科研費 - 中川 書子
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安定同位体比による海洋における一酸化炭素の挙動および大気放出フラックスの解明
2002年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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安定同位体比を用いた海洋における一酸化炭素及び軽炭化水素類の挙動解析
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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サハリンおよび南プリモーリエ州周辺に湧出するメタンおよび軽炭化水素類の起源
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 二国間交流事業
担当区分:研究分担者
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海洋表層における生物起源微量気体の生成・分解過程とその気候変化への応答
2006年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
担当区分:研究分担者
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窒素・三酸素同位体組成を用いた日本国内および周辺域の水環境中の硝酸の起源解明
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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沿岸海底湧水系の淡水・熱輸送とその深層循環への影響-日本海モデル
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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微小画分の窒素固定速度定量-海洋窒素ミッシングソースを求めて-
2010年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者
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熱帯氷河とその流出水が形成する水質・生態環境とそれに対する気候変動の影響評価
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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森林植物中の天然同位体トレーサーを用いた窒素同化過程の新解析法の開発
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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水質障害原因藻類の生活環と湖内循環過程の生化学的マーカーを活用した解析手法の構築
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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安定同位体を用いた湖沼一次生産の新計測法開発と藻類生態解析への展開
2014年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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同位体を指標に用いた大気中ガス状亜硝酸の起源推定
研究課題/研究課題番号:15H02804 2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金
中川 書子
担当区分:研究代表者
配分額:16380000円 ( 直接経費:12600000円 、 間接経費:3780000円 )
大気中のガス状亜硝酸(HONO)は、日中の光分解反応により、OHラジカルを生成する。HONOの発生源には、各種発生源からの直接排出と大気中の窒素化合物からの二次生成の二種類が想定される。そこで本研究では、HONOの三酸素同位体異常(Δ17O値)を指標に用いることで、二次生成由来のHONOの寄与率を見積もることに挑戦した。Δ17O値は、大気中のHONOを炭酸カリウム含浸フィルターに捕集した上でNO2-として抽出し、それをアジ化水素と反応させてN2Oに変換し、さらに熱分解によってO2に変換した上で質量分析計に導入し、Δ17O値を定量することに成功した。
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陸水の三酸素同位体比の時空間変動:新指標で切り拓く新しい水循環像
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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微粒子陸水工学の確立と環境生物化学への応用
研究課題/研究課題番号:16K14308 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金
梅田 信
担当区分:研究分担者
ダム湖や自然湖沼において,浮遊微粒子の挙動は,工学的および環境的な問題と強く関わっている。本研究では,微粒子の水理学的挙動に関して,水温成層した貯水池において湖水流動と懸濁粒子に関する現地観測を行った。その結果,流速変動量は,鉛直成分が水平成分と同オーダーの大きさで生じており,このような流動が,湖水中で懸濁物質の長期浮遊が維持される要因である可能性が推測された。浮遊懸濁物質に関わる化学的な挙動については,三酸素同位体トレーサーを利用して,水柱や粒子内,堆積物中における酸素消費速度を見積もることに挑戦し,ある程度酸素消費速度の速い環境で実測することに成功した。
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硝酸の三酸素同位体異常を利用した非培養型の窒素循環速度定量法確立
研究課題/研究課題番号:17H00780 2017年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
角皆 潤, 須藤 健悟, 中川 書子, 伊藤 昌稚
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
琵琶湖湖水中の硝酸の三酸素同位体異常を利用して湖内の硝化速度や同化速度を求め、従来法である培養法で得られる各深度の同化速度と比較した。その結果、三酸素同位体異常から求める同化速度は、培養法の同化速度と比べて夏季に過大、冬季に過小評価となることが明らかになった。また、年平均で20パーセント程度小さく見積もられることも明らかになった。培養法は観測時の瞬間的な速度を反映するものであり、観測が主に夏季や静穏時に行われることを反映したものと考えられる。つまり、硝酸の三酸素同位体異常を利用した方が、より簡便で、それでいてより信頼度の高い湖内の平均的な硝化速度や同化速度が求められる。
硝酸は、植物プランクトンが行う光合成に必須の栄養塩として代表的なもので、各湖沼に対する硝酸の供給速度は、水質や基礎生産量、生態系構造などを大きく左右する。一般の湖沼水中の硝酸の大部分は、湖内に生息する微生物から、硝化と呼ばれる反応を通じて供給される。硝化は季節や深度に応じて大きく変化するため、実測はきわめて難しかったが、研究はこれを容易にした。今後は、琵琶湖をはじめとした多くの湖沼や海域で、総硝化速度を定期的に観測し、その長期変化をモニタリングすることが可能になるため、世界各地の湖沼や沿岸海域で進行しつつある富栄養化や、生態系構造変化の原因究明に貢献することが期待される。 -
同位体分別を補正した次世代型同位体トレーサー法に基づく脱窒速度定量
研究課題/研究課題番号:18K19853 2018年6月 - 2020年3月
科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)
中川 書子
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
本研究では、三種の酸素同位体の相対組成を指標に使った新しいin-vitro(培養器内での)脱窒速度定量手法の開発に挑戦した。本研究で開発した手法は、培養容器を大気から遮断する必要がなくなるので、水―堆積物間の物質収支を観測するためのフラックスチャンバー、表層堆積物および直上海水を採取するためのコアサンプラー、沈降粒子を採取するセジメントトラップ、浮遊性粒子類を採取するプランクトンネットなどの既存のサンプラーを、そのまま培養系として活用できるようになった。つまり、現場の酸化還元環境変化を最小限に抑えながら、高確度の脱窒速度を簡便な操作で求めることができるようになった。
近代以降の人間活動の拡大に伴って、地球表層環境中の固定態窒素(一般の植物が利用できる窒素)量は過剰となりつつあり、富栄養化や生態系の攪乱など様々な環境問題を引き起こしている。この固定態窒素は、海底堆積物や沈降粒子、貧酸素水塊などの嫌気的環境下で、脱窒によって除去されることから、脱窒速度の値やその経年変化は、環境問題の対策を考える上で重要な数字となる。本手法を用いて求められた確度の高い脱窒速度データが蓄積されることで、正確な固定態窒素の収支やその経年変化を様々な時空間スケールで見積もれるようになるので、地球環境研究一般の発展に大いに貢献する。 -
大気硝酸濃度を指標に用いた河川環境における窒素浄化能の高確度評価方法の開発と検証
研究課題/研究課題番号:19H04254 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中川 書子
担当区分:研究代表者
配分額:13650000円 ( 直接経費:10500000円 、 間接経費:3150000円 )
本研究では、河川水に溶存する硝酸の濃度と三酸素同位体組成から算出される大気硝酸濃度に着目し、この時空間変化を追跡することによって、河川環境下における脱窒速度を中心とした窒素循環速度を見積もる新手法を開発し、検証する。この新手法は天然トレーサーをそのまま使っており、人工トレーサーを添加したり培養したりすることなく自然の状態のまま河床を含めた河川環境全体の脱窒速度を定量できる画期的手法であり、あらゆる河川環境で利用できるポテンシャルがある。
本研究では、河川水に溶存する硝酸の濃度と三酸素同位体組成から算出される大気硝酸濃度に着目し、この時空間変化を追跡することによって、現場環境下における河川中の脱窒および同化・硝化速度の個別定量化に成功した。また、従来の培養法より求めた脱窒・同化速度と比較し、矛盾がないか検証した。この新手法は天然トレーサーをそのまま使っており、人工トレーサーを添加したり培養したりすることなく自然の状態のまま河床を含めた河川環境全体の脱窒速度を定量できる画期的手法である。
本研究の目的は、河川環境下における脱窒・硝化・同化速度の時空間変化を正確に実測する手法を開発することである。従来の河川環境における脱窒速度の推定は、生態系モデルを使った研究例や、アセチレン阻害法や人工同位体トレーサー法といった培養法を使った研究例が多く、実際の河川環境で自然の状態のまま脱窒速度を実測する手法は無かった。本研究が提案する新手法は、天然トレーサーを使っており、自然の状態のまま河床を含めた河川環境全体の窒素循環速度を定量できる。この新手法が確立することで、河川環境の窒素浄化能力やその規定因子に対する知見が深まり、関連する環境学、工学、農学、水産学など多くの分野の発展に貢献する。 -
極微量安定同位体を用いた水柱酸素消費速度実測:貧酸素水形成におけるその重要性実証
研究課題/研究課題番号:22H00561 2022年 - 2025年
角皆 潤
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
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窒素酸化物の三酸素同位体組成定量:オゾンを生成する窒素酸化物を判別する
研究課題/研究課題番号:23H03523 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中川 書子
担当区分:研究代表者
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
本研究は、大気中の二酸化窒素の生成反応を定量的に判別できる新指標として二酸化窒素および一酸化窒素の三酸素安定同位体組成に着目し、この実測に世界で初めて挑戦する。本研究が実現することで、対流圏オゾンの生成反応をはじめとした対流圏窒素酸化物の光化学反応過程を、既存の数値モデルとは独立に把握できる。既存の数値モデルの検証が実現し、より確度の高い将来予測につなげることができる。また、不均一反応のように、反応速度定数の決定が難しい反応が関与する場合でも、大気光化学反応過程が解明できる。これは大気光化学反応過程解析に革新的な進歩をもたらすものであり、大気化学や地球環境科学に新時代を切り拓く。
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研究課題/研究課題番号:22K19846 2022年6月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
中川 書子
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
本研究では、キャビティリングダウン型分光計(CRDS)を用いることで、強還元剤を一切使わない二酸化炭素の三酸素同位体組成の高精度自動分析システムを開発する。具体的には、二酸化炭素中の酸素原子を定量的に水化し、CRDSを用いてこの水の三酸素同位体組成を分析する。対流圏二酸化炭素についてこれを超高精度で分析し、海洋や陸上生態系との間の相互作用などの炭素循環を高確度で定量化する。本研究を成功させることで、二酸化炭素の三酸素同位体組成を地球環境科学の指標として広く活用することが出来る新時代を切り拓く。