2025/03/18 更新

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ハヤシ マコト
林 誠
HAYASHI Makoto
所属
大学院人文学研究科 人文学専攻 言語文化 教授
教養教育院 統括部 兼任教員
大学院担当
大学院国際言語文化研究科
大学院人文学研究科
学部担当
文学部 人文学科
職名
教授
連絡先
メールアドレス

学位 3

  1. Ph.D. ( 2000年8月   University of Colorado at Boulder ) 

  2. Master of Arts ( 1994年12月   University of Colorado at Boulder ) 

  3. 文学士 ( 1990年3月   京都大学 ) 

研究キーワード 2

  1. 会話分析

  2. 相互行為言語学

研究分野 3

  1. 人文・社会 / 言語学  / 会話分析

  2. 人文・社会 / 言語学  / 相互行為言語学

  3. 人文・社会 / 言語学  / 機能主義言語学

経歴 5

  1. 名古屋大学大学院人文学研究科   日本語教育学分野   教授

    2019年4月 - 現在

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    国名:日本国

  2. 名古屋大学大学院人文学研究科   日本語教育学分野   准教授

    2017年4月 - 2019年3月

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    国名:日本国

  3. 名古屋大学大学院国際言語文化研究科   日本語教育学講座   准教授

    2016年4月 - 2017年3月

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    国名:日本国

  4. University of Illinois at Urbana-Champaign   Department of East Asian Languages and Cultures   准教授

    2006年8月 - 2016年3月

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    国名:アメリカ合衆国

  5. University of Illinois at Urbana-Champaign   Department of East Asian Languages and Cultures   助教授

    2000年8月 - 2006年8月

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    国名:アメリカ合衆国

学歴 3

  1. University of Colorado at Boulder   Department of Linguistics

    - 2000年8月

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    国名: アメリカ合衆国

    備考: Ph.D.

  2. University of Colorado at Boulder   Department of Linguistics

    - 1994年12月

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    国名: アメリカ合衆国

  3. 京都大学   文学部   英語学英文学

    - 1990年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 3

  1. International Pragmatics Association

  2. International Society for Conversation Analysis

  3. 社会言語科学会

委員歴 3

  1. Interactional Linguistics (journal)   editorial board member  

    2018年 - 現在   

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    団体区分:その他

  2. Research on Language and Social Interaction (journal)   editorial board member  

    2018年 - 現在   

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    団体区分:その他

  3. Studies in Language and Social Interaction, monograph series, John Benjamins Publishing   editorial board member  

    2017年 - 現在   

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    団体区分:その他

 

論文 51

  1. Comparing across languages and cultures 招待有り 国際共著

    Makoto Hayashi & Stephanie Hyeri Kim

    The Cambridge Handbook of Methods in Conversation Analysis     頁: 780 - 808   2024年12月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:論文集(書籍)内論文  

    DOI: https://doi.org/10.1017/9781108936583

  2. Post-confirmation modifications in response to polar questions 招待有り

    K. Hayano, M. Hayashi

    Responses to Polar Questions across Languages and Contexts     頁: 272 - 300   2023年12月

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    記述言語:英語  

    DOI: https://doi.org/10.1075/slsi.35

  3. 会話における順番交替の手続き 招待有り

    林 誠

    エスノメソドロジー・会話分析ハンドブック     頁: 189 - 197   2023年4月

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:日本語  

  4. サッカー指導場面での「身体的実演」に見られるコーチと選手の相互行為 招待有り

    林 誠・安井永子

    実践の論理を描く:相互行為のなかの知識・身体・こころ     頁: 158 - 175   2023年3月

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:論文集(書籍)内論文  

  5. Indicating Difficulty in Describing Something in Words: The Use of <i>Koo</i> in Word Searches in Japanese Talk-in-Interaction 査読有り

    Kushida, S; Hayashi, M

    RESEARCH ON LANGUAGE AND SOCIAL INTERACTION   55 巻 ( 1 ) 頁: 59 - 78   2022年1月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1080/08351813.2022.2026170

    Web of Science

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書籍等出版物 3

  1. 会話分析入門

    串田秀也, 平本毅, 林誠( 担当: 共著)

    勁草書房  2017年 

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    記述言語:日本語 著書種別:教科書・概説・概論

  2. Conversational Repair and Human Understanding 査読有り 国際共著

    Makoto Hayashi, Geoffrey Raymond, Jack Sidnell( 担当: 共編者(共編著者))

    Cambridge University Press  2013年 

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    記述言語:英語 著書種別:学術書

  3. Joint Utterance Construction in Japanese Conversation

    Makoto Hayashi( 担当: 単著)

    John Benjamins Publishing Company  2003年 

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    記述言語:英語 著書種別:学術書

MISC 4

  1. Anticipatory completion 招待有り

    Makoto Hayashi  

    Encyclopedia of Terminology for Conversation Analysis and Interactional Linguistics   2023年

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)  

    DOI: 10.17605/OSF.IO/X4WC6

  2. Transformative answer 招待有り

    Makoto Hayashi  

    Encyclopedia of Terminology for Conversation Analysis and Interactional Linguistics   2023年

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)  

    DOI: 10.17605/OSF.IO/G6ND8

  3. Choral co-production 招待有り

    Makoto Hayashi  

    Encyclopedia of Terminology for Conversation Analysis and Interactional Linguistics   2023年

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)  

    DOI: 10.17605/OSF.IO/BE8N5

  4. 書評 伊藤翼斗(著)『発話冒頭における言語要素の語順と相互行為』大阪大学出版会,2018 招待有り

    林 誠  

    社会言語科学22 巻 ( 1 ) 頁: 267 - 271   2019年9月

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    記述言語:日本語   掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等  

講演・口頭発表等 67

  1. Offering contrastive alternatives in understanding checks: Two related types of other-initiated repair in Japanese. 国際会議

    Makoto Hayashi

    31st Japanese/Korean Linguistics Conference  2024年10月31日  Monash University

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    開催年月日: 2024年10月 - 2024年11月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(基調)  

    開催地:Monash University   国名:オーストラリア連邦  

  2. “I will tell/ask him”: Action ascription in remote foreign language interpretation services in Japan 国際会議

    Mika Ishino & Makoto Hayashi

    International Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis 2024  2024年6月26日  International Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis

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    開催年月日: 2024年6月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Sogang University   国名:大韓民国  

  3. 会話分析における対照研究 招待有り

    林 誠

    同志社大学英文学会2023年度年次大会  2023年10月29日  同志社大学英文学会

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    開催年月日: 2023年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(基調)  

    開催地:同志社大学   国名:日本国  

  4. Language typology meets interactional practice: The case of turn formats for other-initiated repair in Japanese and Korean 招待有り 国際会議

    Makoto Hayashi

    5th International Conference on Interactional Linguistics and Chinese Language Studies  2023年4月8日  Chinese Academy of Social Sciences Institute of Linguistics

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    開催年月日: 2023年4月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(基調)  

    開催地:Xi'an International Studies University   国名:中華人民共和国  

  5. Explorations of grammar and interaction: The case of Japanese 招待有り 国際会議

    Makoto Hayashi

    The Ocean University of China Conversation Analysis Lecture Series  2022年11月4日  The Ocean University of China Conversation Analysis Reseach Group

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    開催年月日: 2022年11月

    記述言語:英語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:The Ocean University of China   国名:中華人民共和国  

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共同研究・競争的資金等の研究課題 1

  1. 日本語相互行為における依頼・応答に見られる参与者間の相互調整:会話分析の観点から

    研究課題番号:17K02721  2017年4月 - 2021年3月

    日本学術振興会  科学研究費補助金  基盤研究(C)

    林 誠

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    平成31年度/令和元年度の本課題の実施状況は以下の通りである。
    1. 本課題の研究チームメンバーは、2019年6月9-14日に香港理工大学で開催された国際語用論学会(International Pragmatics Conference)にてパネル発表を行った。世界各国から学会に参加した多数の研究者を聴衆に迎え、活発な意見交換を行なった。その際に得た、非常にためになるフィードバックをもとに、学会後、各メンバーはそれぞれの発表原稿を学術論文の形にまとめる作業に入った(現在も進行中)。令和2年6月末をめどに研究成果を学術論文をまとめ、学術誌Journal of Pragmaticsに特集号として論文集を発表する方向で作業中である。
    2. 前年度に引き続き、リサーチアシスタントを2名雇用し,既存のビデオデータ(①大学生協のパソコンカウンターにおけるサービス場面の相互行為、②日常会話,③少年サッカーの指導場面における相互行為,④マッサージ店における施術者と利用客の相互行為)の文字起こしを進めた。現段階で、データのおよそ7割の文字起こしを完了することができたが、令和2年度も引き続き文字起こしを継続する予定である。
    今年度は、プロジェクトチームの各メンバーが研究成果を香港で開催された国際語用論学会(International Pragmatics Conference)で発表し、聴衆と貴重な意見交換をすることができた。これは最終年度の目標である学術誌の特集号での研究成果の発表への、大きな弾みとなるもので、現在、各メンバーは国際語用論学会で得られたフィードバックをもとに論文執筆に取り組んでいる。
    令和2年度は,最終目標である学術誌Journal of Pragmaticsの特集号における研究成果の発表を目指す。現在のところ、論文第1稿を6月末までにまとめ、互いにフィードバックをしあったのち、秋口には改訂稿をJournal of Pragmaticsに送付し、査読プロセスにかける手順で進めている。

科研費 4

  1. 会話における修復の形式と機能に関する多言語間対照研究

    研究課題/研究課題番号:24K03864  2024年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    林 誠, 遠藤 智子, 中馬 隼人

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )

    本研究は、会話における発話の産出・聞き取り、理解の問題を解決するためのプラクティスである修復に焦点を当て、その言語形式と機能に関して多言語間で比較対照を行い、通言語的に見られる共通性を同定するとともに、各言語に見られる固有性を明らかにする。この対照分析を通して、相互行為プラクティスと言語の関係性、およびその関係性を動機づけるコミュニケーション上の原理の一端を解明することを目指す。

  2. 日本語相互行為における依頼・応答に見られる参与者間の相互調整:会話分析の観点から

    研究課題/研究課題番号:17K02721  2017年4月 - 2021年3月

    科学研究費補助金  基盤研究(C)

    林 誠

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    平成31年度/令和元年度の本課題の実施状況は以下の通りである。
    1. 本課題の研究チームメンバーは、2019年6月9-14日に香港理工大学で開催された国際語用論学会(International Pragmatics Conference)にてパネル発表を行った。世界各国から学会に参加した多数の研究者を聴衆に迎え、活発な意見交換を行なった。その際に得た、非常にためになるフィードバックをもとに、学会後、各メンバーはそれぞれの発表原稿を学術論文の形にまとめる作業に入った(現在も進行中)。令和2年6月末をめどに研究成果を学術論文をまとめ、学術誌Journal of Pragmaticsに特集号として論文集を発表する方向で作業中である。
    2. 前年度に引き続き、リサーチアシスタントを2名雇用し,既存のビデオデータ(①大学生協のパソコンカウンターにおけるサービス場面の相互行為、②日常会話,③少年サッカーの指導場面における相互行為,④マッサージ店における施術者と利用客の相互行為)の文字起こしを進めた。現段階で、データのおよそ7割の文字起こしを完了することができたが、令和2年度も引き続き文字起こしを継続する予定である。
    今年度は、プロジェクトチームの各メンバーが研究成果を香港で開催された国際語用論学会(International Pragmatics Conference)で発表し、聴衆と貴重な意見交換をすることができた。これは最終年度の目標である学術誌の特集号での研究成果の発表への、大きな弾みとなるもので、現在、各メンバーは国際語用論学会で得られたフィードバックをもとに論文執筆に取り組んでいる。
    令和2年度は,最終目標である学術誌Journal of Pragmaticsの特集号における研究成果の発表を目指す。現在のところ、論文第1稿を6月末までにまとめ、互いにフィードバックをしあったのち、秋口には改訂稿をJournal of Pragmaticsに送付し、査読プロセスにかける手順で進めている。

  3. 社会的相互行為における「逸脱」と「資源」としての非流暢性

    研究課題/研究課題番号:21K01898  2021年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    高木 智世, 串田 秀也, 林 誠, 黒嶋 智美

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    担当区分:研究分担者 

    本研究は、日常会話をはじめとする社会的相互行為に見られる非流暢的現象を会話分析という社会学的手法を用いて探求する。相互行為における非流暢性は、一方では「滑らかに」相互行為を進めるという相互行為そのもののメカニズムにかかわる規範からの「逸脱」であるが、他方では、デリケートな事象を話題にしたりデリケートな行為を遂行したりするときに利用される、相互行為の「資源」でもある。本研究では、非流暢性のこうした側面を焦点として、非流暢性の「逸脱性」と「資源としての利用可能性」が実際の相互行為においてどのように立ち現れているかを精査し、非流暢性が果たす役割を実証的に解明する。
    相互行為の参加者は、基本的に、できる限りスムーズに相互行為を進めることに強く志向するということが、これまでの会話分析的研究において指摘されており、それは、経験的にも理解しやすい。この意味において、相互行為における非流暢性は逸脱的な現象と言える。しかし、他方では、例えば、デリケートな事象を話題にしたり、デリケートな行為を遂行したりするときに敢えて非流暢的な言い方をすることによって、そのデリケートさの認識を表示し、話者は慎重にふるまっているというスタンスを示すことができる。つまり、非流暢性は相互行為の「資源」でもある。
    本研究では、非流暢性のこうした両義的性質を焦点として、非流暢性の「逸脱性」と「資源としての利用可能性」が実際のさまざまな相互行為場面においてどのように立ち現れているかを精査し、非流暢性が果たす役割を実証的に解明することを目指してきた。
    当初の補助期間最終年度として予定されていた2023年度までで明らかになったのは以下のことである。「あのー」「そのー」「ええと」など、いわゆる「フィラー」として従来一括して扱われたり、認知的なプロセスを示すマーカーとしてのみ扱われることが多かった、間投詞的に用いられる言語形式が、それぞれ相互行為の中で特有の働きを担っており、相互行為の現場においてその時々で生じている具体的な相互行為的課題(「直前のやりとりと非連続的な発話を産出しようとしている」、「すぐに反応を産出できないがその場で求められているタスクを達成しようとしている」など相互行為において繰り返し生じうる課題)に対処するために利用可能な相互行為資源であるということである。
    本研究課題の成果は、本研究課題代表者、分担者、協力者の共同執筆による図書として公開予定である。
    2023年度は、6月にオーストラリアで開催された国際会話分析学会(ICCA2023)において、Disfluency as methodical practices for interactionというテーマで代表者・分担者・協力者が参加するパネルを実施し、これまでの成果を発表することができた。研究代表者・分担者・協力者がそれぞれこの学会発表に向けて準備をする中で分析が飛躍的に進められ、本研究課題が目標とした成果に近づいたと言える。
    この成果を、会話分析・談話分析研究者のみならず、日本語教育研究者や実践者、また、発話の中の非流暢的現象に関心がある一般読者にもわかりやすくまとめ、提示する図書の出版に向けて準備を進めている。打ち合わせ会議を重ねて方向性(図書の構成、難度、読者層、スタイルなど)を定め、現時点では、各自が担当章の執筆を進めているところである。
    なお、分析対象としているフィラー的形式の中でも、「なんか」は非常に多様な用いられ方がなされているため、分析に当初の想定よりも多くの時間が必要であることがわかり、2024年度まで補助期間を延長することとなった。
    当初は2023年度が補助期間最終年度となる予定だったが、配分された補助金の一部を有効に使用するために補助期間の延長を申請し、2024年度が最終年度となる。とりわけ、多様な様相を示す「なんか」の分析が難航しているため、2024年度は、「なんか」の分析の精度を高めることに注力したい。10月末にはオーストラリアで開催するJapanese Korean Linguistics Conferenceでワークショップを開催し、「なんか」の分析の現状を参加者と共有して議論をすることによって分析の精緻化を図る。このワークショップでは、韓国語における類似の現象(フィラー的形式の使用)との比較も予定されているため、新たな分析の切り口を見出すことも期待される。
    図書の出版については、上述のように、現在、本科研費課題メンバーがそれぞれ分担する章の初稿を執筆中である。これまでにない新たな視点から相互行為における非流暢性や「フィラー類」を捉え直し、流暢さの優先性を前提とする従来の見方に一石を投じる研究成果を公開することを目指している。会話分析研究者のみが理解できるような学術書ではなく、できるだけ多くの読者の興味を惹きつけ、有益な知見として広く共有できるような内容にするべく、執筆者間でさらに議論を積み重ねたい。2024年度後半に、メンバー間で互いに初稿を検討して2024年度中の原稿の完成、脱稿をめざす。

  4. 相互行為における日本語文法と身体動作の関わりの解明

    研究課題/研究課題番号:21K00524  2021年4月 - 2025年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    安井 永子, 林 誠, 高梨 克也, 岡田 みさを

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    担当区分:研究分担者 

    本研究では、文法を、会話とは別に存在するシステムとして捉える従来の言語学では明らかにできなかった、相互行為における文法の役割について探る。会話のビデオデータを用いた相互行為分析により、文法と身体動作の産出との関連について体系的な解明を行い、文法の新たな捉え方を提示することを目的とする。身体動作が中心となる活動(ダンスの教授場面など)を分析対象とし、語順などの文法構造が、発話に伴う身体の動きとどう関わるかについて明らかにする。その上で、異言語間との比較により、日本語文法固有の特徴が、身体動作の産出にどう影響を与えるか、及び、言語のどのような類型論的特徴が、身体動作の産出と関わるのかを検討する。
    本研究は、身体動作が中心となる活動のビデオデータを用い、日本語の発話の構造や語彙の選択が、発話者やその他の参与者の身体動作の産出とどのように関わるのかを探る相互行為分析研究である。
    3年目となる2023年度は、プロジェクトの整備に尽力した。まず、本科研費の研究期間終了後もプロジェクトを継続させるため、科研費の前年度応募を行なった。その際、協力者や分担者として関わってもらえる国内外の研究者に声をかけ、メンバーの拡充を図った。また、プロジェクトの進め方の見直しも行なった。これまでは、各自で個別に研究テーマを設定し、各自で分析に取り組むことで、文法と身体にかんする研究数を増やしていくことを目指していたが、取り扱う身体的活動の種類も、行為や連鎖や現象もバラバラでは、まとまった成果としてとらえにくいという問題が生じていた。そこで、今後は、注目する現象/文形式/行為を絞り、類似事例を幅広い場面から集めていくことで、共同で分析を進める方針に切り替えることとなった。
    その他の活動は以下の通りである。
    ・国内外にて、各々の学会発表を行なった。
    ・代表者の安井と分担者の岡田が、スウェーデン、リンショーピン大学にて開催されたEmbodied syntax network conferenceに出席し、ヨーロッパ圏言語での関連研究について最新の動向を確認したほか、海外で同様の関心を持つ研究者たちとの交流や意見交換を行った。
    これまでは、各自で個別に研究テーマを設定し、各自で分析に取り組むことで、文法と身体にかんする研究数を増やしていくことを目指していた。その上で、それぞれの成果をまとめた雑誌の特集号を発行するための準備に取り掛かるつもりであった。しかしながら、取り扱う身体的活動の種類も、行為や連鎖や現象も異なる上に、文法と身体にかかわるテーマで分析を進めうるだけの事例が集まりにくいなどの問題が生じていた。そのため、今後の方針を転換させる必要が生じており、思うようにプロジェクトを進めることができなかった。
    また、2024年度が最終年度となるため、継続して本プロジェクトを進められるよう、科研費の前年度応募を行なったが、(基盤Bへの応募を目指したこともあり)採択には至らなかった。
    以上の理由により、「やや遅れている」状況である。
    発話と身体動作の関わりに、発話における日本語固有の文法的特徴がかかわることを明確に示す成果がまだ出ていないのが大きな課題である。そこで、今後は方針を変更させ、注目する現象/文形式/行為を絞り、類似事例を各自のデータより収集し、事例数を増やすことを試みつつ、共同で分析を進めていきたい。
    今後は、これまでよりもミーティングの頻度を上げ、定期的にオンラインにてデータを検討する機会をもうけ、年度末までには論文にまとめられるような分析を進めておくことを目標とする。

 

担当経験のある科目 (本学) 9

  1. 英語(コミュニケーション)

    2020

  2. 英語(上級)

    2020

  3. 言語と社会Ⅰ

    2020

  4. 日本語教育学演習Ⅱb

    2020

  5. 日本語教育学講義Ⅱb

    2020

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学術貢献活動 6

  1. 第7回会話分析研究発表会 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等, 査読

    会話分析研究会  2024年9月

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    種別:学会・研究会等 

  2. 第5回会話分析中級者(以上)セミナー

    役割:企画立案・運営等, 学術調査立案・実施

    2023年3月

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    種別:学会・研究会等 

  3. 第11回会話分析初級者セミナー 国際学術貢献

    役割:企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等

    会話分析研究会  2024年8月

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    種別:学会・研究会等 

  4. 第5回会話分析研究発表会

    役割:企画立案・運営等, 審査・評価, 学術調査立案・実施

    会話分析研究会  2022年8月

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    種別:学会・研究会等 

  5. 第4回会話分析研究発表会

    役割:企画立案・運営等, 審査・評価, 学術調査立案・実施

    会話分析研究会  2021年8月 - 2021年9月

     詳細を見る

    種別:学会・研究会等 

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