科研費 - 菅波 孝祥
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微小代謝環境が駆動する非アルコール性脂肪肝炎における線維化機構の解明
研究課題/研究課題番号:23H02686 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )
持続する過栄養は代謝臓器に慢性炎症を惹起し、生活習慣病の病態基盤となる。例えば、NASHでは、蓄積する脂質の“量”に加えて“質”の重要性が明らかになったが、代謝変化は臓器レベルで捉えられ、臓器局所の微小代謝環境には注意が払われてこなかった。研究代表者は、細胞死に陥った肝細胞を核としてマクロファージが集積する特徴的な組織像を同定し、これを起点として肝線維化が進行することを見出した。本研究では、独自に見出した肝局所の微小代謝環境が、どのようにして形成され、肝線維化に至るかを明らかにする。
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糖尿病性認知症・サルコペニアにおける脳筋脂肪連関の分子病態解明と先制医療開発
研究課題/研究課題番号:22K19723 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
佐藤哲子, 菅波 孝祥
担当区分:研究分担者
本研究では、糖尿病に伴う脳と筋肉との病的多臓器連関により、認知症とサルコペニアが同時進行すると考え(脳-筋-脂肪連関)、その炎症イニシエーター/メディエーターとして脳・筋肉・脂肪組織に発現するTREM2と血中sTREM2に着目し、sTREM2受容体・sTREM2機能制御トリガー分子など新規コグニティブフレイル惹起因子の同定を端緒として、糖尿病における「エイジングドミノ」すなわち多臓器障害の分子機構の解明を目指す。以上より、糖尿病にて悪化する脳-筋-脂肪連関の包括的な治療法を確立し、健康寿命延伸の為の認知症・サルコペニアの革新的予知指標・治療戦略の開発を目指す。
本研究では脳-筋-脂肪の病的多臓器連関のメディエーターとして脳・筋肉・脂肪組織に発現するTREM2・血中sTREM2に着目し、sTREM2受容体やsTREM2機能制御トリガー分子等の同定を端緒として、糖尿病における脳-筋-脂肪連関悪化・コグニティブフレイルの分子機構の解明、脳-筋-脂肪連関悪化の包括的な治療法の開発を行い、健康寿命延伸の為の認知症・サルコペニアの革新的予知指標・治療戦略の開発を目指している。本年度は、申請者が既に作製しているTREM2欠損マウスにて、16週間の高脂肪食負荷を行い、高脂肪食負荷ではTREM2欠損マウスでは対照マウスと摂食量・体重は変わらないにもかかわらず、糖負荷試験における空腹時血糖とインスリン値の上昇など耐糖能異常や骨格筋量の低下も認め、脳筋脂肪連関へのTREM2の関与が示唆された。今後、マウスから採取した血清・単球・脂肪組織を用い、各群別に網羅的遺伝子発現解析やmicroRNAアレイ等を施行し、糖尿病・肥満での認知症・サルコペニア発症における脳筋脂肪連関悪化プロセスとその進展メカニズムを検討し、TREM2の病態意義を明らかにする。
また、認知症・MCIコホート2000例を構築し、血中sTREM2と血中Aβ・tauを新規アッセイ系により同時測定し、糖尿病の有無や認知症の重症度間で、血中Aβ42/Aβ40比 sTREM2値に有意な結果を認めた。特に、糖尿病を合併した認知症・MCIではミクログリア機能障害によるsTREM2低下が起点になることが示され、糖尿病性認知症の特徴と予知評価系を提唱した(Diabetes Res Clin Pract 2022)。さらに、コグニティブフレイルに関する健診コホートとNHO多施設共同肥満症・糖尿病コホート(J-DOS3)も構築し、現在、認知症とサルコペニア/フレイルとの関連を糖尿病有無別に横断・縦断解析している。
基礎研究では、脳-筋-脂肪連関増悪の分子病態の解明として、TREM2欠損マウスの16週間の高脂肪食負荷試験を完了し、脂肪-筋連関における耐糖能異常や筋委縮など有意な成績を見出しており、今後各マウスの血清・単球・脂肪組織を用い、メタボローム解析・microRNAアレイやsTREM2機能制御トリガー分子の同定など脳-筋-脂肪連関の進展機序のメカニズムを検討していくことができる。
また、臨床研究においては、認知症・MCIコホート2000例の登録が完了し、先行して一部症例に対し、 世界初で血中sTREM2と血中Aβ・tauの同時測定・比較検討し、糖尿病性認知症ではミクログリア機能障害によるsTREM2低下が起点となる可能性を報告し、糖尿病性認知症の特徴や予知バイオマーカー評価系(sTREM2低下・Aβ不変・tau上昇)を提唱することができた(Diabetes Res Clin Pract 2022)。
さらに、本年度、NHOコグニティブフレイルコホート(J-DOS3)や健診コホートを新規に構築し、糖尿病性認知症・サルコペニアにおける脳筋脂肪連関の分子病態解明に向け、データベース構築と血清・血漿取得を行い、アディポサイトカインやmicroRNAの測定の準備を行っており、計画通り、順調に研究は進んでいる。
本年度得られたTREM2欠損マウスや各糖尿病・認知症各モデルマウスの血清・単球・脂肪組織を用いて、各群別に網羅的遺伝子発現解析、メタボローム解析、microRNAアレイとエピゲノム解析を施行し、各オミックス情報の連結により、脳筋脂肪連関悪化プロセス(エピゲノム~遺伝子発現・メタボライト変化)を可視化・プロファイリングし、認知症・サルコペニア惹起共通因子を探索・同定する。
また、本年度までに構築した認知症・MCIコホート、コグニティブフレイルに関する健診コホートや肥満症・糖尿病コホートのデータベースを用い、肥満度, 筋肉量, 糖脂質代謝, 炎症・動脈硬化指標, 単球機能(M1/M2・TREM2発現), 血中sTREM2濃度, 新規トリガー分子血中濃度, 認知症指標[認知機能検査・脳MRI/PET、血中Aβ・tau],サルコペニア指標[骨格筋量指標・握力等]について横断・縦断解析しながら、取得した血液検体を活用して、メタボローム解析やmicroRNAアレイなどより、認知症・サルコペニア・糖尿病惹起共通因子の同定を検討し、同時にsTREM2受容体やsTREM2機能制御トリガー分子等の同定も進めていく。
以上より、脳-筋-脂肪の病的多臓器連関のメディエーターとして脳・筋肉・脂肪組織に発現するTREM2・血中sTREM2に着目し、糖尿病における脳-筋-脂肪連関悪化・コグニティブフレイルの分子機構の解明、脳-筋-脂肪連関悪化の包括的な治療法を確立し、健康寿命延伸の為の認知症・サルコペニアの革新的予知指標・治療戦略の開発を目指す。 -
研究課題/研究課題番号:22K19524 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
本研究では、死細胞センサーのMincleに着目して、障害尿細管における脂質代謝変容がどのようにして内因性Mincleリガンドの産生に繋がり、急性腎障害の慢性化に働くかを明らかにする。内因性Mincleリガンドのβ-GlcCerは、ゴーシェ病等の遺伝性難病において蓄積するが、非遺伝性疾患における産生制御機構は全く分かっていない。本研究の成果により、死にゆく細胞が能動的な代謝変化を介して周囲の細胞にメッセージを発信することが明らかになり、新たな細胞間ネットワークのプロトタイプになると期待される。
近年、新しい細胞死の様式が次々と報告され、炎症慢性化における意義が注目されているが、死細胞側の細胞内代謝については注意が払われてこなかった。研究代表者はこれまでに、マクロファージに発現する自然免疫センサーのmacrophage-inducible C-type lectin(Mincle)が、急性腎障害における壊死尿細管を感知して炎症慢性化に働き、腎萎縮をもたらすことを見出した。即ち、大量の尿細管壊死が生じる急性期の後、浸潤マクロファージの約10%を占めるMincle発現マクロファージが壊死尿細管を取り囲んでユニークな微小環境(CLS: crown-like structure)を形成する。この時、壊死尿細管にβ-グルコシルセラミド(β-GlcCer)が過剰に蓄積し、内因性リガンドとしてMincleを活性化することで炎症慢性化に働くことを報告した。そこで本研究では、死にゆく細胞において脂質代謝がどのように変容してβ-GlcCerが蓄積するのかを解明し、炎症慢性化における意義を明らかにする。本年度は、急性腎障害モデルのRNA-seq解析の結果から、β-GlcCer代謝酵素Aに着目して検討を行った。種々の急性腎障害モデル、および培養近位尿細管上皮細胞を用いて、障害時に代謝酵素Aの遺伝子発現が顕著に低下すること、代謝酵素Aをノックダウンするとβ-GlcCerが蓄積すること、さらに細胞死を誘導するとMincle活性化が増強することを見出した。そこで、近位尿細管上皮細胞において時期特異的に代謝酵素Aをノックアウトする遺伝子改変マウスの作製に着手した。
本研究では、急性腎障害モデルにおいて、障害を受けて死にゆく尿細管上皮細胞における脂質代謝変容に着目し、炎症慢性化の分子機構の解明を目指す。本年度は、トランスクリプトーム解析により鍵となる代謝酵素を同定し、in vitroにおいてその機能的意義を明らかにした。さらに、in vivoの解析にも着手しており、順調に研究が進捗している。
従来、アポトーシスでは、細胞死を制御するカスパーゼ依存的にポリアミン代謝の変容が生じ、細胞外に放出されたスペルミジンが免疫細胞に対して炎症抑制的に作用することが報告されている。一方、ネクローシス型の細胞死において、死にゆく細胞の代謝変容が炎症慢性化にどのように関与するかは明らかでなかった。本研究では、現在作製中の遺伝子改変マウスを用いて、時期特異的に代謝酵素Aを近位尿細管上皮細胞で欠損させ、正常および腎障害時において炎症に及ぼす影響を検討する。Creマウスとfloxマウスは既に入手し、現在順調に交配していることから、次年度に目的のマウスを得ることが可能である。実際に、目的遺伝子が欠損し、β-GlcCer代謝が変化することを確認した上で、急性腎障害モデルを作製する予定としている。 -
マクロファージの細胞内鉄代謝変容がもたらす肝線維化機構の解明
研究課題/研究課題番号:22H04806 2022年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:5720000円 ( 直接経費:4400000円 、 間接経費:1320000円 )
近年、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)症例における鉄過剰が報告されているが、その機序や肝臓内における責任細胞は明らかになっていない。研究代表者は、独自の動物モデルを用いて、肝細胞死を起点として肝常在性マクロファージが活性化し、肝線維化が生じることを明らかにしてきた。本研究では、NASHの病態形成においてマクロファージに鉄が過剰に蓄積し、線維化促進形質を獲得する分子メカニズムの解明を目指す。本研究の成果により、アンメット・メディカル・ニーズの高いNASHに対して、鉄代謝異常に着目した発症機序解明と新規治療法開発への展開が期待される。
近年注目されている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、肝細胞において鉄が関与する細胞死(フェロトーシス)が注目されてきたが、マクロファージの鉄代謝がNASH病態形成に及ぼす影響は明らかでなかった。昨年度までに我々は、磁気細胞分離装置を用いてマクロファージを分類することで、鉄含有量の多いマクロファージサブタイプが線維化促進形質を獲得し、NASHにおける肝線維化に寄与することを報告した。本年度は、RNA-seq解析により、whole liver、あるいは単離マクロファージの遺伝子発現プロフィールを検討した。病態の進展とともに、炎症性サイトカインやケモカインの発現が上昇し、さらに鉄代謝関連遺伝子の発現も大きく変動した。しかしながら近年、マクロファージの多様性が指摘されており、主に表面マーカーや遺伝子発現プロフィールで分類されている。我々は、鉄含有量という新たな観点でマクロファージの多様性を提唱している点がユニークであるが、鉄含有量の多いマクロファージが肝マクロファージ全体の数%以内に止まる理由ことを説明することはできなかった。一方、免疫染色では、鉄蓄積自体を可視化することができないため、鉄過剰蓄積が惹起するリソソームストレスをTFE3染色で代替したところ、死細胞(肝細胞)周囲のマクロファージに特異的にTFE3の核への集積(=活性化)が観察された。同様の結果は、同じTFE転写因子に属するTFEB染色でも確認できた。以上より、死細胞周囲のマクロファージにおいて鉄が過剰蓄積していることが強く示唆される。
上述のように、whole liverや単離マクロファージの遺伝子発現プロフィールを検討し、病態進展に応じた炎症線維化促進形質の獲得を確認した。これまで、鉄高含有マクロファージを磁気分離装置により単離したため、位置情報が欠落しており、CD11cやリソソームストレスで活性化する転写因子MiT/TFEファミリー(TFE3など)の核移行などでNASH肝における鉄高含有マクロファージの局在を推測してきた。そこで、代謝状況(鉄高含有)、位置情報、遺伝子発現プロフィールを統合的に理解するために、鉄高含有マクロファージのLA-ICP-MS解析や鉄プローブによる染色が必要となる。それぞれ、B01・千葉大学・小椋班、B01・岐阜薬科大学・平山班のサポートを得て、予備的な解析に着手した。LA-ICP-MS解析ではマクロファージ内の鉄含有量を、鉄プローブ解析ではマクロファージ内の2価鉄量を評価するため、この両者の意味するところを認識する必要がある。また、その他の領域内共同研究として、A02・京都薬科大学・石原班と一緒にダウン症モデルにおける脂肪肝表現型の解析にも取り組んでいる。
近年、マクロファージの多様性が注目されている。従来、主にin vitroで炎症促進性M1と炎症抑制性M2に大別されてきたが、実際の病態に合致しないことが明らかになった。また、卵黄嚢由来や骨髄由来などマクロファージの起源や、脳におけるミクログリアや肝臓におけるクッパー細胞など臓器特異的なマクロファージにも注目が集まっている。さらに最近では、シングルセルRNA-seq解析の普及により、遺伝子発現プロフィールによるマクロファージの分類が進み、多種多様なマクロファージサブタイプが報告されている。我々は、crown-like structureにおいて死細胞周囲に集積するマクロファージサブタイプを同定し、慢性炎症や線維化における意義を明らかにしてきた。また本研究では、鉄高含有マクロファージという代謝状態による分類を提唱している。そこで、これらの代謝状態や位置情報に遺伝子発現プロフィールを組み合わせて、NASHの肝線維化を促進する新たなマクロファージサブタイプとして位置づけることを目指す。 -
過栄養で誘導される視床下部炎症形成におけるミクログリアのダイナミズムの解明
研究課題/研究課題番号:20K07355 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
付 友紀子, 菅波 孝祥
担当区分:研究分担者
慢性炎症は肥満の病態基盤を成すが、特にエネルギー代謝調節中枢である視床下部において、末梢臓器に先行して慢性炎症が生じ、肥満の病態形成に寄与することが明らかになってきた。しかしながら、視床下部炎症の時空間的動態は未だ不明の部分が多い。本研究では、視床下部における免疫担当細胞(ミクログリア・マクロファージ系)の時空間的動態と視床下部による末梢臓器の炎症制御意義を明らかにすることを目指す。
本研究では、CX3CR1-CreERT2マウスを駆使してミクログリア・マクロファージを時空間的に標識、あるいは制御することにより、1)視床下部におけるミクログリ ア・マクロファージの時空間的動態、2)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態形成における視床下部炎症の意義の解明を目的とする。
今年度は、視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用の解析の目的で、①高脂肪食負荷による視床下部脳血液関門(BBB)機能破綻の病態解明、②非アルコール性脂肪肝炎(NASH)病態形成における、中枢自律神経経由の肝マクロファージの制御機序の解明、および③ミクログリア特異的にジフテリア毒素受容体を発現させた遺伝子改変マウス(Siglech_DTRマウス)を用いて視床下部炎症の制御を試みた。 まず、高脂肪食負荷4週間で視床下部BBBの破綻を色素エバンスブルー尾静脈投与マウスで確認できて、高脂肪食負荷による視床下部慢性炎症の惹起はBBBの機能破綻に繋がる可能性が示唆された。また、肝細胞障害性の化合物である四塩化炭素の投与により肝細胞死が誘導される一過性炎症モデルで、肝障害回復に働く肝臓に浸潤したマクロファージはアドレナリン受容体アゴニストによって死細胞を除去する能力が促進されることを見出した。即ち、自律神経系はNASH病態形成過程に重要な役割を果たす肝臓マクロファージの機能に及ぼす影響は病態形成の一因である可能性が示唆された。最後に、ジフテリア毒素をSiglech_DTRマウスに、腹腔内または脳室内投与により視床下部でのミクログリア除去効果を確認した。
本研究は、まず、CX3CR1-CreERT2:tdTomato floxマウスを用いて、視床下部においてミクログリアとマクロファージを区別できること、肥満の過程で各神経核に特徴的なマクロファージ系細胞の細胞数や活性化状態に変化が生じることを見出した。特に、従来知られていなかった室傍核(PVN)におけるマクロファージ系細胞の動態について、脳血管関門を欠く弓状核から離れているにもかかわらず、予想外にマクロファージ浸潤が観察されたことなど、重要な知見を得ている。室傍核PVNではより長期間(8週以上)の高脂肪食負荷しかミクログリアの活性化が認められなかったが、高脂肪食負荷4週間で、PVNで血管周辺マクロファージの形態変化が観察された。また、高脂肪食負荷4週間で視床下部BBBの破綻を色素エバンスブルー尾静脈投与マウスで確認できた。これらのことにより、血管周辺マクロファージの形態変化はPVNでのBBB機能破綻およびミクログリアの活性化に関係する可能性が示唆された。
自律神経の中枢となる視床下部PVNの機能破綻は、自律神経系を経由して末梢臓器の炎症に影響を与えることが考えられる。これを検証するため、まず、肝細胞障害モデルで肝臓に浸潤したマクロファージはアドレナリン受容体アゴニストによって死細胞除去能が促進されることを見出した。また、ミクログリアを特異的に消去できるジフテリア毒素受容体を発現させた遺伝子改変マウス(Siglech_DTRマウス)モデルを導入した。そのマウスを用いて、視床下部の炎症制御による肝臓マクロファージ機能への影響を解析しているところである。
予定通り、過栄養で誘導される視床下部炎症形成におけるミクログリアの解析に並びに、その機能と末梢臓器ヘの影響まで展開していることから、おおむね順調に進展していると判断する。
今後は以下の2点を中心に進めていきたい。
1)高脂肪食負荷による視床下部のBBB機能破綻における血管周辺マクロファージとの関係を明らかにするため、FITC標識デキストランを用いて詳細な評価を行う。
2)高脂肪食誘導性NASHモデルにおける視床下部でのミクログリア除去効果を、Siglech_DTRマウスを用いて検証する。 -
死細胞応答の変容に基づく代謝性組織リモデリングの分子機構の解明
研究課題/研究課題番号:20H03447 2020年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
近年、過栄養に伴う代謝ストレスが慢性炎症を誘導し、生活習慣病の病態基盤となることが注目されている。研究代表者は、代謝ストレスによる細胞死が自然免疫応答を惹起して、メタボリックシンドロームにおける慢性炎症をもたらすことを見出した。本研究では、どのような細胞死が、どのようにして疾患・臓器特異的に炎症慢性化をもたらすかを解明し、新たな病態メカニズムの解明を目指す。
本研究では、過栄養に伴う慢性炎症の分子機構を解明するために、肥満や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)で認められる特徴的な組織像のcrown-like structure(CLS)に注目し、その形成機構や病態生理的意義を検討した。具体的には、(1)植物由来フラボノイド・タキシフォリンのNASH治療への応用、(2)NASHにおける鉄高含有マクロファージの機能的意義の解明、(3)マクロファージコレステロール代謝変容がもたらす肝線維化機構の解明について取り組んだ。
現在、NASHの病態メカニズムは未だ不明の点が多く、厚労省に認可されたNASH治療薬も存在しない。本研究では、既に健康食品として世界中で使用されているタキシフォリンが抗メタボリックシンドローム効果に加えて、抗NASH効果も有することを初めて明らかにするとともに、CLSが薬効評価の点で有用であることを示した。また、鉄やコレステロールに着目してNASH病態メカニズムの一端を明らかにし、新たな治療戦略の創出につながると期待できる。 -
研究課題/研究課題番号:20H04944 2020年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:7540000円 ( 直接経費:5800000円 、 間接経費:1740000円 )
近年、炎症慢性化における細胞死の意義が注目を集めており、死細胞に由来するDAMPsや死細胞クリアランスの意義が明らかになってきたが、死細胞を起点とする炎症細胞ネットワークの全貌は未だ未解明である。研究代表者は、マクロファージに発現する新規死細胞センサーのMincleに着目して、死細胞応答が誘導する炎症慢性化機構の解明に取り組んできた。本研究では、Mincle活性化に伴って多彩な間質細胞の数や種類がどのように変化するか、炎症細胞社会を構成する細胞間ネットワークの変容を明らかにする。
本研究では、急性炎症モデルとして腎虚血再灌流傷害による急性腎障害モデル、慢性炎症モデルとして高脂肪食負荷による肥満モデルを用いて、Mincleを起点とする炎症細胞社会の制御メカニズムを検討する。本年度は、以下の3項目に関して実施した。
1)Mincleリガンド産生メカニズムの検討;既に質量分析解析により、壊死尿細管でβ-グルコシルセラミド量が増加することを確認している。本項目では、壊死尿細管においてβ-グルコシルセラミドが蓄積するメカニズムを検討したところ、急性腎障害後、グルコシルセラミドが蓄積する方向に様々な代謝酵素の遺伝子発現が変化することを見出した。また培養近位尿細管細胞に細胞障害を加えて急性腎障害を模倣するin vitroモデルを作製したところ、同様の遺伝子発現プロフィールを確認した。
2)Mincleシグナルの検討;これまで、β-グルコシルセラミドを細胞培養ディッシュに固相化することでMincleリガンド活性を検討してきたが、細胞を播種した時点でMincleシグナルが活性化するため、詳細な検討ができなかった。本項目では、β-グルコシルセラミドとコレステロールを共結晶化し、培養マクロファージに添加する方法を用いて、固相化と同様のMincleシグナル活性化が得られることを確認した。
3)包括的1細胞遺伝子発現解析;本領域のサポートを得て、肥満の脂肪組織を対象とする包括的1細胞遺伝子発現解析を実施した。特にマクロファージと線維芽細胞に注目して、肥満の過程で増加する亜集団を同定し、さらにリガンド・レセプター解析によりマクロファージと線維芽細胞の相互作用を検討した。その結果、線維化ステージにおいて特徴的な細胞間相互作用を複数見出すことができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:20H05503 2020年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)症例における鉄過剰が報告されているが、その機序や肝臓内における責任細胞は明らかになっていない。研究代表者は、独自の動物モデルを用いて、肝細胞死を起点としてクッパー細胞が活性化し、肝線維化が生じることを明らかにしてきた。そこで本研究では、クッパー細胞の鉄代謝変容がもたらす肝線維化の分子メカニズムの解明を目指す。本研究の成果により、アンメット・メディカル・ニーズの高いNASHに対して、鉄代謝異常に着目した発症機序解明と新規治療法開発への展開が期待される。
本研究では、クッパー細胞において鉄が過剰に蓄積する細胞内動態と鉄過剰によるクッパー細胞の機能変容を検討し、新たな肝線維化機序の解明を目指す。本年度は、以下の3点に関して検討を行った。
1)様々なNASHモデルにおける検証;昨年度までに見出したクッパー細胞におけるリソソームストレスの亢進を様々なNASHモデル、即ちメチオニン・コリン欠乏食負荷モデルやウェスタンダイエット長期負荷モデルなどを用いて確認した。リソソームストレスの指標として、MiT/TFEファミリー転写因子のTFE3, TFEBの免疫染色を行った。
2)鉄が過剰蓄積するメカニズムの検討;NASH進展過程において鉄を多く含有するクッパー細胞の数が増加し、炎症・線維化形質を獲得するメカニズムとして、NASH肝からクッパー細胞を単離し、トランスクリプトーム解析を行った。その結果、鉄代謝に関わる遺伝子発現プロフィールの変化で必ずしも鉄過剰蓄積を説明できず、死細胞(肝細胞)貪食など局所での鉄代謝変化を想定するに至った。
3)炎症・線維化促進形質を獲得するメカニズムの検討;脂肪肝マウスに鉄を負荷すると炎症・線維化が促進するが、正常マウスに同様の負荷を与えても明らかな変化を認めなかった。そこで、脂肪肝および正常肝からクッパー細胞を調製してトランスクリプトーム解析を実施し、両者の遺伝子発現プロフィールを比較した。その結果、脂肪肝由来クッパー細胞において既に炎症性サイトカイン系遺伝子が発現亢進することに加えて、複数の代謝経路が変化する可能性を見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。 -
慢性炎症性疾患の免疫細胞における脂質リプログラミングの意義の解明
研究課題/研究課題番号:19KK0249 2019年10月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
伊藤 綾香, 菅波 孝祥, 原 雄一郎
担当区分:研究分担者
近年、種々の疾患に共通の基盤病態として慢性炎症が注目されているが、その分子機構は未だ十分に理解されておらず、特に免疫細胞内の脂質代謝異常の関与は不明である。本研究では、慢性炎症性の遷延化に伴う免疫細胞内脂質の量的・質的変化とその分子機構を明らかにする。また、自己免疫疾患と肥満を比較解析することにより、疾患特異的な、あるいは慢性炎症性疾患に共通の脂質リプログラミングの分子機構を解明し、治療標的としての可能性を検証する。本研究により、細胞内脂質代謝という従来にない切り口で疾患特異的な慢性炎症化の機構が明らかになるのみならず、慢性炎症性疾患の新しい診断・予防・治療の提案につながると期待される。
近年、肥満や動脈硬化、自己免疫疾患など、種々の慢性疾患に共通の基盤病態として「慢性炎症」が注目されているが、その分子機構は未だ十分に理解されておらず、特に免疫細胞内の栄養代謝異常の関与は明らかにされていない。研究代表者はこれまでに、抗原提示細胞内の脂質蓄積が炎症、ひいては全身の自己免疫疾患を惹起することを明らかにし、病態の進展過程における免疫細胞内のダイナミックな脂質の質的・量的変化「脂質リプログラミング」の関与の可能性を示唆した。一方、肥満や非アルコール性脂肪肝炎など、過栄養により生じる全身性の慢性炎症に単球やマクロファージなどが関与することが報告されているが、全身の栄養代謝状態と免疫細胞内の栄養代謝状態の関係は分かっていない。
現在までに、自己免疫疾患モデルマウスにおける多価不飽和脂肪酸の経口摂取が、炎症や、B細胞から抗体産生細胞への分化を抑制し、病態を改善することを明らかにした。また、病態における免疫細胞内の脂質および遺伝子発現の網羅的解析を行うことにより、病態の発症・進展に関与する脂質とその制御酵素を複数同定し、脂質代謝酵素の欠損マウスを用いることによって病態への影響を明らかにしつつある。本研究の成果により、細胞内脂質代謝という、従来にない切り口で慢性炎症性疾患のメカニズムが明らかになるのみならず、新しい診断・予防・治療の提案につながると期待される。
当該期間内に、病態の発症・進展に関与する脂質とその制御酵素を複数同定し、脂質代謝酵素の欠損マウスを用いることによって病態への影響を明らかにしつつある。一方、当初予定していた解析、特に海外研究機関での解析について遅れが生じている。今年度、共同研究機関への渡航を予定しており、遅れている解析について進める予定である。
シングルセルトランスクリプトーム解析とリピドーム解析を引き続き進めることにより、免疫細胞特異的な脂質の変化とその制御機構の解明を行う。また、現在解析中の脂質代謝酵素欠損マウスに関する結果を報告できるよう、引き続きの解析を進める。 -
単球・ミクログリアを介した腸-脳-筋連関による認知症・サルコペニア進展機序の解明
研究課題/研究課題番号:18K19769 2018年6月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
佐藤哲子, 菅波 孝祥, 小谷 和彦
担当区分:研究分担者
申請者は糖尿病患者において腸内細菌叢の機能悪化、認知症やサルコペニアのリスクである慢性炎症を認め、本研究では腸内環境の悪化を起点とした脳や筋肉との病的連関による認知症とサルコペニアの発症(腸-脳-筋連関)を検討した。特に、病的連関の担い手として単球・マクロファージ・ミクログリア機能(M1/M2極性・TREM2)に着目し、血中sTREM2が認知症・脳内炎症の予知指標となる事を一般住民、糖尿病・肥満患者や肥満モデルマウスで証明した。TREM2欠損マウスを作製し、進展機序を検討した。また、至適予防法確立に向け、糖尿病薬やフラボノイド投与による腸-脳-筋連関への影響を明らかにした。
本研究では糖尿病・肥満患者において慢性炎症、特に免疫担当細胞である単球・マクロファージ極性(M1/M極性・TREM2発現)異常を基盤に病的な腸-脳-筋連関が生じ、認知症やサルコペニアが発症・進展する可能性が示唆された。本研究の成果は、加齢・代謝性疾患にて悪化する腸-脳-筋連関の包括的な予知バイオマーカーや予防法の確立に繋がり、超高齢社会の本邦で増加し問題となる生活習慣病に伴う認知症・サルコペニアに対する包括的・革新的先制医療の実現や健康寿命延伸に寄与でき、本邦の医療と福祉に多大な波及効果と貢献が期待できる。 -
ダイイングコードによる組織破壊・修復バランスの制御機構の解明
研究課題/研究課題番号:17H05500 2017年4月 - 2019年3月
新学術領域研究(研究領域提案型)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:5720000円 ( 直接経費:4400000円 、 間接経費:1320000円 )
本研究では、死細胞を核としてマクロファージや線維芽細胞が集積するユニークな微小環境のcrown-like structure(CLS)に着目して、細胞死が誘導する慢性炎症の分子機構を検討している。今年度は、急性腎障害のモデルである腎虚血再灌流障害を用いて、CLSの新たな病態生理的意義を明らかにした。即ち、虚血再灌流障害により細胞死に陥った尿細管上皮細胞をマクロファージが取り囲むCLSが病変部位に形成され、腎障害が遷延することを見出した。この時、死細胞センサーのMincleを欠損すると、炎症がより早期に収束し、尿細管の再生・修復が促進して腎機能が保持された。従来、Mincleシグナルによる炎症性サイトカイン産生が知られていたが、今回新たに、Mincleシグナルが死細胞の貪食を抑制することを見出した。CLSにおいてMincleシグナルが活性化すると、死細胞クリアランスが低下することにより慢性炎症が持続し、腎障害の遷延化をもたらすことが想定される。本研究を通して、肥満(脂肪組織)、非アルコール性脂肪肝(肝臓)、急性腎障害(腎臓)において、共通の微小環境であるCLSを同定した。いずれも実質細胞の細胞死を核として、マクロファージなど間質細胞が集積して形成され、炎症慢性化に働く。一方で、細胞死の種類や死細胞センサー、構成細胞の起源などに相違があることも判明し、疾患や臓器に特異的なメカニズムが存在することが明らかになった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。 -
脳・全身連関による組織線維化の制御機構の解明と医学応用
研究課題/研究課題番号:16KT0110 2016年7月 - 2019年3月
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
組織線維化は、生活習慣病を含む多くの慢性炎症性疾患の終末像であり、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い。本研究では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)における肝線維化が臓器局所と中枢との臓器連関で制御される分子メカニズムを検討した。動物モデルとして、研究代表者が独自に確立した遺伝性肥満MC4R欠損マウスを用いた。これは、肥満やインスリン抵抗性を背景として、脂肪肝、NASH、肝細胞癌を経時的に発症する。本研究では、線維化の駆動エンジンとして働く微小環境(CLS)を構成するマクロファージの由来や特徴を明らかにするとともに、中枢MC4Rシグナルによる肝臓マクロファージの制御機構を明らかにした。
肝線維化のメカニズムとして、肝細胞死に引き続くマクロファージや線維芽細胞の活性化が指摘されているが、本研究において、慢性炎症や線維化の起点となる微小環境が初めて明らかになった。また、同様の微小環境が脂肪組織や腎臓などにおいても観察され、その共通性や臓器特異性を明らかにすることで、慢性炎症性疾患に対する理解が深まると期待される。最近、MC4R作動薬など中枢神経系を標的とする抗肥満薬の開発が進んでいる。中枢性の炎症制御機構の解明は、新たな抗肥満薬の臨床応用に貢献すると考えられる。 -
代謝性組織リモデリングとその変容によるメタボリックシンドロームの分子機構の解明
研究課題/研究課題番号:16H05171 2016年4月 - 2019年3月
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
研究代表者は、遺伝性肥満MC4R欠損マウスを用いて、肥満やインスリン抵抗性を背景として、脂肪肝、NASH、肝細胞癌を経時的に発症する動物モデルを作製し、その病態メカニズムの解明に取り組んでいる。本研究では、誘導性に短期間でNASHや肝細胞癌を発症する新たな動物モデルを開発し、さらに肝細胞死を核として組織リモデリングを促進する微小環境(CLS)を見出した。これにより、種々の薬剤によるNASH治療効果を効率よく検討するとともに、その作用機序の一端が明らかになった。
近年、数多くの抗糖尿病薬が上市され、糖尿病治療は、単に血糖値を低下させるのみならず、合併症を予防することに重点が置かれるようになってきた。即ち、脂肪肝やNASHに対する抗糖尿病薬の効果が注目されている。そこで本研究では、種々の薬剤のNASHに対する薬効評価を実施した。CLSに着目することにより、治療効果の定量的評価が可能となり、作用機序の一端も明らかになるなど、今後の治療法の開発に資すると考えられた。 -
アミノ酸代謝リモデリングによる新たな炎症制御機構の解明
研究課題/研究課題番号:16K15234 2016年4月 - 2018年3月
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
メタボリックシンドロームの病態形成において、過栄養により誘導される慢性炎症の重要性が指摘されている。慢性炎症では、種々のストレスに対する実質細胞と間質細胞の複雑な細胞間コミュニケーションが持続し、最終的には間質の線維化を来して臓器機能不全に至る。一方、これらの起点となる「細胞内炎症」の慢性化機構は未だ不明な点が多い。本研究では、非必須アミノ酸のセリンに着目し、アミノ酸代謝リモデリングによるマクロファージの新たな機能制御メカニズムを検討した。即ち、一部のマクロファージはセリンを細胞外に依存しており、その欠乏により炎症性サイトカイン産生が顕著に増加することが明らかになった。
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アミノ酸代謝リモデリングによる新たな炎症制御機構の解明
2016年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
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代謝性組織リモデリングとその変容によるメタボリックシンドロームの分子機構の解明
2016年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
菅波 孝祥
担当区分:研究代表者
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骨髄・単球由来分子を標的にした肥満・糖尿病合併症の新規診断指標と治療戦略の確立
研究課題/研究課題番号:15K08634 2015年4月 - 2018年3月
佐藤哲子
担当区分:連携研究者
本研究では、肥満症・糖尿病多施設前向きコホート及び動物モデルの検討から、肥満症・糖尿病において、単球の炎症性M1/抗炎症性M2極性の悪化が、動脈硬化の発症・進展と密接に関わることを明らかにした。また、当該悪化に関わる新規骨髄・単球由来分子としてTriggering receptor expressed on myeloid cells 2(TREM2)を同定し、血中TREM2値は糖尿病に伴う認知機能低下の新規予知指標となる可能性を明らかにした。本研究成果は、肥満症・糖尿病の合併症の進展機序解明と新規予知指標・治療戦略の開発に貢献できると考えられる。
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組織の修復と破壊を促進するダイイングコードの解明
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者
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新しいモデル動物を用いたNASH発症の分子機構の解明
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
担当区分:研究代表者
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リン脂質代謝を介する腎障害の新たな分子機構の解明
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者