科研費 - 伊丹 健一郎
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研究課題/研究課題番号:19F19811 2019年11月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
伊丹 健一郎, STEPEK IAIN, 伊丹 健一郎, STEPEK IAIN
担当区分:その他
縮環π拡張反応(APEX反応)は不活性な多環芳香族炭化水素(PAH)の炭素水素結合を直接的に変換して新たに縮環芳香環を構築する手法であり、ナノグラフェンやグラフェンナノリボンの一段階合成が行える手法である。従来のAPEX反応では、K領域、bay領域といったアームチェア端方向への拡張のみ可能であっため、合成できるナノグラフェンの構造多様性が乏しい問題点があった。本研究では、様々な遷移金属触媒やアリール化剤を駆使し、これまで開発されていなかったPAHのM領域、L領域いった領域での選択的APEX反応の新規開発を目指す。
まず「(1)L領域選択的縮環π拡張反応(APEX反応)」の研究テーマは、入手容易な多環芳香族炭化水素(PAH)に対して、一段階で芳香環の拡張が行える縮環π拡張反応(APEX反応)を行うことで、より複雑な縮環構造をもつPAHやナノグラフェンを合成する研究であり、最も困難で前例のない芳香環のL 領域(ナフタレンのペリ位)への縮環π拡張は困難を極めた。まず種々アリール化剤や触媒の検討を行い、L領域の直接アリール化を行うことに成功した。しかし、一段階での縮環構造の構築(APEX反応)の開発に至らなかった。これらは今後も研究室内で検討する予定である。
つづいて、特に七員環を含む多環芳香族炭化水素、ナノグラフェン、含ヘテロ多環芳香族化合物の効率的合成法の確立を目指し、(2)7員環を含む多環芳香族化合物の新規合成法の開発、に取り組んだ。本研究は、これまで合成例や合成手法に乏しい含七員環縮環化合物の新規合成法の確立を目指す研究である。パラジウム触媒による芳香環の分子内C-H/C-Brカップリング反応を開発し、これを足がかりとして様々な含七員環芳香環やその前駆体の合成に成功した。本研究は当研究室の修士課程学生との共同研究でもあり、今後さらに検討を進めて2021年度中の論文投稿に向けて準備を進めている。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:19H05463 2019年4月 - 2022年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別推進研究
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
配分額:638950000円 ( 直接経費:491500000円 、 間接経費:147450000円 )
本研究では、ナノメートルサイズの炭素物質(ナノカーボン)を構造的に純粋な「分子」として設計・合成するとともに、それらを基盤とした構造体を構築することで、構造が精密に定まった未踏のナノカーボンを創製する。従来のナノカーボン科学が抱える「混合物問題」に根本的な解決策を提示し、「分子ナノカーボン科学」という新分野の確立と日本発のカーボン・イノベーションをめざす。
ナノカーボンの分子科学・ナノグラフェンの精密合成を目指した研究に非常に大きな進展が見られた。カーボンナノベルトの面にひねりを加えた「メビウスカーボンナノベルト」の合成に成功した。この化合物はキラルカラムによる分取およびCDスペクトル測定に成功し、メビウスのひねりに相当するトポロジカルキラリティを実験的に観測した。またケクレンの構造異性体かつ同一トポロジーを持った化合物でありながら、無限形の全く新しい構造をもったinfiniteneの合成を達成した。
新たな種類のナノカーボン分子の合成も達成している。今回シクロパラフェニレン(CPP)における全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロCPP(PF[n]CPPs, n = 10, 12, 14, 16)の合成に成功した。これらは環状ニッケル錯体を経由することにより、ワンポット2段階で合成できる。またそれらがCPPとは異なる結晶パッキング構造を有することや、低温における燐光を発することを明らかにした。
また無修飾の芳香族系高分子を合成する新たな手法の開発を行った。デンドリマー状の構造を有する担体を新たに設計し、その上で重合反応を行うことによって、最大で17個の芳香環からなる無修飾ポリチオフェンの合成をはじめ、種々のポリアリーレンの合成に成功した。また、シリカゲルやタンパク質などに対し、デンドリマー上からポリアリーレンをトランスファーさせる手法を確立し、難溶性高分子を無機材料や生体材料に結合させる技術の開発にも成功している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:19F19032 2019年4月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
伊丹 健一郎, CHAOLUMEN, CHAOLUMEN, 伊丹 健一郎, CHAOLUMEN, CHAOLUMEN
担当区分:その他
非ヘキサゴナルナノグラフェンは六員環であるベンゼン環以外に五、七、八員環をもったナノグラフェンであり、環の種類や数によって局所的な電荷の非局在化や、平面構造 、湾曲構造に大きな違いが生まれ、半導体特性やスピン磁性に劇的な変化が生まれるため大変魅力的である。本研究では、アズレンのように既に五員環や七員環を含む縮環構造をテンプレートとして、カップリング反応やC-Hアリール化反応、脱水素芳香族化反応などを駆使しながらこれまで合成されたことがない新奇非ヘキサゴナルナノグラフェンの合成を目指す。非ヘキサゴナル環を含むことによる構造的・電子的違いについても明らかにし、有機電子デバイスへの応用可能性を探る。
本年度、5、6、7員環を含む平面ナノカーボンの合成に着手した。入手容易なアズレンを出発原料に、前年度の軸不正ヘリカルナノカーボン合成の研究で見出したカップリング反応、脱水素環化反応を駆使することで、アセン骨格、五員環、七員環を持った新しい平面ナノカーボンの合成に成功した。本化合物はアズレン骨格とアセン骨格をもった化合物であり、高い平面性を有している。ベンゼン環のわずかな縮環様式の違いで、青、赤、黄、緑といった様々な色を呈していることがわかり、DFT計算によるHOMO,LUMO計算、サイクリックボルタメトリー測定による酸化還元挙動、モノカチオンのX線結晶構造解析などによって、基本的な物性を明らかにした。本研究に関して、現在論文にまとめる準備を行なっており、2021年度中の論文投稿を予定している。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。 -
多環芳香族の精密合成を基盤とする遷移金属とのハイブリッド触媒の創生
研究課題/研究課題番号:18F18772 2018年11月 - 2021年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
伊丹 健一郎, GONZALEZ MIERA GRECO, 伊丹 健一郎, GONZALEZ MIERA GRECO
担当区分:その他
昨年度より、研究目標である「配位性を有する多環芳香族の合成」を達成するための戦略を切り替えている。これまで含窒素六員環ヘテロ芳香環の環化二量化に取り組んだが、狙いとする生成物を効率的に得ることは難しかった。加えて、標的分子は完全な平面分子であるため溶解性が十分ではないと予想させる。そこで、八員環を含むヘテロ芳香環化合物の合成に狙いを変えた。一般に八員環を含む分子は高度に湾曲しており、分子量が大きくなった場合にも良好な溶解性を示す。合成戦略としては多環芳香族炭化水素の二量化による八員環形成をおこなった後、ヘテロ芳香環を付加することとした。
本年度は、昨年度合成を達成した含八員環芳香族化合物の合成量を増やすと同時に、溶液中の光物性の測定を目指した。本合成経路はテトラアリールシクロペンタジエノンとアルキン部位を有するジクロロビアリールのDiels-Alder反応、続く分子内環化と八員環構築を伴う環化二量化反応、最後に酸化剤を用いる縮環反応からなる。合成量を増やすため、合成経路で一番の鍵となる環化二量化の条件検討を行なった。種々パラジウム触媒等のパラメーターの検討をおこなったが、収率が安定しないことが明らかになった。今後はより詳細な条件検討、反応メカニズムの解明が必要である。将来的には今回提案した合成経路だけでなく、ヘテロ芳香環を有する基質に対する環化二量化を実現し、複数の配位点を有するPAHの合成を目指していく。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:18F18033 2018年4月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
伊丹 健一郎, LI YUANMING, 伊丹 健一郎, LI YUANMING
担当区分:その他
フェナントレン骨格は有機エレクトロニクスから創薬科学まで広く用いられる構造モチーフであり、これまでに数多くの官能基化手法が改札されてきた。しかし、4位ならびに5位に置換基を有するフェナントレン誘導体は立体的にひずんだ構造を有しており、その合成法は非常に限られていた。例えば4,5-ジフェニルフェナントレンの合成法は4または5段階を有し、低収率でしか目的物が得られないことが知られている。我々は「可視光によって促進されるアレーン類の脱水素環化反応」を探究する中で、最近、新たな4,5-ジアリールフェナントレンの合成手法の開発に成功している。B(C6F5)3を触媒として用いることで、1,4-ベンゼンジアセトアルデヒドおよび2当量のアリールアルキンの縮合により4,5-ジアリールフェナントレンを得た。そこで本年度は、引き続き「可視光によって促進されるアレーン類の脱水素環化反応」を探究しつつ、新たに開発した4,5-ジアリールフェナントレンの合成手法を用いて新規ナノカーボン分子の合成を行った。2分子の4,5-ジアリールフェナントレンと2分子のメタ置換芳香環(スペーサー分子)を組み合わせることで、歪んだ構造を有する新規環状分子の合成に成功した。スペーサー分子として様々な芳香環分子を組み合わせることで、ソルバトフルオロミズムやAggregation-induced emissionなど多様な機能を有する環状分子を合成することができた。また、その環状分子群の構造的特徴を具に調査し、結晶構造に与える影響や歪みエネルギーについて考察を行った。一連の研究は論文としてまとめ、2020年2月にJournal of the American Chemical Society誌に掲載された。現在、環状分子をユニットとして用いることで、さらなる新規分子群の合成を行っている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。 -
研究課題/研究課題番号:17F17805 2017年11月 - 2020年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
伊丹 健一郎, KRZESZEWSKI MACIEJ, 伊丹 健一郎, KRZESZEWSKI MACIEJ
担当区分:その他
当初2年間の研究計画で想定していた「(1)APEX反応による新奇π拡張ヘリセンの一段階合成」の研究テーマは、入手容易な多環芳香族炭化水素に対して、一段階で芳香環の拡張が行える縮環π拡張反応(APEX反応)を行うことで、これまでにない高度に縮環してねじれたπ拡張ヘリセン類を合成する研究であったが、当初の計画と目的を1年半程度で完遂することができた。特にpenatbenzo[7]heliceneをはじめとする新奇ヘリセン類をたったの一段階で得られたことは合成化学的にみて革新的である。これら化合物群は構造有機化学的にみても非常に興味深い湾曲構造をとっていることがわかり、得られた研究成果について、2019年7月に札幌で行われた第18回Internationali Symposium on Novel Aromaticsでのポスター発表を行った。また現在論文投稿の準備がほぼ完了している。
つづいて、「(2)無限形縮環π共役ナノカーボン「infinitene」の合成」を目指した。本化合物は穴の空いた6角形分子kekuleneの構造異性体であるが、∞形のねじれた構造をもつ分子であり、これまで合成された子がない湾曲多環芳香族炭化水素である。本化合物はねじれた構造および無限形のかたちによる興味深い電子物性や構造的特徴をもつと予想されていたが、合成的な難易度からこれまで合成されたことがない化合物である、各種光物性や構造解析を行った。X線構造解析により、infiniteneのシンプルで美しい対称構造があきらかになり、すでに知られているkekuleneとは全くことなる性質を示すことが明らかとなった。本研究に関してもすでに論文を執筆し終えた段階であり、まもなく論文投稿を予定している。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。 -
オルガネラソート技術開発によるミトコンドリア母性遺伝の分子メカニズムの解明
研究課題/研究課題番号:15K14559 2015年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
佐々木 成江, 伊藤 英人, 伊丹 健一郎, 浦川 直樹, 中村 聡, 佐々木 妙子, 田中 頼子
担当区分:連携研究者
ミトコンドリアの母性遺伝は、様々な真核生物に共通に見られる現象である。本研究では、母性遺伝の鍵分子であるDNAヌクレアーゼを同定するために、大型のミトコンドリア核様体を持つ真正粘菌を用い、セルソーターを応用した「オルガネラソーター」の技術を開発し、接合子内でDNAが消去されつつある父方由来のミトコンドリア分画を目指した。しかし、回収段階でミトコンドリアが破壊されてしまうため、分画せずにミトコンドリア内のタンパク質をnanoLC-MS/MSを用いたショットガンプロテオミクスにより解析した。その結果、エンドヌクレアーゼGを含む9種類のDNAヌクレアーゼを同定することができた。
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時計タンパク質制御分子の創製と機能解析から概日時計機構に迫る
研究課題/研究課題番号:15H05590 2015年4月 - 2018年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A)
廣田 毅, 伊丹 健一郎, 佐藤 綾人, 桑田 啓子
概日時計は分子から個体の各階層を時間・空間的に統合して生理現象の日内リズムを生み出す。本研究では概日時計の周期制御に中心的な役割を果たすPERとCRYの安定性および複合体形成に焦点を当て、これらのプロセスを狙った機能調節化合物を探索し、CRY1に選択的に作用する全く新しい化合物を発見した。並行してSUMO化修飾に注目した解析を行い、CRYのSUMO化を見出した。独自のツールを用いて概日時計の発振機構の解明と自在な機能操作を可能にしていく。
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炭素ー水素結合変換による統合的合成化学の開拓
2009年 - 2014年3月
科学研究費補助金 若手研究(S),課題番号:21675002
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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炭素-水素結合活性化のための協奏機能触媒の開発と応用
2008年
科学研究費補助金 特定領域研究,課題番号:20037026
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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炭素-水素結合活性化のための協奏機能触媒の開発と応用
2008年
科学研究費助成事業 特定領域研究,課題番号:20037026
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ユビキタス結合の触媒的直接変換法の開発と応用
2007年
科学研究費補助金 若手研究(A),課題番号:19685012
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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新しい炭素ー水素結合活性化触媒の開発と有機エレクトロニクス材料合成への応用
2007年
科学研究費補助金 特別研究員奨励費,課題番号:69007778
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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金属ナノ粒子触媒を用いた芳香環炭素ー水素結合の直接変換法の開発
2007年
科学研究費補助金 特別研究員奨励費,課題番号:69007350
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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ヘテロ芳香環の直接アリール化に基づく機能性オリゴアレーン類の合成
2007年
科学研究費補助金 特別研究員奨励費,課題番号:69007829
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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ヘテロ芳香環の直接アリール化に基づく機能性オリゴアレーン類の合成
2007年
科学研究費助成事業 特別研究員奨励費,課題番号:69007829
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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新しい炭素ー水素結合活性化触媒の開発と有機エレクトロニクス材料合成への応用
2007年
科学研究費助成事業 特別研究員奨励費,課題番号:69007778
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ユビキタス結合の触媒的直接変換法の開発と応用
2007年
科学研究費助成事業 若手研究(A),課題番号:19685012
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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機能性π電子系の多様性指向合成
2004年
科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号:16750119
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者
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機能性π電子系の多様性指向合成
2004年
科学研究費助成事業 若手研究(B),課題番号:16750119
伊丹 健一郎
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金