科研費 - 宇治原 徹
-
酸化物へのインターカレーションによる熱伝導可変素子の開発
研究課題/研究課題番号:22K18985 2022年6月 - 2024年3月
挑戦的研究(萌芽)
宇治原 徹
担当区分:研究代表者
本研究では、非晶質をベースにイオンの挿入・脱離で熱伝導率が大きく変化する新たな機能性材料分野の開拓を目指す。学術的にはいまだ未知な部分が多い非結晶物質の物性を熱特性の観点から新たな解釈に挑むものであり、工学的には電子機器・デバイスで大きな課題である熱制御に新たな方法論を提示する。また、熱伝導可変物質を活用し熱スイッチを試作する。熱伝導可変物質とイオン供給層を積層させ、イオンが移動する程度に電圧を短時間印加する。それで高熱伝導状態(on)と断熱状態(off)を切り替える。また、ペルチエ、蓄熱材と熱スイッチを組み合わせることで、熱制御のための基本的な熱デバイス動作を実現できる。
-
潜在空間における複雑な結晶成長モデルの構築とプロセス設計
研究課題/研究課題番号:22H00300 2022年4月 - 2025年3月
基盤研究(A)
宇治原 徹
担当区分:研究代表者
我々はSiC溶液成長において、高温溶液内部の温度や流れの状態を即座に予測できるサロゲートモデルを機械学習技術により構築し、それを活用してプロセス設計を行い、6インチの大口径成長を早期に実現してきた。ところで、欠陥の形成や低減においてはステップバンチングやステップの湾曲や蛇行などによって形成される複雑な結晶表面構造が重要となる。本研究では、その時間発展を6インチ全面にわたって正確かつ高速に予測する代理モデルを構築し、大口径と究極の高品質を両立させたプロセス設計を行う。 -
インターカレーションによる熱物性変化を活用した熱スイッチ素子の提案
研究課題/研究課題番号:20K21081 2020年7月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
宇治原 徹, 原田 俊太
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
熱エネルギーは扱いにくいエネルギーである。最近、熱を制御するためのデバイスが提案され、熱スイッチもその一つである。本研究では、具体的には、非晶質酸化物をベースにイオンの挿入・脱離で熱伝導率が大きく変化する熱伝導可変物質を活用し、熱伝導可変物質とイオン供給層を積層させ、イオンが移動する程度に電圧を短時間印加する。それで高熱伝導状態(on)と断熱状態(off)を切り替える。
本研究では、非晶質をベースにイオンの挿入・脱離で熱伝導率が大きく変化する新たな機能性材料分野の開拓を目指す。具体的には、熱伝導可変物質を活用し熱スイッチを試作する。熱伝導可変物質とイオン供給層を積層させ、イオンが移動する程度に電圧を短時間印加する。それで高熱伝導状態(on)と断熱状態(off)を切り替える。また、ペルチエ、蓄熱材と熱スイッチを組み合わせることで、熱制御のための基本的な熱デバイス動作を実現できる。本研究では、ホスト非晶質酸化物へのイオン挿入・脱離による熱伝導率変化を例にして、非晶質における熱伝導率変化のメカニズム解明と機能設計のための指導原理の確立を行う。我々はすでに、非晶質の酸化タングステン(WO3)への水素イオン挿入脱離で30倍近くの熱伝導率変化を確認しており、これをベースにする。
当初、WO3を中心として、V2O5、SnOをホスト酸化物にイオン挿入を試してみる予定だったが、当該年度は、それ以外にNiOを選択しイオン挿入を行い、熱伝導率の変化を実験的に確認した。熱伝導率変化のメカニズムの解明としては、WO3中へのLi挿入における構造変化をラマン分光によって分析し、構造と熱伝導率変化に相関があることを突き止めた。また、全固体型を実現するための構造設計を行い、実際にプロトタイプを作成した。さらに、実際にイオンのインターカレーションを行うことで、熱伝導率が変化することも確認した。また、逆向きに電流を流すことで可逆的に熱伝導率が変化することも確認した。
全固体型の素子にするうえで重要となる材料を見出し、スパッタリングにより積層構造を形成し、さらに熱伝導の変化も確認した。これは当初予定していた通りの成果である。
基本となる物質と構造を見出すことはできたので、今後メカニズム解明と、さらに熱伝導率変化を大きくするために、構造の最適化などを行っていく。 -
情報学を融合した移動速度論に基づく半導体バルク結晶成長技術の革新
研究課題/研究課題番号:20H00320 2020年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
岡野 泰則, 稲富 裕光, 宇治原 徹
担当区分:研究分担者
これまで研究代表者が長年取り組んできた移動現象論と近年進歩の著しい情報学とを融合することにより、これまでの「ノウハウは人から人へ」といったモノづくりの概念を根底から覆し、「ノウハウはコンピューターから人へ」とパラダイムシフトする。具体的に本研究では、ノウハウの塊であるバルク単結晶作製技術に着目し、製造現場において「長年培ってきた経験」に基づく「勘」による操作(暗黙知)を数値化、定式化(形式知化)することにより、経験の浅い技術者でも最小限の試行錯誤で再現性良く高品質な結晶育成を可能とする手法の構築に取り組む。さらに「なぜその条件が最適なのか?」を解明することにより、技術の普遍化を図る。
-
結晶成長インフォマティクスの方法論の構築
2018年4月 - 2021年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
結晶成長インフォマティクスの方法論の構築
研究課題/研究課題番号:18H03839 2018年4月 - 2021年3月
宇治原 徹
担当区分:研究代表者
配分額:44200000円 ( 直接経費:34000000円 、 間接経費:10200000円 )
当該年度は、次のことを行った。
(1)成長表面のマクロステップ構造を予測するためにKineticモンテカルロシミュレーションによるステップのダイナミクスの計算手法について確立した。また、溶液の流れを成長界面沖合の原子の進行方向にバイアスをかけることで実現した。さらに、成長速度などを予測することも実現できるようになった。
(2)熱流体計算と実験によって、結晶成長界面近傍の温度分布・組成分布・流れ分布とステップ高さとの相関を明らかにした。その結果、溶液の流れ分布がステップ高さに大きな影響を与えることが分かった。さらに、ステップの進行方向と溶液流れとの角度とステップ高さの発展との相関を得ることも行った。その結果、ステップ高さが時間に対して発展する場合と、時間に対して減少する場合があることが明らかになった。
(3)ステップ高さを適度なサイズに維持するためには、(2)の結果によるとステップの進行方向に対する流れ方向を時間に対して変化させる必要がある。しかし、時々刻々と変化する成長条件を実験だけで最適化することは困難である。そこで、結晶表面近傍の流れ方向を予測するモデルを機械学習で構築し、最適な流れ分布の時間変化を実現するための成長条件を半自動的に求めることを行った。その結果、平坦性を維持しつつ成長することが可能となった。最終的には、当初予定の2インチ径を大きく上回る85mm口径の結晶成長にも成功した。
当初予定では、モンテカルロシミュレーションによって、ステップ高さの時間発展を明らかにし、それをも考慮した予測モデルを構築してから、次年度以降に大口径化に進む予定であったが、モンテカルロシミュレーションによる予測モデルの構築を待たずして、実験と熱流体計算によるマクロステップ高さの予測を可能とし、その結果、最終的に実現する予定であった2インチ以上の結晶成長を前倒しに実現することに成功した。(実際は3インチ以上)しかしながら、モンテカルロシミュレーションの結果のモデル化が、最終的には必要となるため、引き続き開発は行う。また、当初予定を超えた更なる大口径化も推進する。
今後は以下の3つについて行う。
(1)Kineticモンテカルロシミュレーションによるマクロステップの予測: 当該年度は基礎技術に関しては構築したので、実際に計算を行う。
(2)6インチに向けた結晶成長条件の最適化: 当該年度までで、機械学習による予測モデルの構築方法を確立し、最適化のための目的関数も設定できるようになった。今後は、さらに大口径化のための目的関数を構築し、最終的には6インチの結晶成長を目指す。
(3)マクロステップの予測も含めた機械学習モデルの構築: モンテカルロシミュレーションと実際の実験から、実験条件からステップ高さを予測するモデルを構築する。 -
可視光励起光電子分光法による伝導バンド高速・高精度測定
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
高品質化の鍵となるSiC貫通転位変換過程のその場観察
2014年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
可視光励起光電子分光法による伝導バンド高速・高精度測定
2014年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
高品質・低抵抗SiC結晶の実現
2013年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
亀井一人
担当区分:研究分担者
-
量子構造太陽電池中を伝導する電子のエネルギー分光
2013年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
無転位SiC結晶の実現
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
担当区分:研究代表者
-
超高輝度・高偏極度電子源の高効率化
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
竹田美和
担当区分:研究分担者
-
生体膜/半導体アクティブデバイス基本構造の提案
2010年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
材料工学的アプローチによる人工生体膜ラフト構造の再現
2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
担当区分:研究代表者
-
プラズマVLS法によるハイスピードSiC溶液成長
2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
-
発光デバイスを用いた膜タンパク質アクティブ輸送制御
2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金
宇治原徹
担当区分:研究代表者
-
半導体デバイスを利用した生体膜相分離構造のアクティブ制御
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
-
人工生体膜におけるラフト構造膜内輸送制御システムの提案
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
担当区分:研究代表者
-
結晶成長で達成する世界最高性能偏極電子ビーム源の開発
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
-
押す・引っ張る・ねじ曲げる「力」によるナノ=ファブリケーション
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
-
歪みを内在したバンドギャップ分散半導体複合結晶の創製
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
-
高温融液中における拡散係数のその場測定法
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 科学研究費補助金奨励研究(A)
担当区分:研究代表者
-
合金の相分解現象に伴うパターン形成とその非線型性
1997年4月 - 1999年3月
科学研究費補助金 科学研究費補助金日本学術振興会特別研究員(DC2)
担当区分:研究代表者