2025/06/26 更新

写真a

ヤマナカ コウジ
山中 宏二
YAMANAKA Koji
所属
環境医学研究所 ストレス受容・応答研究部門 教授
副総長
大学院担当
大学院医学系研究科
職名
教授

学位 1

  1. 博士(医学) ( 2000年3月   京都大学 ) 

研究キーワード 8

  1. 筋萎縮性側索硬化症

  2. アルツハイマー病

  3. 認知症

  4. 神経炎症

  5. タンパク質分解

  6. グリア

  7. 神経病態生化学

  8. 神経変性疾患

現在の研究課題とSDGs 1

  1. 神経変性疾患・認知症の病態解明と治療法開発

経歴 8

  1. 名古屋大学   副総長

    2024年4月 - 現在

  2. 名古屋大学   副総長補佐

    2022年4月 - 2024年3月

  3. 名古屋大学   環境医学研究所   所長(センター長)

    2016年4月 - 2020年3月

  4. 名古屋大学   環境医学研究所   副所長

    2014年4月 - 2016年3月

  5. 名古屋大学 環境医学研究所 教授

    2013年4月 - 現在

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    国名:日本国

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学歴 2

  1. 京都大学   医学研究科

    1996年4月 - 2000年3月

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    国名: 日本国

  2. 京都大学   医学部   医学科

    1986年4月 - 1992年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 8

  1. 日本神経科学学会   理事長

    2023年7月 - 現在

  2. 日本神経学会   代議員

    2017年5月 - 現在

  3. 日本神経免疫学会   理事

    2022年1月 - 現在

  4. 日本神経化学会   評議員

  5. 日本生化学会   評議員

    2020年9月 - 現在

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受賞 2

  1. 2013年度 日本神経学会賞 学術研究部門

    2013年   日本神経学会  

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    受賞国:日本国

  2. Carrier Development Award

    2004年   米国 筋ジストロフィー協会  

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    受賞国:アメリカ合衆国

 

論文 107

  1. ALS-linked mutant TDP-43 in oligodendrocytes induces oligodendrocyte damage and exacerbates motor dysfunction in mice 査読有り

    Horiuchi, M; Watanabe, S; Komine, O; Takahashi, E; Kaneko, K; Itohara, S; Shimada, M; Ogi, T; Yamanaka, K

    ACTA NEUROPATHOLOGICA COMMUNICATIONS   12 巻 ( 1 ) 頁: 184   2024年11月

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    担当区分:最終著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1186/s40478-024-01893-x

    Web of Science

    PubMed

  2. Microglial cannabinoid receptor type II stimulation improves cognitive impairment and neuroinflammation in Alzheimer's disease mice by controlling astrocyte activation 査読有り

    Sobue, A; Komine, O; Endo, F; Kakimi, C; Miyoshi, Y; Kawade, N; Watanabe, S; Saito, Y; Murayama, S; Saido, TC; Saito, T; Yamanaka, K

    CELL DEATH & DISEASE   15 巻 ( 11 ) 頁: 858   2024年11月

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    担当区分:最終著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1038/s41419-024-07249-6

    Web of Science

    PubMed

  3. Dimethyl fumarate improves cognitive impairment and neuroinflammation in mice with Alzheimer's disease 査読有り Open Access

    Wang, T; Sobue, A; Watanabe, S; Komine, O; Saido, TC; Saito, T; Yamanaka, K

    JOURNAL OF NEUROINFLAMMATION   21 巻 ( 1 ) 頁: 55   2024年2月

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    担当区分:最終著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1186/s12974-024-03046-2

    Open Access

    Web of Science

    PubMed

  4. Genetic background variation impacts microglial heterogeneity and disease progression in amyotrophic lateral sclerosis model mice 査読有り Open Access

    Komine, O; Ohnuma, S; Hinohara, K; Hara, Y; Shimada, M; Akashi, T; Watanabe, S; Sobue, A; Kawade, N; Ogi, T; Yamanaka, K

    ISCIENCE   27 巻 ( 2 ) 頁: 108872   2024年2月

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    担当区分:最終著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1016/j.isci.2024.108872

    Open Access

    Web of Science

    PubMed

  5. Mitochondria- associated membrane collapse impairs TBK1-mediated proteostatic stress response in ALS 査読有り

    Watanabe, S; Murata, Y; Oka, Y; Oiwa, K; Horiuchi, M; Iguchi, Y; Komine, O; Sobue, A; Katsuno, M; Ogi, T; Yamanaka, K

    PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA   120 巻 ( 47 ) 頁: e2315347120   2023年11月

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    担当区分:最終著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.1073/pnas.2315347120

    Web of Science

    PubMed

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書籍等出版物 58

  1. 神経難病ALSの克服を期待して. 特集:筋萎縮性側索硬化症(ALS)のUp to Date. ファルマシア

    山中宏二( 担当: 分担執筆)

    日本薬学会  2024年5月 

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    担当ページ:375   記述言語:日本語

  2. 筋萎縮性側索硬化症と免疫系. 炎症と免疫.

    小峯 起、山中宏二( 担当: 共著)

    先端医学社  2023年9月 

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    担当ページ:449-453   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  3. ミクログリアとアストロサイトによる神経炎症:神経変性疾患の視点から. 脳神経内科

    遠藤史人、山中宏二( 担当: 共著)

    科学評論社  2023年 

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    担当ページ:812-818   記述言語:日本語 著書種別:学術書

  4. ミクログリアと神経変性疾患. 実験医学増刊「シン・マクロファージ あらゆる疾患を制御する機能的多様性」

    川出野絵、山中宏二( 担当: 共著)

    羊土社  2022年3月 

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    記述言語:日本語 著書種別:学術書

  5. 筋萎縮性側索硬化症とグリア. 脳神経内科 (特集 筋萎縮性側索硬化症)

    大岩康太郎、山中宏二( 担当: 共著)

    科学評論社  2022年 

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    担当ページ:207-212   記述言語:日本語 著書種別:学術書

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MISC 1

  1. The regulation of glucose metabolism by astrocytes in diet induced obesity mice

    Sugiyama M., Banno R., Sun R., Yaginuma H., Taki K., Takagi H., Ito Y., Yamanaka K., Arima H.  

    DIABETOLOGIA63 巻 ( SUPPL 1 ) 頁: S266 - S266   2020年9月

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    記述言語:日本語  

    Web of Science

講演・口頭発表等 206

  1. 神経変性疾患における神経炎症の役割 招待有り

    山中宏二

    名古屋市立大学 第14回 NCU Life Science Seminar  2020年12月10日  名古屋市立大学

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    開催年月日: 2020年12月

    会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

    開催地:名古屋市  

  2. ADにおけるミクログリアのカンナビノイド受容体2型を介した神経炎症調節について

    祖父江 顕、小峯 起、遠藤史人、村山繁雄、斉藤貴志、西道隆臣、山中宏二

    第39回日本認知症学会学術集会 

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    開催年月日: 2020年11月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:名古屋市   国名:日本国  

  3. 認知症早期発見と創薬への行動薬理学研究者の挑戦 招待有り

    溝口博之、山中宏二

    第30回日本医療薬学会年会シンポジウム 55【研究】 新たな診断・治療法を創出し難治性疾患の克服に挑む  2020年10月 

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    開催年月日: 2020年10月 - 2020年11月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

  4. ミクログリアと神経変性疾患

    山中宏二

    第32回日本神経免疫学会学術総会シンポジウム「ミクログリア:基礎・臨床研究の最先端」 

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    開催年月日: 2020年10月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:Web開催   国名:日本国  

  5. グリア―免疫連関からみた神経変性疾患

    山中宏二

    第63回日本神経化学会大会シンポジウム 

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    開催年月日: 2020年9月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:Web開催   国名:日本国  

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共同研究・競争的資金等の研究課題 19

  1. 神経炎症に着目した認知症・神経変性疾患の分子病態解明と治療シーズ開発

    2021年7月 - 2025年3月

    AMED 脳とこころの研究推進プログラム 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

  2. 脳-末梢臓器連関に着目したアルツハイマー病における臓器間ネットワークの解明とヒトへのトランスレーションによるリスク予見法の創出

    2021年4月 - 2025年11月

    ムーンショット型研究開発事業 

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    担当区分:研究分担者 

  3. TDP-43を標的とした筋萎縮性側索硬化症の分子病態解明と制御

    2020年4月 - 2023年3月

    AMED 難治性疾患実用化研究事業 

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    資金種別:競争的資金

  4. 神経炎症制御を標的としたアルツハイマー病の治療薬シーズ探索

    2016年11月 - 2021年3月

    AMED 脳科学研究戦略推進プログラム「融合脳」 

    山中宏二

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    資金種別:競争的資金

  5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)新規治療法開発をめざした病態解明

    2015年4月 - 2016年3月

    日本医療研究開発機構(AMED)研究費 難治性疾患実用化研究事業 

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    資金種別:競争的資金

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科研費 14

  1. TDP-43病理形成・分解機序に着目した筋萎縮性側索硬化症の分子病態解明と制御

    研究課題/研究課題番号:22H00467  2022年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    山中 宏二, 岡田 洋平

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:41470000円 ( 直接経費:31900000円 、 間接経費:9570000円 )

    運動神経を傷害する神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病巣では、TDP-43タンパク質が異常蓄積することが病理学的特徴として知られ、TDP-43病理と呼ばれている。本研究課題では、モデル動物やiPS細胞モデルの開発、オルガネラやグリア細胞病態を手がかりに、ALSにおけるTDP-43病理の形成機序や、TDP-43等の病原タンパク質の新たな分解メカニズムを明らかにして、ALSにおける神経変性機序の解明と治療法開発を目指す。
    本研究では以下の3つの研究計画を実施した。
    1)TDP-43病理形成メカニズムの解明とTDP病理を再現する新規ALSモデル動物の開発:ALS死後脳解析によりTDP-43の多量体化の低下,つまり単量体化の亢進が孤発性ALSの脳・脊髄組織で認められることや,そのTDP-43病理形成における分子メカニズム、さらに各種ストレスによって単量体化が促進することを明らかにして、これらの成果を論文発表できた。TDP-43病理を再現する新規モデルマウスを繁殖し、各種Creマウスとの交配により、変異TDP-43が脊髄組織に発現することを確認し、予備的な組織解析データを取得するとともに、加齢依存性の表現形を解析するため、観察を続けている。
    2)オリゴデンドロサイトに着目したALSにおける「非自律性」神経変性機序の解明:
    代表者は,オリゴデンドロサイト特異的にTDP-43を発現するマウス脊髄から単離したオリゴデンドロサイトにおいてRNAシーケンスにより網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、脂質代謝や髄鞘関連の遺伝子の多くに発現異常を認めた。また、加齢により、大脳白質の髄鞘の異常や脊髄前角にグリオーシスを認めることが判明した。
    3)TBK1による新たなTDP-43分解機構の同定と異常タンパク質分解を標的とした疾患修飾療法開発:今年度は、ALSの脳・脊髄組織におけるALS原因遺伝子産物であるTBK1活性の低下を見出した。さらに、小胞体・ミトコンドリア接触領域(MAM)の破綻がTBK1の活性低下を引き起こして、運動神経細胞のタンパク質ストレス応答異常を引き起こすことを解明した。以上の研究成果を論文発表した。
    研究成果を2報のハイインパクト雑誌に報告できた。また、モデル動物の解析が順調に進捗している。
    モデル動物の解析は時間を要することが想定されるため、計画的に繁殖や解析を行うように留意する。

  2. タンパク質の構造生物学に基づいた筋萎縮性側索硬化症の分子病態解明と治療法開発

    研究課題/研究課題番号:19KK0214  2019年10月 - 2025年3月

    JSPS  科学研究費助成事業  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

    山中 宏二, 渡邊 征爾, 祖父江 顕

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:18330000円 ( 直接経費:14100000円 、 間接経費:4230000円 )

    本研究課題は、英国リバプール大学の構造生物学研究チームと共同で病因タンパク質の構造生物学的知見に基づいた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分子病態解明と新規治療法の開発を目指す。具体的に、2種類のALS原因タンパク質SOD1、TDP-43に着目し、SOD1については、その立体構造を安定化することにより疾患の進行を抑制する化合物の開発を行う。TDP-43については、ALSで見られる病理像の鍵となるTDP-43タンパク質の構造異常を英国チームと共同で解析する。本国際共同研究を通じて、新たな視点でのALSの病態解明、治療法開発や、異分野を俯瞰する国際的に視野の広い若手研究者の育成が期待される。
    1) ALS原因蛋白質SOD1の立体構造を安定化させて疾患の進行を抑制する化合物の開発:
    二量体として存在するSOD1はALS疾患変異の導入によりその構造異常を来すことが知られている。英国チームは,低分子化合物エブセレンを構造展開してより良い候補化合物を複数合成することに成功した。本邦チームは,昨年度までに一部のエブセレン類縁化合物が変異タンパク質による神経毒性に対する軽減効果を発揮することを培養神経細胞において見出している。そこで,SOD1G93Aマウスに対するエブセレン誘導体の神経保護効果を検討した。エブセレン誘導体の慢性経口投与により,遺伝性ALSモデルマウスの発症時期を有意に遅延させ,神経筋接合部の脱神経所見の改善,脊髄における変異SOD1オリゴマーの蓄積を軽減することを見出した。これらの研究結果を,英国チームと共同で論文投稿中であり,必要な追加実験を行った。
    2) 単量体TDP-43の分子の生物物理学的性状解析と立体構造解析:
    本邦チームは,TDP-43の単量体化によりALSに特徴的なTDP-43病理である,タンパク質の局在異常とリン酸化TDP-43の異常凝集が惹起されることを見出している。今年度は,この単量体型TDP-43タンパク質の機能解析と単量体化メカニズムについて検討を続けている。さらに,TDP-43の多量体化の低下,つまり単量体化の亢進が孤発性ALSの脳・脊髄組織で認められることや,そのTDP-43病理形成における分子メカニズムについて明らかにした。これらの成果を論文発表した。
    今年度も,英国における共同研究・実験実施のため,英国への渡航を計画していたが延期した。その間,Web会議等によって共同研究に関して継続的に打合わせを行っている。
    COVID-19により英国への渡航が延期になったため,ALS原因蛋白質SOD1の立体構造を安定化させて疾患の進行を抑制する化合物の開発に関する実験計画は遅延した。一方で、TDP-43に関する研究成果を論文発表することができた。
    双方の研究チームがWeb会議等によって密に連携して、各チームの担当課題を進めるように努める。また,相互に研究交流が再開できるように努める。ただし,当該国の感染状況悪化や大学の活動制限が再度発生した場合には研究計画の変更を検討する。

  3. TBK1遺伝子ネットワークから解明するALSの分子病態とその制御

    研究課題/研究課題番号:18H02740  2018年4月 - 2022年3月

    JSPS  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    山中 宏二, 高橋 英機

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )

    本研究課題では、ALSの原因遺伝子として同定されたTBK1について機能解析を行った。TBK1は、神経炎症、タンパク質代謝において2面的な役割を持つことが示唆されている。運動神経変性におけるTBK1の役割を明らかにするため、ALSモデルマウスや神経損傷モデルにおいてTBK1二重欠失モデル(TBK1-DKO)を作成して機能解析を行った。TBK1-DKOでは、ALSや神経損傷モデルにおいて神経炎症の軽減傾向を認めた。また、ミトコンドリア・小胞体接触部(MAM)において、TBK1が活性化されることや、タンパク質恒常性ストレス応答においてMAMに局在する活性型TBK1が関与することが示唆された。
    本研究課題では、運動神経を傷害する指定難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子として同定されたTBK1について機能解析を行った。免疫系の分子として知られていたTBK1が、ALSの神経変性にどのように関与するかは不明であった。本研究を通じて、TBK1が神経炎症の調節およびタンパク質のストレス応答に寄与することや、ALSモデルマウスにおいてTBK1活性が低下していることを見出した。将来的にTBK1の活性調節を標的としたALSの治療法開発につながることが期待される。

  4. 小胞体・ミトコンドリア連関に着目した運動神経変性機序の解明

    研究課題/研究課題番号:18H04860  2018年4月 - 2020年3月

    文部科学省  科学研究費補助金  新学術領域研究(研究領域提案型)

    山中 宏二

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:7410000円 ( 直接経費:5700000円 、 間接経費:1710000円 )

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)における、オルガネラゾーンとしての小胞体・ミトコンドリア接触部(MAM)の関与は、それぞれのオルガネラ異常仮説を統合的に説明できる病態機序として注目されている。これまでに代表者は、MAMに局在するタンパク質、Sigma1受容体(Sigma1R)に注目し、SIGMAR1、SOD1変異によるALSモデルで共通してMAMの破綻を見出したことから、MAMの破綻がALSにおける神経変性に広く共通する分子メカニズムとなる可能性を示してきた。本研究課題では、1) ALSの運動神経細胞における MAMの破綻に至る分子機構の解明、2)MAM破綻の下流経路の解明:神経変性に関わる分子カスケードの同定を目指す。
    2019年度は、昨年度までに開発したMAMの状態を可視化、定量する技術を用いて研究をすすめた。分割蛍光タンパク質あるいは分割ルシフェラーゼを安定的に発現する神経細胞株を樹立した。そのうち、分割ルシフェラーゼの系は、安定的に発光によりMAMを定量検出が可能であること、また可逆性が担保できることからMAMの評価系として有用であることが判明した。さらに、ALS原因遺伝子発現ライブラリ(約20遺伝子)を用いて、MAMの破綻がALS原因遺伝子を発現させた際に共通して惹起されることを見出した。さらに、MAM破綻に関わる候補分子を同定するため、Sigma1受容体の近傍分子を網羅的にビオチン化する系(APEX2-Sigma1R)を用いた質量分析により、MAM維持に関わる候補分子を同定した。これらのうち神経疾患の病態に関与する分子を複数見出しており、その病態形成への意義について研究を進めている。
    令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
    令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  5. グリア・末梢免疫連関の制御を通じた神経変性機序の解明と治療標的同定

    研究課題/研究課題番号:16H01336  2016年4月 - 2018年3月

    文部科学省  科学研究費補助金  新学術領域研究(研究領域提案型)

    山中 宏二

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:8840000円 ( 直接経費:6800000円 、 間接経費:2040000円 )

    本研究では、免疫学的背景の異なる2種類のSOD1変異ALSモデルマウスを作成して、それらの分子病態を比較することを通じて、神経変性疾患の病態と末梢免疫反応との連関の解明を目的とする。
    末梢免疫背景の異なる細胞性免疫(Th1)優位なC57BL/6系統、及び液性免疫(Th2)優位なBalb/c系統の2種類のALSモデル(以下G93A(B6)、G93A(Balb))マウスを作成し、生存解析を行った。G93A(Balb)マウスの平均生存期間は、G93A(B6)マウスに対して有意に短縮した (G93A(Balb): 199.1 days; G93A(B6): 224.6 days, n=17-18)。次に、病態への関与が予想される遺伝子群の脊髄における発現を比較し、G93A(Balb)マウスにおいてケモカインや神経栄養因子の発現が低いことを見いだした。また、G93A(Balb)マウスでは、G93A(B6)と比較して免疫細胞の脊髄内浸潤がほとんど起こらず、脊髄内の活性化ミクログリアの細胞数の低下がみられた。その機序の一端として、発症後のG93A(Balb)マウスにおいて、ミクログリアの細胞死が亢進していた。一方、遺伝的背景による影響を検証するため、C57BL/6マウス及びBalb/cマウス由来の初代培養ミクログリアを比較したが、細胞増殖率に差は見られなかった。さらに、血清中の免疫・炎症関連分子の発現解析を行ったところ、G93A(Balb)マウスの末梢血におけるケモカインやある種のサイトカインの低下傾向を認めた。
    以上の結果から、G93A(B6)マウスとG93A(Balb)マウスにおけるミクログリアの表現型や病態の差異は遺伝的背景によるものではなく、免疫反応など神経組織外の環境に由来することが示唆された。
    29年度が最終年度であるため、記入しない。
    29年度が最終年度であるため、記入しない。

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担当経験のある科目 (本学) 5

  1. 自然環境と人間

    2021

  2. 自然環境と人間

    2020

  3. 自然環境と人間

    2016

  4. 自然環境と人間

    2015

  5. 自然環境と人間

    2014

担当経験のある科目 (本学以外) 13

  1. 特別講義「生命情報伝達 II」

    2020年9月 神戸大学)

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    科目区分:学部専門科目  国名:日本国

  2. 基礎と老年病学の融合セミナー

    2017年7月 - 現在 滋賀医科大学)

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    科目区分:大学院専門科目 

  3. 脳科学特論:運動系—生理と病態

    2012年4月 - 2013年3月 埼玉大学)

  4. 神経変性疾患ALSにおける非細胞自律性の神経細胞死

    2011年4月 - 2012年3月 東京大学)

  5. 運動神経変性の分子メカニズム

    2011年4月 - 2012年3月 広島大学)

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社会貢献活動 4

  1. ALSにおけるTDP-43病理の形成機序

    役割:出演, 講師

    東邦大学  第7回 ALS Cafe Web  2023年10月

  2. 基礎研究から切り開くALSへの挑戦

    役割:講師

    ALS Café webセミナー(東邦大学)  2021年6月

  3. 第10回ALS自立支援千葉東葛ネットワーク会議 講演会

    役割:講師

    2014年11月

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    対象: 市民団体

  4. 東京都神経科学総合研究所 神経科学セミナー

    2004年6月

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    遺伝性ALS update-SOD1, ALS, and Lou Gehrig

メディア報道 1

  1. 名古屋大研究グループがALS関与タンパク質異常を発見 テレビ・ラジオ番組

    NHK  NHK 東海ニュース  2023年10月

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    執筆者:本人