科研費 - 山中 佳子
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2023年5月5日の地震を含む能登半島北東部陸海域で継続する地震と災害の総合調査
研究課題/研究課題番号:23K17482 2023年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 特別研究促進費
平松 良浩, 岡田 知己, 吉田 圭佑, 高木 涼太, 篠原 雅尚, 酒井 慎一, 藏下 英司, 西村 卓也, 太田 雄策, 木下 陽平, 宮崎 真一, 後藤 忠徳, 笠谷 貴史, 吉村 令慧, 田中 愛幸, 宮澤 理稔, 荒木 英一郎, 森下 知晃, 鹿児島 渉悟, 石山 達也, 立石 良, 安江 健一, 廣内 大助, 松多 信尚, 宍倉 正展, 岩田 知孝, 浅野 公之, 大堀 道広, 村田 晶, 石川 浩一郎, 山岸 邦彰, 須田 達, 山崎 新太郎, 青木 賢人, 林 紀代美, 武田 公子, 田中 純一, 井口 克郎, 佐々木 大輔, 原 裕太, 吉田 浩, 松本 聡, 江本 賢太郎, 山中 佳子, 勝俣 啓, 前田 拓人, 石瀬 素子, 古谷 元, 小林 俊一, 高原 利幸, 金澤 伸一, 保坂 吉則, 王 功輝, 卜部 厚志, 片岡 香子, 高清水 康博, 永松 伸吾, 由比 政年, 犬飼 直之, 楳田 真也, 有田 守, 馬場 俊孝, 二宮 順一, 郷右近 英臣, 林 豊, 多々納 裕一, 梶谷 義雄, 中山 晶一朗, 藤生 慎
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:190000円
陸域地震観測、海域地震観測、測地観測、電磁気観測、超高感度地殻活動観測、温泉水化学分析、活構造調査、高震度生成過程調査、被害状況調査、社会的影響調査といった多様な観測調査を総合的に実施し、2023年5月5日のM6.5の地震を含む能登半島北東部の陸海域で継続する活発な地震活動や地殻変動の原因や当該地域の構造発達との関連、震災の詳細やその成因、社会的影響を解明し、今後の地震活動推移予測の高度化や地震災害の軽減に役立つ知見を得ることを目指します。
能登半島北東部で2020年12月頃から活発化した群発地震活動及び2023年5月5日のM6.5の地震の成因や災害像、社会的影響を明らかにするために、地震観測(陸上と海底)、測地観測、電磁気観測、重力観測、温泉成分測定、活構造調査、高震度生成過程調査、地震被害調査、社会的影響調査からなる総合調査を2023年6月から、さらに、2024年1月1日のM7.6の地震を受けて、2024年1月から津波調査、経済的影響調査を新たに追加した総合調査を実施している。これまでの観測・調査で得られたデータの解析から、群発地震の震源域の地震活動の時空間分布、地殻変動の時空間変化と変動源のモデル構築、地震波速度や比抵抗の3次元地下構造の推定、M6.5の地震及びM7.6の地震による重力変化の検出やファイバーセンシングの実施、温泉・地下水の化学成分の時間変動、M6.5の地震とM7.6の地震の震源過程の推定、強震度地域の地盤特性の推定、M6.5の地震とM7.6の地震による海岸の地盤隆起量の測定と長期的隆起速度との対比、地震動による構造物の被害や斜面崩壊、土砂災害、液状化現象、地域住民の地震・津波防災意識、津波の浸水深・遡上高や津波による被害状況等の解明、地域経済への影響の解明を進めている。研究成果については、国内外の学会や国際誌にて発表を行い、国や県の委員会でも情報提供を行なった。特に日本地震学会2023年秋季大会では、能登半島北東部の群発地震と2023年のM6.5の地震に関する特別セッションを設け、関連研究とともに幅広く議論を行なった。また、報道機関や市民向けシンポジウム等を通じて研究成果の発信を行なった。
陸上及び海底での臨時地震観測により、震源決定精度を向上させた。地震活動や地殻変動の詳細な時空間分布、それらに基づく断層面や変動源の推定及び3次元地震波速度構造・比抵抗構造等に基づき、2020年12月頃から能登半島北東部にて継続する群発地震の発生メカニズムを説明するモデルを提唱した。M6.5の地震やM7.6の地震を含む地殻変動の解析を進め、断層モデルを提唱した。さらに、M7.6の地震後の余効変動の観測・解析に取り組んだ。海域において臨時電磁気観測を実施し、良好なデータを得ることができた。絶対重力観測と相対重力観測を組み合わせることにより、M6.5の地震及びM7.6の地震の震源付近で重力変化が生じたことを明らかにした。光ファイバー観測で良好な地震記録を得ることができた。温泉・地下水の化学成分の繰り返し測定から化学成分の時間変動を見出し、また一部地点の温泉水に深部起源の流体が含まれることを明らかにした。M6.5の地震やM7.6の地震による海岸付近の地盤隆起を稠密に測定した。M6.5の地震及びM7.6の地震の震源過程を推定し(ただし、後者については暫定的な結果)、地盤特性と合わせて、強震動生成モデルの解明を進めた。また、M6.5の地震やM7.6の地震の地震動による被災状況調査や斜面崩壊、地すべり、地盤変状、液状化現象に関する調査を行なった。地域住民へのアンケート調査を実施し、M7.6の地震発生前での地震防災・津波防災に関する意識を把握することができた。自治体の財政状態の分析を行なった。M7.6の地震によって生じた津波について、能登半島から新潟県にかけて、津波の浸水深や遡上高に関する現地調査等を実施した。M7.6の地震が地域経済に与える影響について調査を始めた。2024年3月25日から26日にかけて金沢市にて研究集会を実施し、その時点での研究成果や今後の課題について議論した。
M7.6の震源域周辺や被災地において、各種の臨時観測や現地調査を継続して実施し、M7.6の地震後の地震活動、震源域の地下構造、震源過程、地盤特性、余効変動、重力変化、温泉・地下水の化学成分の変化に関して、M7.6地震以前の群発地震活動や能登半島における地震テクトニクスとの関連性も含めて、解明を進める。また、M7.6の地震・津波による被災状況の調査を継続的に実施し、地震動・津波による災害像を地域特性を踏まえて明らかにする。また、津波発生に関わるシミュレーションを実施し、断層破壊過程の推定や防波堤・護岸等の海岸防護施設整備の効果や影響に関する検討を行う。M7.6の地震・津波に対する地域住民等の対応について調査し、過疎高齢化が進む地域における地震・津波防災の課題及びその対策に関する検討を進める。地震・津波の被災地における地域経済への影響に関する調査を進め、被害の特徴や復興ならびに防災計画上の課題を明らかにする。研究成果については、国内外の学会や国際誌、県や国の委員会等にて発表を行うとともに市民向けのシンポジウムの開催や報道機関を通じての成果発表により、社会に還元する。年度末には研究集会を開催し、研究成果の共有を行う。 -
2023年5月5日の地震を含む能登半島北東部陸海域で継続する地震と災害の総合調査
2023年4月 - 2024年3月
科学研究費補助金 特別研究促進費 23K17482
山中佳子
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:50000円
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古文書解読からわかる地震活動・被害実相比較による南海トラフ巨大歴史地震像の解明
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究代表者
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津波地震のメカニズムの解明
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C) 18540414
山中佳子
担当区分:研究代表者
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巨大地震の震源過程情報データベース
2006年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 研究成果公開促進費 188075
山中佳子
担当区分:研究代表者
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広域震度分布の高精度シミュレーションに基づく関東直下の被害地震の震源モデル推定
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C) 17510145
古村孝志
担当区分:研究分担者
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三次元グリーン関数を用いた震源過程の高分解能解析
2003年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C) 15540403
纐纈一起
担当区分:研究分担者
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高精度3次元大規模数値シミュレーションに基づく南海・東南海地震の強震動分布予測
2002年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C) 14540391
古村孝志
担当区分:研究分担者
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世界の大地震のアスペリティマップ -アスペリティの地域性とテクトニクスの関係-
2002年3月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
山中佳子
担当区分:研究代表者