
近年では「構文(構造)」という単位に着目し,構造と要素との相互作用という見方を,様々な言語レベルに適用し,構造と要素がどのように相互に関わりながら全体としての統合的体系を成しているのか,ということを研究しています。
2025/03/14 更新
博士(学術) ( 2009年5月 東京外国語大学 )
非情物主語の受身
非情の受身
自発
自然発生自動詞
太陽コーパス
可能動詞
可能
受身
動作主
再帰構文
中動態
ラレル文
対照研究
構文
ヴォイス
人文・社会 / 日本語学 / 日本語学
人文・社会 / 言語学 / 言語学
人文・社会 / 日本語学
人文・社会 / 言語学
ヴォイスの通時的・対照言語学的研究
名古屋大学 人文学研究科 准教授
2017年4月 - 現在
名古屋大学大学院 国際言語文化研究科 准教授
2015年4月 - 2017年3月
国立国語研究所プロジェクト非常勤研究員
2013年7月 - 2015年3月
国名:日本国
東京外国語大学世界言語社会教育センター非常勤研究員
2009年7月 - 2012年3月
国名:日本国
東京外国語大学非常勤講師
2009年4月 - 2014年3月
国名:日本国
日本語学会 編集委員
2024年5月 - 現在
日本言語学会 広報担当委員
2022年9月 - 2025年8月
日本語文法学会 大会委員
2022年4月
日本語文法学会 評議員
2021年4月 - 現在
日本語文法学会 大会委員
2017年4月 - 2020年3月
国立国語研究所所長賞
2016年2月 国立国語研究所
Passive and related constructions with verbal suffix -(r)are- in Early Middle Japanese: The case of Konjaku Monogatari-shū
Ayako Shiba
The Journal of Humanities (Nagoya University) 7 巻 2024年3月
ジャンル・テキストとその要素としての構文―受身構文を例に― 査読有り
志波彩子
日本語文法 23 巻 ( 2 ) 頁: 70 - 86 2023年10月
他動性構文としての関係構文 論理的関係を表す構文 招待有り
志波彩子
東アジア国際言語研究 5 巻 頁: 176 - 194 2023年4月
知覚動詞「見える」の推定構文への拡がり―共時態における文法化―
名古屋大学人文学研究論集 6 巻 2023年3月
日本語学における受身構文 招待有り
志波彩子
日本語受動文の新しい捉え方(庵功雄(編)) 頁: 1 - 26 2022年12月
よくわかる日本語学
金水敏( 担当: 分担執筆 , 範囲: 受身文,自発・可能,疑問文)
ミネルヴァ書房 2024年7月 ( ISBN:4623096203 )
日本語受動文の新しい捉え方
庵功雄( 担当: 分担執筆 , 範囲: 日本語学における受身構文)
くろしお出版 2022年11月
初級スペイン語 エクセレンテ!!!
志波彩子, 渡辺有美, 水戸博之, 西村秀人( 担当: 共著 , 範囲: 全体的に文法解説と会話練習,各種練習問題を執筆)
朝日出版 2021年1月
日本語文法史キーワード辞典
青木博史, 高山善行( 担当: 分担執筆 , 範囲: 「受身」の項)
ひつじ書房 2020年12月
現代日本語の受身構文タイプとテクストジャンル
志波彩子( 担当: 単著)
和泉書院 2015年2月 ( ISBN:978-4-7576-0734-7 )
【書評】角田太作著『日本語の知覚変動:ラレル,テアル,サセルの文法変化』 招待有り
志波彩子
日本語の研究18 巻 ( 2 ) 頁: 89 - 96 2022年8月
受身・可能・自発・再帰・自動―古代日本語とスペイン語の対照から見えること 招待有り
志波彩子
東京外国語大学国際日本学研究院主催,連続講演会2021,第1回 2021年7月30日 東京外国語大学国際日本学研究院
スペイン語の自発構文の構造的条件-“se me"を中心に
日本イスパニヤ学会第70回大会(京都外国語大学) 2024年10月12日
日本語ヴォイス史の諸相(指定討論者として登壇) 招待有り
志波彩子(指定討論者)
名古屋大学国語国文学会 2023年12月9日
Meaning and function of the -(r)are- construction in Classical Japanese: Influence of text style
Shiba, Ayako
EAJS2023 2023年8月18日
古代語の自然発生的自動詞とラレ構文の連続性について
志波彩子
日本語学会2022年度春季大会
川村祐斗『サ系接続表現の史的展開―“別れの挨拶語”化を事例として―』
王雲姣『現代日本語における心理動詞の研究』
権裕羅『現代日本語の形容詞の分類 -構文における振る舞いを基準にして-』
ジャンルと文法—文法を揺るがす・形づくる・とどめる—(企画,司会)
余飛洋『雅語「ものす(る)」の歴史的研究』
ジャンル・テキストの中の文法:テキストとその要素としての構文の相互作用
研究課題/研究課題番号:21K18359 2021年7月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
志波 彩子, 矢島 正浩, 宮地 朝子, 井本 亮, 前田 直子, 勝川 裕子, 大島 義和, 永澤 済, 田村 加代子, 齋藤 文俊
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
コーパスから収集したデータをもとに,収集した例文を構文タイプごとに分類し,前後にどのような構文が現れるか,またジャンルごとにどのような特徴的な構文間の結びつきがあるのかを考察する。こうした構文間の関係は必ずしも隣接する前後関係とは限らず,テキスト内の離れた位置に存在する構文同士が連関し合っている,ということも考えられる。また,歴史的観点からは,特に書き言葉ジャンルにおける構文とテキストとの関係を見ていく。これまで分析が手薄であった古代や中世,近世,近代における変体漢文や漢文訓読体を含めた書き言葉テキストと構文との関係を探っていく。
今年度は課題採択の通知があったのが7月であったため,スタートはやや遅れたが,10月と3月に2回の研究会を開催し,研究発表を行った。第1回目の研究会では,メンバー全員が何をテーマに研究していくかということを発表し,互いに意見交換した。第2回目の研究会では,共時態研究班から,井本が形容詞連用修飾構文のジャンル(特殊文脈)内での特殊な意味の表れ方について発表,歴史研究班では矢島が上方落語・速記本を対象として理由を表す形式の使用法を調査し、日常談話・音声落語との比較を通じて、同資料に実現する複数の言語層のありようについて検討した。また,永澤が現代と近代の判決文における理由節の表れ方を調査し,判決文に特徴的な「から」構文の使用があることを議論した。参加したメンバーから多くの質問やコメントが寄せられ,相互に刺激的な研究発表になった。
さらに,研究発表を受け,各ジャンルの特徴を規定する「指標」のようなものを設定する必要があるという議論になり,媒体,目的,内容,話し手の特徴,聞き手の特徴,求められる文体など,暫定的な指標をいくつか議論した。そして,今後の調査の中で,これらの指標を意識しながら分析を進めていくことを確認した。
研究代表者の志波は,上代と中古のラレル構文と自動詞構文との関係を調査している。現在のところ,万葉集と源氏物語を中心に,『日本語歴史コーパス』(国立国語研究所)から収集した用例を分類している。万葉集や源氏物語などの典型的な和文テキストにおけるラレル構文と自動詞構文の使用を調査し,両者の関係について考察している。
採択の通知が遅かったため,ややスタートが遅れたものの,2回の研究会を開催することができ,それぞれが今後の研究を進める上でのヒントを得ることができたため。また,研究発表を受け,ジャンルを規定する指標についての議論が深まり,今後の調査に活かしていけると考えられるため。
今後は,今年度議論したジャンルのいくつかの指標(媒体,目的,内容,話し手・聞き手の特徴,求められる文体,など)を意識しながら,それぞれのメンバーが自身の研究対象とジャンルとの関係を考察し,これによって,ジャンルの指標にも修正を加えていきたいと考える。
代表者の志波は,技術補佐員の力も借りて,今昔物語のデータを整理し,これらのジャンルにおけるラレル構文の使用の違いを調査したいと考えている。また,そこで明らかになったラレル構文の使用の違いが,各ジャンルにおける他の構文の使用とどのように関連しているかを考察する予定である。例えば,典型的な和文資料である源氏物語においては,ラレル構文は自発構文がもっとも中心的な,頻度の高い構文であるが,和漢混交文の今昔物語では自発構文はほとんど見られない。こうした違いが何に起因するのかを明らかにし,ジャンルと構文の関係を精査していく予定である。
研究課題/研究課題番号:24K00072 2024年4月 - 2029年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
志波 彩子, 長屋 尚典, 永澤 済, 早津 恵美子, 佐々木 冠
担当区分:研究代表者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
本研究は,日本語のラレル,サセルを中心に,自動詞,他動詞,可能,自発,授受といった様々な構文の間の相互関係を共時的かつ通時的に記述することで,日本語のヴォイス体系の総合的把握を目指すものである。古代日本語から中世,近世,近代,現代にいたる各構文のあり様を,テキスト的な違いも考慮に入れながら記述することで,日本語のヴォイスの発達過程を明らかにしていく。さらに,日本語の方言やスペイン語,タガログ語,中国語などとの対照を通して,諸言語のヴォイス体系に共通の特徴を明らかにし,同時に日本語に固有の特徴を浮き彫りにいていく。
ジャンル・テキストの中の文法:テキストとその要素としての構文の相互作用
2021年4月 - 2024年3月
JSPS 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者
構文ネットワークによるヴォイスの歴史的・対照言語学的記述研究
研究課題/研究課題番号:16K02726 2016年4月 - 2019年3月
志波 彩子
担当区分:研究代表者
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
古代日本語に「ゴミが捨てられた」のような事態実現の局面を捉える無生物主語受身文が存在しなかったのは,西欧諸言語の中動態がこの種の受身文を発達させた領域に,日本語は自発・可能構文を中心に発達させたからであるとして,スペイン語の中動態と古代日本語のラル構文の体系を対照し,論証した。両言語は,「自然発生」の意味の自動詞から,動作主がいなければ起こり得ない事態をも自動詞的に捉える構文を同じように拡張させているが,スペイン語が「人によって事態が自然発生する(変化が実現する)」という意の受身を確立したのに対し,日本語は「人に対して事態が自然発生する/しない」という自発・可能を中心に確立した。
本研究は,独自の観点から古代語のラルが持つ受身(人主語),可能,自発,尊敬といった多義性にせまり,自然発生的自動詞文とのつながりと相違点を明らかにした。自然発生的自動詞文から再分析によって取り出されたラルは,人間に視点を置いて,「人間に対して行為が自然発生する(変化が実現する)」という述べ方で述べる構文であったと考えられる。このため,中立視点の非情主語受身文を持たなかった。こうしたラル構文の特性が,上のような多義の体系を作り出したと考えられる。
構文ネットワークによるヴォイスの歴史的・対照言語学的記述研究
2016年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費補助金(基盤C)
志波彩子
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
日本語学(学部生向け)
2023年4月 - 現在 (名古屋大学)
日本語教育文法研究
2022年4月 - 現在 (名古屋大学大学院人文学研究科)
多言語修得基礎
2022年4月 - 2023年3月
日本語教育学発展演習
2022年4月 (名古屋大学大学院人文学研究科)
日本語教育学特殊研究
2022年4月 (名古屋大学大学院人文学研究科)