2025/03/19 更新

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イシカワ タクヤ
石川 卓哉
ISHIKAWA Takuya
所属
医学部附属病院 消化器内科 講師
大学院担当
大学院医学系研究科
職名
講師

学位 2

  1. 医学博士 ( 2011年3月   名古屋大学 ) 

  2. 医学学士 ( 2001年3月   名古屋大学 ) 

研究分野 1

  1. ライフサイエンス / 消化器内科学  / 消化器内科学

現在の研究課題とSDGs 2

  1. 膵疾患に対する超音波内視鏡検査の診断能向上を目的とした人工知能の臨床応用

  2. 膵がんにおける組織採取法の最適化と線維芽細胞の多様性に基づく個別化医療の開発

学歴 2

  1. 名古屋大学   大学院 医学系研究科   消化器内科学

    2007年4月 - 2011年3月

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    国名: 日本国

  2. 名古屋大学   医学部   医学科

    1995年4月 - 2001年3月

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    国名: 日本国

受賞 4

  1. 日本胆道学会賞

    2024年10月   日本胆道学会   1型自己免疫性膵炎に合併する胆管病変の狭窄部位からみた臨床像と長期予後

    石川卓哉

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    受賞区分:学会誌・学術雑誌による顕彰  受賞国:日本国

  2. The Best Video Abstract Runner Up

    2023年12月   APDW 2023  

    石川卓哉

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    受賞区分:国際学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:タイ王国

  3. Best Abstract Award 2020

    2020年3月   ENDO 2020/JGES  

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    受賞区分:国際学会・会議・シンポジウム等の賞  受賞国:ブラジル連邦共和国

  4. 日本胆道学会賞

    2012年10月   日本胆道学会   悪性黒色腫胆嚢転移の1例

    石川卓哉

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    受賞国:日本国

 

論文 195

  1. Endoscopic transpapillary gallbladder drainage using a novel sphincterotome

    Ishikawa, T; Kumano, R; Kawashima, H

    DIGESTIVE ENDOSCOPY   37 巻 ( 3 ) 頁: 297 - 299   2025年3月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1111/den.14943

    Web of Science

    PubMed

  2. Usefulness of endoscopic ultrasonography for differentiating between non-functional pancreatic neuroendocrine neoplasm and intrapancreatic accessory spleen.

    Kano Y, Ishikawa T, Yamao K, Mizutani Y, Iida T, Uetsuki K, Yamamura T, Furukawa K, Nakamura M, Kawashima H

    Scientific reports   15 巻 ( 1 ) 頁: 6385   2025年2月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1038/s41598-025-91272-w

    PubMed

  3. Prognostic Role of Enhancing Mural Nodules in Intraductal Papillary Mucinous Neoplasms with High-Risk Stigmata.

    Kumano R, Ohno E, Ishikawa T, Yamao K, Mizutani Y, Iida T, Uetsuki K, Yamamura T, Furukawa K, Nakamura M, Honda T, Kawashima H

    Annals of surgery     2025年2月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1097/SLA.0000000000006674

    PubMed

  4. A case of pancreatic fistula with disruption of the inferior branch of the pancreatic duct caused by a pancreatic stent after endoscopic papillectomy.

    Takada Y, Ishikawa T, Yamao K, Mizutani Y, Iida T, Uetsuki K, Kawashima H

    Clinical journal of gastroenterology   18 巻 ( 1 ) 頁: 169 - 175   2025年2月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1007/s12328-024-02067-x

    PubMed

  5. Clinical features and pathological findings by liver biopsy in patients with immune-related sclerosing cholangitis induced by immune checkpoint inhibitors.

    Yasuda T, Ito T, Ishikawa T, Mizuno K, Yamamoto T, Yokoyama S, Yamamoto K, Imai N, Ishizu Y, Honda T, Koshiyama Y, Yasuda S, Toyoda H, Ando Y, Shimoyama Y, Kawashima H

    Digestive and liver disease : official journal of the Italian Society of Gastroenterology and the Italian Association for the Study of the Liver     2025年1月

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    記述言語:英語  

    DOI: 10.1016/j.dld.2025.01.037

    PubMed

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共同研究・競争的資金等の研究課題 4

  1. 膵充実性病変に対するEUS-FNB 1セッションあたりの適切な前後運動回数に関する研究

    2021年4月 - 2022年3月

    堀財団  堀財団先端研究支援経費 

    石川卓哉

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:1000000円

  2. 体外式超音波装置を用いた、膵胆肝領域における新式シアウェーブエラストグラフィー技術およびフュージョン技術の臨床有用性の検討の研究

    2018年4月 - 2019年3月

    フィリップス・ジャパン共同研究助成 

    石川卓哉

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:500000円

  3. 膵がん患者におけるGd-EOB-DTPA造影MRIと比較した肝転移に対する造影超音波検査の有用性の研究

    2018年4月 - 2019年3月

    中京長寿医療研究推進財団医学研究助成 

    石川卓哉

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:500000円

  4. 自己免疫性膵炎の診断におけるEUS-FNB の有用性に関する多施設共同研究

    2017年4月 - 2019年3月

    Boston Scientific Corporation医師主導研究支援プログラム 

    石川卓哉

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:560000円

科研費 8

  1. 膵IPMNにおけるCFTR遺伝子変異と悪性化の関係解明および治療応用

    研究課題/研究課題番号:24K22118  2024年6月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    川嶋 啓揮, 山口 淳平, 石川 卓哉, 飯田 忠, 水谷 泰之, 山本 明子, 石黒 洋

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    担当区分:研究分担者 

    膵IPMN診療の現状は、経過観察による悪性化の早期発見が精一杯であり予防法は皆無である。日常臨床において悪性化予防法に対する患者の要望は非常に強い。一方、CFTR遺伝子変異は膵のう胞を形成することが多いのう胞繊維症の原因である。我々は、ヒトの正常な膵管ではCFTRが発現している一方、IPMN症例ではその発現が低下していることを確認した。このことが、膵液内の重炭酸イオンの濃度を下げ、のう胞内ムチンの粘調度を上げ、IPMNの悪性化や異所性PDAC発現の原因になっているという仮説を立てた。本研究は、このCFTR遺伝子変異とIPMN悪性化の関連を基礎的に検討することである。

  2. 膵腫瘍内pH調整による間質変容誘導療法の開発

    研究課題/研究課題番号:24K11067  2024年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    飯田 忠, 石川 卓哉, 川嶋 啓揮

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    担当区分:研究分担者 

    膵がんに代表される難治がんは化学療法に対して抵抗性があることは有名である。この原因としてがん関連線維芽細胞(以下CAF)が関与しており、近年の研究によりCAFは単一な細胞集団ではなく、化学療法抵抗性の微小環境を形成するCAFと化学療法感受性の微小環境を形成するCAFが混在している。また、腫瘍内の微小環境は低酸素、低pH、低栄養等が報告されており、これらの環境がCAFへの形質変化にどのような作用を及ぼすかは未だ明らかとなっていない。本研究の目的は腫瘍内微小環境の中でもpHに着目しCAFの形質変化への作用を検証すると同時に、さらにはここで得られた知見を治療応用に結びつけることである。

  3. 膵がんにおける組織採取法の最適化と線維芽細胞の多様性に基づく個別化医療の開発

    研究課題/研究課題番号:23K07374  2023年4月 - 2026年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    石川 卓哉, 山雄 健太郎, 川嶋 啓揮, 飯田 忠, 水谷 泰之

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )

    超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNB)は膵組織採取のために広く利用されている手技であるが、十分量の組織を採取するための手法や評価法を確立できていないことが問題である。申請者らは線維芽細胞をがん促進性から抑制性に変化させる人工合成レチノイドであるAM80を患者に投与し、投与前後のEUS-FNB検体を評価することで“薬剤介入”による新たな膵組織採取法に挑むとともに、新規針を用いて採取したEUS-FNB検体を実体顕微鏡と精密電子天秤で定量的に測定し、既に開発済みの人工知能(AI)で検体の質を迅速 (on-site) 評価することおよびその改良により最適な検体評価法の確立を目指す。
    近年、膵がん診療において組織採取の重要性が増している。超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNB)は膵組織採取のために広く利用されている手技であるが、十分量の組織を採取するための手法や評価法を確立できていないことが問題となっている。理由は2つあり、1つ目に膵がんは組織学的に腫瘍体積の約8割を“間質(がん以外の部分)”が占め、そこに線維芽細胞(CAF)の高度な増生を伴っており、“がん細胞”を採取しにくいことがあげられる。2つ目に針の先端形状の工夫によって以前より多くの組織採取が可能となったが、必要な検体量が採取できているかの迅速な(on-site)評価が困難であることがあげられる。
    本研究の目的は膵がんにおいて最適な組織採取法を確立し、EUS-FNB検体における線維芽細胞の多様性を評価することで膵がんの新たな診断/治療体系の確立をもたらすことである。
    現在進行中の医師主導治験でAM80投与前後の膵がん患者からEUS-FNB検体を採取しており、組織量およびMeflin発現量の評価を行っている。
    またEUS-FNBによる最適な検体評価法の確立のため、検体採取直後に実体顕微鏡を用いて長さ・面積を測定している。さらに0.0001g単位まで測定が可能な精密電子天秤で重量を測定し、病理標本所見と比較検討を行っている。さらに名古屋大学を含めた6施設による多施設共同研究として膵充実性病変の診断における新規FNB針の比較研究を行っており、現在症例集積が終了し、解析を行っている。
    医師主導治験は順調に進行しており、それに伴い膵がんからのEUS-FNB検体も採取できている。
    またEUS-FNBによる最適な検体評価法の確立のため、当院での実体顕微鏡と精密電子天秤を用いた研究と新規FNB針評価のための多施設研究も進行しており、概ね順調に進展しているものと考える。
    EUS-FNB検体における線維芽細胞の多様性の評価については今後FNB検体を集積しつつがん間質に対する薬物的介入がEUS-FNBに与える影響を評価し、多様性の基づく個別化医療の開発を試みる。
    EUS-FNBによる最適な検体評価法については得られたデータの解析をすすめ学会発表や論文化を目指す。

  4. 膵癌早期診断を目的とした、IPMNの病変及び周囲背景膵における遺伝子変異解析

    研究課題/研究課題番号:22K08010  2022年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    大野 栄三郎, 石川 卓哉, 加藤 あす香, 川嶋 啓揮, 西田 一貴, 飯田 忠, 水谷 泰之

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    担当区分:研究分担者 

    膵癌早期診断は喫緊の課題であるが、未だに高リスク群の絞り込みは不十分である。膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は自身の悪性化に加え、通常型膵癌が高頻度に発生すると報告されている。本研究では、サーベイランス中の膵嚢胞症例中、手術例(膵癌または悪性IPMN疑い)における、切除病変の遺伝子変異プロファイルと周囲正常膵実質内の膵管上皮内腫瘍性病変(PanIN)の発症頻度および背景膵実質内膵管上皮における遺伝子変異プロファイルを同時に解析し、IPMN症例における膵管癌発生の超高リスク群の特徴を解明する。更にその結果を蓄積された臨床情報、画像情報、血液検体と対比し、膵発癌予測の新規バイオマーカーを探索する。
    膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は粘液産生を特徴とする膵上皮性腫瘍で緩徐に進行するものと報告されているが、同時に浸潤性膵管癌発症の危険因子ともされている。近年IPMN症例にIPMNとは別病変として浸潤性膵管癌が発症(IPMN併存膵癌と呼称)することも知られており、特に既存のIPMNの近傍より発症した浸潤癌はIPMN由来浸潤癌であるのかIPMN近傍より発症した浸潤性膵管癌であるのかの鑑別は難しい。我々はIPMN症例の中に、背景膵において膵発癌(併存膵癌)のハイリスクとなる前がん病変および遺伝子バリアントを発症する群が存在するとの仮説をもとに、IPMNに併存する浸潤性膵管癌(IPMN併存膵癌)にて切除を実施した症例(A群)、IPMN由来癌にて切除した症例(B群)、浸潤性膵管癌にて切除を行い、その背景膵にIPMNを認めない症例(C群)の各症例における、臨床的背景、術前画像所見、特に超音波内視鏡による背景膵所見、病理学的な背景膵における異型膵管上皮の分布、膵がんの主病巣部および十分に主病変部から離れた膵断端部位の背景膵における遺伝子プロファイルの特徴の対比を目的に研究をすすめている。
    本年度はA群、B群、C群の症例の抽出(各20症例)を選別し、それらの臨床病理学的な背景因子の抽出、術前画像所見(特に造影CTとEUSによる主病変部の特徴と断端部における画像所見)、切除病理標本における切除断端部における病理所見の解析を実施した。その結果、IPMN併存膵癌症例においては、膵断端部に画像上認識が困難であったIPMN病変または膵上皮内腫瘍性病変(PanIN)病変がIPMN由来癌およびIPMNを併存しない浸潤性膵管癌症例に比べて高頻度に認められるという知見を得た。
    研究代表者の移籍から症例の選別、レーザーマイクロダイセクション(LMD)から組織DNA抽出、シークエンスの実施環境準備に時間を要しているが、下記のごとく研究を推進している。
    本年度はA群、B群、C群の症例の抽出(各20症例)を選別し、1)それらの臨床病理学的な背景因子の抽出、術前画像所見(特に造影CTとEUSによる主病変部の特徴と断端部における画像所見)、2)切除病理標本における切除断端部における病理所見の解析を実施した。
    その結果、IPMN併存膵癌症例においては、膵断端部に画像上認識が困難であった膵癌ハイリスク所見(IPMN病変または膵上皮内腫瘍性病変(PanIN)病変)がIPMN由来癌およびIPMNを併存しない浸潤性膵管癌症例に比べて高頻度に認められる知見を得た。(病理所見の具体的な数値表記)
    また術前の画像診断においては断端部領域における背景膵実質の超音波内視鏡による所見においてIPMN併存膵癌(A群)においては、早期慢性膵炎所見を30.7%(B群では10.5%, C群では8.3%)と有意に高い頻度で検出されていた。
    一方臨床的背景との対比において、背景膵に膵癌ハイリスク所見を有する症例の診断時における耐糖能、膵癌家族歴には相関を認めていない。(いずれも論文未発表)
    現在研究の主目的である、膵切除例の背景膵の膵管上皮における遺伝子プロファイル解析の開始にむけ、組織未染色標本の作製、レーザーマイクロダイセクション(LMD)から組織DNA抽出、シークエンスの準備を進めている。主研究者の移籍にともない、LMD作業にやや遅延が生じているが、外注委託により研究を遂行する予定である。
    またその遺伝子プロファイル所見と照合するため、より詳細な病理組織所見および術前の画像における背景膵所見の定量的解析(具体的には造影EUSにおける造影様式の解析、EUS elastographyのパターン、Strain Ratioによる組織硬度定量化、Bモード所見のヒストグラム解析など、CTの造影パターン、CT、MRIによる背景膵脂肪化解析)を並行して実施する予定である。
    順調に解析が進めば、IPMN前向き観察研究参加症例にて切除を行った症例におけるこれまでの臨床経過・画像所見経過との対比を行い、IPMN症例における特に膵癌ハイリスク因子を有する患者群の抽出に有用なキー所見(画像所見・臨床背景)の発見を目指したい。

  5. 胆膵疾患の十二指腸主乳頭擦過採取による表在細菌叢プロファイル作成と臨床応用の探索

    研究課題/研究課題番号:21K19897  2021年7月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

    川嶋 啓揮, 大野 栄三郎, 石川 卓哉, 飯田 忠, 中村 正直

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    担当区分:研究分担者 

    本研究の目的は、胆膵疾患の十二指腸主乳頭(PV)のブラシ擦過採取による表層細菌叢プロファイル作成と将来の基礎研究・臨床応用の可能性を探索することである。Fusobacterium nucleatumと大腸癌の関連が報告され、膵癌についても腫瘍内細菌の存在が明らかとなり注目されている。しかし、膵癌以外の胆膵疾患に関する報告は乏しい。PVは胆管・膵管が開口し、病変を通過した胆汁・膵液にさらされており、直視下に低侵襲でサンプル採取出来る特徴をもつ。本研究はPV擦過採取による細菌叢解析を行い今後の胆膵疾患の表層細菌叢、手術検体による病変内細菌叢、PV表層細菌叢と臨床所見を比較検討できるかを探索する。
    本研究の目的は、胆膵疾患の十二指腸主乳頭(PV)のブラシ擦過採取による表層細菌叢プロファイル作成と将来の基礎研究・臨床応用の可能性を探索することである。膵癌についても腫瘍内細菌の存在が明らかとなり注目されている。しかし、膵癌以外の胆膵疾患に関する報告は乏しい。PVは胆管・膵管が開口し、病変を通過した胆汁・膵液にさらされており、直視下に低侵襲でサンプル採取出来る特徴をもつ。本研究はPV擦過採取による細菌叢解析を行い今後の胆膵疾患の表層細菌叢、手術検体による病変内細菌叢、PV表層細菌叢と臨床所見を比較検討できるかを探索する。
    2023年度までに乳頭部腺腫23例、乳頭部癌16例、胆管癌39例、膵管狭窄症例10例に同意を取得し、サンプル採取を行った。乳頭部癌と腺腫では菌種に有意差が認められ、一部、大腸がんなど他の癌での増加が指摘されている菌種の増加が指摘され、α多様性にも有意差が認められることが確認された。胆管癌症例の乳頭部擦過による菌叢解析は可能であるが、他疾患との有意な差異は認められなかった。胆管狭窄部の検討においては、41例に施行し、擦過回数を増やすなどの工夫をすることにより胆管病変部のNGS解析可能率が60%程度まで改善したが現在の症例数では良悪性疾患の有意な差は認めなかった。胆汁、膵液については15例にNGS解析を行い解析率は50%程度であった。膵腫瘍に対する穿刺生検(FNA)検体におけるNGS解析可能率は11例に行い50%程度であった。これまでにPVと胆管病変表層、膵腫瘍内、胆汁、膵液には細菌叢が存在しており、PVにおいては腺癌症例の菌種が有意に異なることより明確になった。
    2024年度は、NGS可能であった検体を対象に遅れている解析を進め論文化を進める。これらにより胆膵の発癌メカニズムの解析につながるような次なる基礎的発展研究の可能性も模索する。
    症例数の蓄積は順調に進行した。NGS解析は症例蓄積の後に行うために解析するまでに時間がかかり、その後の解析まで進むのに時間を要している。一定の症例蓄積は行ったので、これまで得られた知見を論文化するとともに、他研究で得られている他疾患の細菌叢との差異や治療反応性の違いなどの解析を進めていく。膵癌などのFNA検体は症例数が少ないため、さらに症例を蓄積してNGS解析を進めることにより新たな知見が得られることに期待している。
    乳頭部腫瘍については大腸や他の消化器疾患、糞便の細菌叢との比較なども考慮していく。胆管病変については、疾患による細菌叢の差異を認めることは困難と考えられ治療反応性など他の方面から解析を進める。膵疾患に対するFNA検体の採取・解析数の増加を予定している。

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