の形成様態を解明した。18世紀の中蒙辺境では活発な人の移動とこれを可能とする社会環境が形成され、移動の波は、19世紀末にはロシア極東に波及した。また20世紀初頭モンゴル国では、ロシア人と漢人の間に税負担回避のための協力関係が見られ、満洲国ではロシア・日本の百貨店が、多民族的な嗜好に対応した経営を行っていた。社会主義体制下で移動は強い管理下に置かれたが、冷戦終了により越境的な人の移動や多文化化が再び活性化した。本研究により大国統治の政治的制約の東北アジアで、活発な人の移動と共生が確認された。
本研究は、中国北部・モンゴル・ロシア極東・シベリアにわたる東北アジア内陸部を地域的枠組としてとらえ、17世紀から21世紀初頭に至る時期に関して時期ごとの特徴的事象の検討を通じて、東北アジアにおける人の移動と移住者・現地住民の共生の様態を解明した点に学術的意義がある。近年中国南部等に関して進められている人の移動の研究に対して、異なる自然・社会環境を有する東北アジア北部に関して再検討し、活発な人の移動・交流、そして共生関係の生成が、全期間にわたって確認された点に学術的意義がある。これにより、辺境として停滞的に理解されがちだった東北アジアについての理解を新たにする材料を提供した点に社会的意義がある。 -
ロシア帝国と「東北アジア」の成立―国際関係史の立 場から―
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
中見 立夫
担当区分:研究分担者
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19世紀後半~20世紀初頭における日本と中国政府の移民政策の比較研究
2003年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号:15720148
Saveliev Igor
担当区分:研究代表者
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中国東北(満州)をめぐる日本・中国・ロシア関係のロシア未公開史料の調査研究
2002年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 14401020
井村 哲郎
担当区分:研究分担者
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19世紀末~20世紀初頭の合衆国と極東ロシアにおける日本人中国人排斥運動の比較研究
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 12710178
Saveliev Igor
担当区分:研究代表者