2024/09/18 更新

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ハマグチ トモナリ
濵口 知成
HAMAGUCHI Tomonari
所属
運営支援組織 学術研究・産学官連携推進本部 メディカルイノベーション推進室 特任講師
職名
特任講師

学位 1

  1. 医学博士 ( 2014年12月   名古屋大学 ) 

研究分野 3

  1. ライフサイエンス / 医化学

  2. ライフサイエンス / 分子生物学

  3. ライフサイエンス / 病態神経科学

 

論文 15

  1. Blending and separating dynamics of RNA-binding proteins develop architectural splicing networks spreading throughout the nucleus

    Masuda, A; Okamoto, T; Kawachi, T; Takeda, J; Hamaguchi, T; Ohno, K

    MOLECULAR CELL   84 巻 ( 15 ) 頁: 2949 - 2965.e10   2024年8月

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  2. Meta-analysis of shotgun sequencing of gut microbiota in Parkinson's disease

    Nishiwaki, H; Ueyama, J; Ito, M; Hamaguchi, T; Takimoto, K; Maeda, T; Kashihara, K; Tsuboi, Y; Mori, H; Kurokawa, K; Katsuno, M; Hirayama, M; Ohno, K

    NPJ PARKINSONS DISEASE   10 巻 ( 1 ) 頁: 106   2024年5月

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  3. <i>Fusobacterium</i> infection facilitates the development of endometriosis through the phenotypic transition of endometrial fibroblasts

    Muraoka, A; Suzuki, M; Hamaguchi, T; Watanabe, S; Iijima, K; Murofushi, Y; Shinjo, K; Osuka, S; Hariyama, Y; Ito, M; Ohno, K; Kiyono, T; Kyo, S; Iwase, A; Kikkawa, F; Kajiyama, H; Kondo, Y

    SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE   15 巻 ( 700 ) 頁: eadd1531   2023年6月

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  4. Gastrointestinal disorders in Parkinson's disease and other Lewy body diseases

    Hirayama, M; Nishiwaki, H; Hamaguchi, T; Ohno, K

    NPJ PARKINSONS DISEASE   9 巻 ( 1 ) 頁: 71   2023年5月

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  5. The association of UBAP2L and G3BP1 mediated by small nucleolar RNA is essential for stress granule formation

    Asano-Inami, E; Yokoi, A; Sugiyama, M; Hyodo, T; Hamaguchi, T; Kajiyama, H

    COMMUNICATIONS BIOLOGY   6 巻 ( 1 ) 頁: 415   2023年4月

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共同研究・競争的資金等の研究課題 1

  1. パーキンソン病の起因となる腸管α-synuclein異常蓄積に対する腸内細菌叢の関与の解明

    2017年10月 - 現在

    GSKジャパン研究助成 

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    資金種別:競争的資金

科研費 3

  1. Lewy小体病に関連する腸内細菌の機能遺伝子および代謝産物の解明

    研究課題/研究課題番号:24K10657  2024年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    平山 正昭, 浜口 知成

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    担当区分:研究分担者 

    腸内細菌の80%が機能が十分明らかになっていないことから細菌叢解析のみでは、細菌叢の機能的役割を明らかにはできない。そこで、ショットガンシークエンス解析による機能解析およびその結果推定される代謝産物を測定することによりに発祥様式の異なるLewy小体病における脳障害と脳保護作用の機序解明を行うことで、病態進展因子と抑制因子を明らかにする。

  2. 腸内細菌のパーキンソン病病態関与の解明

    研究課題/研究課題番号:22K15394  2022年4月 - 2024年3月

    科学研究費助成事業  若手研究

    浜口 知成

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )

    パーキンソン病は、中脳黒質ドパミン神経細胞への Lewy小体(α-synuclein異常蓄積)出現 を特徴とする加齢とともに増加する神経変性疾患であり、2030年には世界で1000万人の罹患数に到達すると推定される。近年、パーキンソン病の少なくとも半数は腸管発症であることが高いレベルのエビデンスで明らかにされつつある。しかし、今日まで特定の腸内細菌による病態への影響を調べるモデルマウス研究は殆ど存在しない。本件研究はパーキンソン病における腸内細菌叢の役割を明らかにして、パ ーキンソン病の発症および進行要因に迫る。
    申請者は特定の腸内細菌がパーキンソン病を発症させると仮説を立てている。本課題の目的の1つは発症および進行に関わる腸内細菌を特定することである。2つ目はパーキンソン病における短鎖脂肪酸の役割を明らかにすることである。1つ目の目的に対してパーキンソン病に多い菌株を無菌化およびSPFの野生型マウスに腸内細菌移植実験(ノトバイオート実験)を行った。パーキンソン病最初期症状に便秘が認められるため、排泄能解析および病理学的解析を行った。①代謝ケージを用いてマウス排泄能を評価した。24時間蓄便、摂餌量等を記録した。移植モデルでは便の総数と総重量、水分含量がいずれも有意に減少していた。摂餌量や飲水量、蓄尿量、便の総乾燥重量に差は見られなかった②新鮮便を採取して病理標本を作成した。蛍光レクチンと細菌特異的な蛍光色素標識プローブ(EUB338)で共染色した。レクチンの平均輝度が移植モデルマウスでは優位に減弱していた。これは便中ムチンの低下を示唆する。以上の結果から、パーキンソン病に多い菌株は便秘を誘発することが示唆された。2つ目の目的に対してGPR41KOとαSynuclein overexpression (ASO) の交雑マウスを使って行動試験を行った。Beam testとPole test、Rotarod test 、Wire hanging testで解析したところ、交雑群がいずれも機能低下を示した。脳のELISAを行ったところ、GPR41 KOマウスにおいては短鎖脂肪酸投与による GLP-1分泌が認められなかった。黒質のミクログリアの形態変化がGPR41KOマウスにおいて認められた。そしてGLP-1agonist投与群は形態変化を認めなかった。これらの結果からGPR41KOによって短鎖脂肪酸によるGLP-1分泌刺激が損なわれ、行動障害を引き起こす可能性が示唆された。
    パーキンソン病の腸内細菌叢メタ解析から得た知見をもとに作成したノトバイオートマウスが便秘症状を呈した。つまり、腸内細菌叢研究から便秘の原因菌を同定した。申請者の知る限り、便秘症状を示すノトバイオートモデルマウスはこれまで存在しない。これまでの便秘研究では、モルヒネなどの薬物投与モデルと繊維欠乏食誘発モデルが使用されていた。今回、新しいモデルマウスを提唱できる可能性がある。
    また今回、GPR41KOとASOマウスの交雑マウスの解析から、短鎖脂肪酸がGPR41を介して中枢性GLP-1を分泌刺激する可能性を示した。ミクログリアを対象にした形態解析は当初の計画になかったが、GPR41KOによって変化を示した。一方、GCG-Creノックインマウスを利用した神経回路研究は遅れている。本研究で導入したGCG-Creノ ックインマウスが中枢でのCreリコンビナーゼを発現しておらず、想定外であった。そのため、別系統のGCG-Creノックインマウスを入手予定である。
    腸内細菌叢による便秘症モデルマウスにおいては、便秘症状を誘発する菌特有の機能に焦点をあてた研究をこれから展開する。ムチン分解能をもつ酵素の遺伝子をノックアウトした菌株を作成する。この遺伝子破壊株を移植したノトバイオートマウスにおいて、便秘症状を評価する。パーキンソン病患者の腸管粘膜のムチン層の菲薄化の可能性が指摘されているため、ノトバイオートモデルマウスの腸管標本を作成して、腸内環境の変化(ムチン粘膜層の厚さ、便中ムチンの量、菌の群集形成度合い等)を評価する。また、ムチン菲薄化に伴う腸管透過性の進行もパーキンソン病患者に認められているために、蛍光標識でキストランを使った腸管透過性試験を行う。一方で、便秘症状のために当該腸内細菌が増加した可能性を探るために、止瀉薬投与モデルマウスの便中菌叢解析を行う。
    GCG-Creを利用した神経回路の解析が遅れている。別系統のGCG-Creノックインマウスの繁殖に急いで取り掛かる。

  3. m7GTP capを介した新規翻訳制御機構の解明

    研究課題/研究課題番号:19K16516  2019年4月 - 2022年3月

    若手研究

    浜口 知成

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )

    mRNAの5'末端にあるm7GTP capは、翻訳や輸送といったmRNA代謝に必須な化学修飾構造である。これまで酸化ストレス下でのm7GTP capの役割は全く知られていない。申請者はmRNAの m7GTP capに酸化ストレス依存性に結合するタンパク質としてGEMIN4を同定した。GEMIN4の生体内結合RNAの次世代シークエンス解析を行ったところ、酸化ストレス依存性に数千を超える遺伝子mRNAのm7GTP capに結合していた。本課題では、GEMIN4-m7GTP cap結合がどの様に翻訳を制御するか、解析を行い、新たな翻訳制御機構の提唱を目指す。
    mRNAの5'末端にあるm7GTP capは、翻訳や輸送といったmRNA代謝に必須な化学修飾構造である。酸化ストレス下でのm7GTP capの役割は全く知られていない。mRNAの m7GTP capに酸化ストレス依存性に結合するタンパク質としてGEMIN4を同定した。最新のRNA-タンパク質相互作用解析法を用いて、GEMIN4の生体内結合RNAの次世代シークエンス解析を行ったところ、酸化ストレス依存性にリボソームタンパク質遺伝子を中心とする数千を超える遺伝子mRNAのm7GTP capに結合していた。また、レポーターアッセイでは、GEMIN4が酸化ストレス依存的に翻訳を抑制することが判明した。pulsed SILAC法(Stable Isotope Labeling using Amino acids in Cell culture)を用いて、GEMIN4が酸化ストレス依存的にリボソームタンパク質等の翻訳を抑制することが判明した。これらの実験から、酸化ストレスによってGEMIN4がm7GTP capと結合して翻訳を抑制することがわかった。m7GTP capとGEMIN4の結合にメチル化修飾が関与していることが、阻害剤を使った結合実験から明らかになった。現在、メチル化修飾部位を同定する実験を行なっている。質量分析を用いて、GEMIN4のリシンにおいてメチル化翻訳修飾部位を探索したが、有望なメチル化部位を同定できなかった。アルギニンのメチル化部位については取り組んでいる最中である。免疫染色を行ったところ、定常状態では細胞質に存在し、酸化ストレス刺激に伴い細胞質に凝集していく形態変化を認めた。これはストレス顆粒とは共局在しない。
    pulsed SILAC法を用いて、m7GTP capとGEMIN4の結合がin vivoで翻訳抑制に関わることを示せた。そして、翻訳に関わる遺伝子を中心に抑制傾向を示していることが観察された。また、m7GTP capとGEMIN4の結合にメチル化修飾が関わっていることを示した。
    m7GTP capとGEMIN4の結合に必要なメチル化修飾部位を同定する予定である。メチル化SILAC法および質量分析後のメチル化修飾解析を実施して、酸化ストレスによるアルギニンのメチル化修飾部位を探索する。
    m7GTP capとGEMIN4の結合に他のタンパク質が関わっていないかを探索して、GEMIN4を中心とした複合体の存在を確認する。