2025/04/01 更新

写真a

カジワラ ヨシミツ
梶原 義実
KAJIWARA Yoshimitsu
所属
大学院人文学研究科 附属人類文化遺産テクスト学研究センター 教授
大学院担当
大学院人文学研究科
学部担当
文学部
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教授
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学位 2

  1. 博士(文学) ( 2010年1月   京都大学 ) 

  2. 文学修士 ( 1999年3月   京都大学 ) 

研究キーワード 1

  1. 国分寺 古代寺院 瓦 造瓦組織 手工業生産史

研究分野 1

  1. 人文・社会 / 考古学  / 日本考古学

現在の研究課題とSDGs 5

  1. 国分寺造瓦組織に関する研究

  2. 古代寺院の選地と景観に関する研究

  3. 考古学における人工知能技術の活用に関する研究

  4. 中世における地方造瓦組織に関する研究

  5. 東海地域の窯業生産に関する研究

経歴 4

  1. 名古屋大学   准教授

    2017年4月 - 2021年3月

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    国名:日本国

  2. 名古屋大学   准教授

    2010年4月 - 2017年3月

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    国名:日本国

  3. 名古屋大学   講師

    2003年10月 - 2010年3月

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    国名:日本国

  4. 京都大学   助手

    2001年4月 - 2003年9月

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    国名:日本国

学歴 3

  1. 京都大学   文学研究科   考古学

    1999年4月 - 2001年3月

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    国名: 日本国

  2. 京都大学   文学研究科   考古学

    1997年4月 - 1999年3月

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    国名: 日本国

  3. 京都大学   文学部   史学科

    1993年4月 - 1997年3月

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    国名: 日本国

所属学協会 12

  1. 日本考古学協会

  2. 考古学研究会   全国委員

    2007年4月 - 現在

  3. 日本考古学会

  4. 史学研究会

  5. 物質文化研究会   監査委員

    - 現在

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委員歴 3

  1. 古代瓦研究会   幹事  

    2022年4月 - 現在   

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    団体区分:学協会

  2. 考古学研究会   全国委員  

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    団体区分:学協会

  3. 物質文化研究会   監査委員  

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    団体区分:学協会

受賞 2

  1. 第7回住田古瓦・考古学研究奨励賞

    2019年1月   公益財団法人交通研究協会  

    梶原義実

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    受賞区分:出版社・新聞社・財団等の賞  受賞国:日本国

  2. 第1回名古屋大学石田賞

    2012年11月   名古屋大学  

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    受賞国:日本国

 

論文 69

  1. Iconographic analysis of ancient roof tiles using a data science approach 招待有り 査読有り

    Yoshimitsu KAJIWARA, Wanwan ZHENG, Yasutomo KAWANISHI

    The Indonesian Journal of Social Studies   2024 巻 ( 7 ) 頁: 41 - 49   2024年7月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

  2. 地方からみた瓦窯の構造ー国分寺創建期を中心にー 招待有り

    梶原義実

    瓦窯の構造研究     頁: 275 - 290   2024年5月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   掲載種別:論文集(書籍)内論文  

  3. 七堂伽藍、前から見るか?横から見るか?(1)-景観的見地からみた国分寺における伽藍配置の選択 東国編-

    梶原義実

    列島の考古学Ⅲ 渡邊誠先生追悼論集     頁: 337 - 346   2024年3月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:論文集(書籍)内論文  

  4. 不破関の過去の調査と今後の調査計画

    梶原義実

    シンポジウム「不破関と西濃の古代」発表資料集     頁: 15 - 20   2023年3月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語  

  5. 寺院の展開からみた古代のあいち 招待有り

    梶原義実

    あいちの考古学2022 発表資料集     頁: 7 - 8   2022年10月

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    担当区分:筆頭著者   記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)  

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書籍等出版物 8

  1. 伊保廃寺発掘調査報告書

    梶原義実ほか( 担当: 共著)

    名古屋大学考古学研究室  2022年3月 

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    総ページ数:270   記述言語:日本語

  2. *古代地方寺院の造営と景観

    梶原義実( 担当: 単著)

    吉川弘文館  2017年11月  ( ISBN:978-4-642-04638-1

  3. *国分寺瓦の研究-考古学からみた律令期生産組織の地方的展開-

    梶原義実( 担当: 単著)

    名古屋大学出版会  2010年1月 

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    記述言語:日本語

  4. 東山118号窯発掘調査報告書

    梶原義実・田中哲史ほか( 担当: 共著)

    名古屋大学考古学研究室  2020年9月 

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    総ページ数:46   記述言語:日本語 著書種別:調査報告書

  5. 東山72号窯発掘調査報告書

    梶原義実,片桐妃奈子ほか( 担当: 編集)

    名古屋大学考古学研究室  2017年3月 

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    総ページ数:39   記述言語:日本語 著書種別:調査報告書

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講演・口頭発表等 87

  1. Iconographic analysis of ancient roof tiles using a data science approach 招待有り 国際会議

    Yoshimitsu KAJIWARA, Wanwan ZHENG, Yasutomo KAWANISHI

    1st International Joint Conference on Social Studies and Humanities, “Recent study on Cultural Heritage and Social Science Education”  2024年1月31日  Universitas Negeri Surabaya

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    開催年月日: 2024年1月

    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

    開催地:Universitas Negeri Surabaya   国名:インドネシア共和国  

  2. 〈古墳から寺院へ〉を再考するー景観的見地からみた古代寺院の造営事情と宗教観ー 招待有り 国際会議

    梶原義実

    前近代宗教ワークショップ「奈良時代仏教研究の新知見」  2024年8月4日  前近代宗教ワークショップ

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    開催年月日: 2024年8月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:オンライン   国名:日本国  

  3. 東国から近江へ~不破関の発掘調査成果と周辺遺跡からみた東山道~ 招待有り

    梶原義実

    令和6年度米原市埋蔵文化財シンポジウム「都と東国を結ぶ米原」  2024年7月15日  米原市教育委員会

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    開催年月日: 2024年7月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:米原市役所本庁舎 コンベンションホール   国名:日本国  

  4. 不破関跡の最新調査成果からみる西濃の古代 招待有り

    梶原義実

    大垣市歴史民俗資料館友の会講演会  2024年3月9日  大垣市歴史民俗資料館友の会

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    開催年月日: 2024年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:大垣市青墓地区センター多目的ホール  

  5. 不破関跡の調査成果と今後の展開 招待有り

    梶原義実

    垂井町文化財保護協会講演会  2024年3月2日  垂井町文化財保護協会

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    開催年月日: 2024年3月

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

    開催地:垂井町文化会館小ホール  

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その他研究活動 1

  1. 不破関の普及及び啓発に向けた連携協力に関する協定

    2023年11月
    -
    現在

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    関ケ原町・名古屋大学人文学研究科・大垣ケーブルテレビ・株式会社イビソク

共同研究・競争的資金等の研究課題 11

  1. 博物館・美術館展示における3Dモデル配信用Webシステムの開発

    2022年10月 - 2025年3月

    2022年度(公財)電気通信普及財団 ネット社会課題対応援助申込書 

    梶原義実

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    資金種別:競争的資金

    配分額:6000000円

  2. 博物館・美術館展示における3Dデジタルデータの活用研究 ―文化財3Dモデル配信用Webアプリケーションの開発を中心にー

    2021年4月 - 2022年3月

    令和3年度 名古屋大学部局横断イノベーション創出プロジェクト 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:2000000円

  3. 考古学分野への人工知能(AI)の導入に関する基礎的研究

    2019年10月 - 2021年9月

    2019年度豊秋奨学会研究助成 

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:1100000円

  4. 東山キャンパス内における古代窯業遺跡の周知公開

    2019年10月 - 2020年9月

    令和元年度名古屋大学全学同窓会支援事業 

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

    配分額:450000円

  5. 文化遺産と交流史のアジア共創研究ユニット

    2019年4月 - 2025年3月

    平成31年度名古屋大学研究大学強化促進事業最先端国際研究ユニット 

    近本謙介

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    担当区分:研究分担者  資金種別:競争的資金

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科研費 8

  1. 三関周辺における古墳時代から古代の地域動態に関する総合的研究

    研究課題/研究課題番号:22H00712  2022年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    梶原 義実, 三舟 隆之, 古尾谷 知浩, 馬場 基, 浦田 真由, 遠藤 守, 金宇大, 中井 正幸, 上野 祥史

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )

    古墳時代から古代への移行期において、終末期古墳や寺院・官衙など、種々の技術・文化・社会体制等が地域社会へともたらされる。本研究では、不破関や美濃国府・国分二寺などが密接して造営され、古代における政治的に重要な拠点であった西濃地域を題材として、それらの官営施設の造営や、またその構造からみる律令社会の地方行政・交通行政のあり方が、地域社会に具体的にどのようなインパクトを与えたか、また与えなかったかについて、実際の広域的な遺跡分布や景観構成の変遷という考古学的実態を通して、通時的にあきらかにしていくことを本研究の目的とする。
    1.西濃地域終末期古墳調査の実施:2022年度は西濃地域を中心とした美濃地域の終末期古墳の実態をあきらかにすべく、8月に綾戸古墳(垂井町)の墳丘測量を、また12月には南大塚古墳(垂井町)の墳丘および横穴式石室の実測調査を行い、それぞれの規模や築造年代を考察するともに、それらの歴史的価値について再評価をおこなうことができた。さらに両古墳および兜塚古墳の過去調査遺物の整理作業を通して、西濃地域終末期古墳の埋葬儀礼等に関する考究を実施した。その他、火塚古墳(坂祝町)の測量調査や赤色立体図に基づいた墳丘形状の調査を通して、美濃地域全体の後期・終末期古墳の実態をあきらかにし、その中での西濃地域の特性を導き出した。
    2.調査成果の社会発信の実施:科研事業成果の普及啓発活動として、2022年度は研究協力者の中井正幸により、垂井町および坂祝町で、講演や遺跡巡検を実施し、地元の歴史愛好家の皆さんの参加を得た。また測量調査の成果および不破関周辺の遺跡鳥瞰図についてのパネルを作成し、関ケ原町歴史民俗学習館・垂井町タルイピアセンター・大垣市歴史民俗資料館にそれぞれ展示した。坂祝町には火塚古墳の解説シートと古墳模型作成キット(300分の1)を提供した。
    3.キックオフシンポジウム「不破関と西濃の古代」の開催:科研事業の地元への周知を目的として、2023年3月11日に、キックオフシンポジウム「不破関と西濃の古代」を、関ケ原町ふれあいセンター小ホールにて実施し、関係者含め90名以上の参加者があった。研究代表者の梶原および、分担者の馬場・古尾谷・遠藤、協力者の中井が発表をおこない、討論の司会は分担者の三舟がつとめた。シンポジウムには関ケ原町長も出席し、また岐阜新聞社の取材を受けた。
    垂井町綾戸古墳・南大塚古墳の調査は当初計画どおりに実施され、またキックオフシンポジウムも盛況のうちに終了した。それに加え、坂祝町火塚古墳の測量調査や、とくに調査研究成果のパネル作成や関係各所での展示等、社会発信事業を当初予想以上に進めることができた。
    1.不破関の調査
    不破関は1974年から岐阜県教育委員会による発掘調査がおこなわれ、関を囲繞する土塁および中枢施設とされる掘立柱建物数棟が検出され、川原寺式軒丸瓦などの軒瓦が出土した。しかしながら、中枢部は限定的な面積の調査に留まり、建物構造やその時期的変遷について、充分な知見が得られていない。関がどのように機能し、関内部の施設でなにがおこなわれたのかという、古代交通史における課題を解決するには、内部構造の確定が必須である。また、関の創建年代については出土した川原寺式軒丸瓦の年代から天武朝に遡らせる見解が提示されるが、古代瓦研究の最新の研究動向や、丸平瓦も含めた分析から再検討をおこなう必要がある。関外周の土塁についても、その構造(土塁なのか築地塀なのか)についても議論があり、また北面土塁に比して東面・南面の土塁については規模も小さく不分明なところが多く、西面の囲繞施設についても、関の「向き」を考えるにあたって検討が必要である。これらの諸課題を解決するために、不破関周辺地域の測量調査および発掘調査を実施する。
    2.南大塚古墳・兜塚・鎧塚古墳出土遺物等の調査
    2023年度以降は昨年度から着手した南大塚古墳および兜塚古墳(垂井町)の出土遺物(土器・鉄器類)の実測作業を進めるとともに、兜塚古墳に隣接した鎧塚古墳の出土鉄器(隣松寺蔵)についても併せて実測作業をおこなう。その成果については昨年度から実施している古墳検討会等を通じて公開し、広く地元研究者とも意見交換をおこなう。
    3.不破関発掘調査現地説明会の開催
    本年度から着手する不破関の発掘調査ではその成果を公開するとともに、現地での説明会を開催して、遺跡の価値および事業への理解を求めていくこととする。

  2. 技術史的観点からみた平安時代における宮殿・官衙・寺院の新造・修造に関する研究

    研究課題/研究課題番号:22K00875  2022年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    古尾谷 知浩, 梶原 義実

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    担当区分:研究分担者 

    文献史学、考古学双方の方法論により、平安時代において、宮殿・官衙・寺院がどのように新造されたのか、また、奈良時代に造営されたものがどのように修理、再建されたのか、といった問題について、文献史料、物質資料に基づいて、宮殿・官衙・寺院の中枢施設だけでなく周辺施設も視野に入れながら、修造財源の問題、技術の問題を踏まえ、地方官衙、地方寺院の動向も含めて解明しようとするものである。
    今年度は、 建築生産の前提となる建築部材を生産する手工業の一部として、銅製品の生産の問題について研究した。具体的には、寺院建築部材としての露盤等の銅製品生産について、興福寺西金堂造営・法華寺金堂造営・石山寺造営・長屋王家における寺院造営などにおける技術者確保の方式、原料銅調達の方式、銅製品調達の方式などを解明することを通して、天皇・皇貴族家産機構がどのように建築生産を遂行したのかという点、および原料銅や銅製品のうち汎用性の高い製品については一般に流通していたということを明らかにした。その成果は論文「奈良時代における銅の消費(銅製品の生産)について」(『国立歴史民俗博物館研究報告』238号、2023年3月31日)として公表した。
    また、建築生産の成果物としての建造物について、その使用のあり方について研究した。具体的には、国分寺をはじめとする寺院の伽藍を題材とし、その中でも特に管理組織としての政所の機能について検討した。寺院一般には、三綱が執務を行う政所があり、さらに国分寺には、それに加えて国内の僧侶を教導し、寺院を管理する国師(のち講師)が執務する国師院(講師院)が設けられたが、それらの施設には、外部から受理した案件を決裁し、その決定を伝える文書に署名・捺印をするという機能があったということを明らかにした。その成果は、講演「国分寺の施設-政所を中心に」(大垣市教育委員会歴史講演会、主催:大垣市教育委員会、2023年01月14日)として公表した。
    当初の研究計画において、令和4年度は六国史、古記録、中央寺院の資財帳類を中心に調査・分析し、天皇発願寺院の造営に関して検討を進めることを予定していた。この課題に対し、興福寺、法華寺、石山寺などの、天皇およびそれに準ずる人物が発願した寺院の造営について、その資材調達、技術者確保などの問題を検討し、本研究の主要な柱である天皇家産機構の建築生産への関わりについて理解を深めることができた。
    また、当初計画では令和6年度~令和7年度に行うことを予定していた地方寺院の建築に関する論点について、今年度において先行して検討を行うことができた。その結果として、これも本研究の主要な柱の一つである、造営された建造物の使用のあり方という問題について、地方官衙との比較の中で、共通して現れている特質と、寺院と官衙それぞれ独自の特質について明らかにすることができた。
    以上の2点について、それぞれ査読付論文、招待講演として、研究成果を公表することができた。
    当初の研究計画において、令和5年度は焼失あるいは破損した中央寺院の再建・修理記録類を中心に調査・分析し、建築技術的観点を踏まえつつ、造営財源に関する研究の蓄積と照らし合わせながら、研究を深化させることを計画していたが、この計画に沿って研究を推進する予定である。具体的には、「造興福寺記」にもとづいて永承2年(1047)~永承3年における興福寺の焼失後の再建について、「東大寺修理所注進記」にもとづいて天喜4年(1056)~康平元年(1058)における東大寺の修理について、「元興寺堂舎損色検録帳」にもとづいて長元8年(1035)における元興寺の修理について検討する計画である。
    それに加え、令和4年度において地方寺院における建築生産について当初予定より先行して研究を進めることができたことを踏まえ、僧侶が国分寺や定額寺などの地方寺院の造営事業に対して、特に技術的な面でどのように関わったのかという点を中心に研究を進めることも計画している。

  3. 三関周辺における古墳時代から古代の地域動態に関する総合的研究

    研究課題/研究課題番号:23K21984  2022年4月 - 2027年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    梶原 義実, 中井 正幸, 三舟 隆之, 金宇大, 古尾谷 知浩, 馬場 基, 浦田 真由, 上野 祥史, 遠藤 守

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )

    古墳時代から古代への移行期において、終末期古墳や寺院・官衙など、種々の技術・文化・社会体制等が地域社会へともたらされる。西濃地域は美濃の中でも終末期古墳が集中し、また古代寺院の造営も早い地域であるが、古墳や古代寺院の分布からみる地域中心の移動、地域社会の変動が、王権の差配や地域権力構造の変化などによるものなのか、それとも環境変化や生産構造のあり方、手工業生産の動向などによるものなのか。それらを実際の広域的な遺跡分布や景観構成を通して、古墳時代終末期~平安時代まで通時的に読み解くことを目的とする。
    1.不破関跡の発掘調査等の実施:
    1)不破関築地塀南西部の発掘調査:2023年度8月に、不破関築地南西隅の発掘調査を実施した。その成果としては次のとおりである。(1)築地塀の構造をあきらかにするとともに、出土遺物等の分析から、造営年代を奈良時代半ば以降と判断した。(2)築地塀造営以前の掘立柱建物を検出した。奈良時代前半以前の不破関の建物について、遺構の重なりからはじめて客観的に検出できたことは貴重な調査所見である。
    2)不破関周辺部の踏査および測量調査:2023年度は不破関大関付近のみならず、その北側の天満山丘陵裾部や、また小関地区周辺にも土塁が造営されていた可能性を、詳細等高線図の作成および現地踏査の結果により確認した。これにより、不破関の施設が大関周辺にとどまらず、複数の交通路を遮断する形で有機的に機能していたことがあきらかとなってきた。
    2.後期・終末期古墳の検討:2023年度には5月に各務原市二ノ宮神社古墳横穴式石室の測量調査、10月に御嵩町愚渓寺稲荷古墳の墳丘および横穴式石室の測量調査を実施した。さらに古墳検討会を可児市・御嵩町および土岐市・瑞浪市で実施することで、中濃から東濃にかけての後期・終末期古墳の実態をあきらかにした。
    3.調査成果の公開:11月に、名古屋大学人文学研究科・関ケ原町・大垣ケーブルテレビ・株式会社イビソクで「不破関の普及及び啓発に向けた連携協力に関する協定」を手結し、今後の成果公開を4者協力のもとで積極的・効果的に実施していくことを確認した。また発掘調査現地説明会や、垂井町・大垣市で不破関の2023年度調査に関する一般向け報告会を実施した。また2023年度に調査した各古墳についても古墳解説シートを作成し、各自治体で配布をおこなうようにした。
    不破跡の発掘調査において、奈良時代前半以前の不破関の建物について、遺構の重なりからはじめて客観的に検出できたことおよび、測量調査および現地踏査で、広域にわたる関所構造が確認できたことは、古代交通史の解明においてきわめて貴重な調査所見である。
    また、「不破関の普及及び啓発に向けた連携協力に関する協定」の締結は、今後の大学での調査研究事業を社会の中に位置づけ還元していく新しい方法論として、今後注目に値する成果であるといえる。
    1.不破関の調査:不破関は1974年から岐阜県教育委員会による発掘調査がおこなわれ、関を囲繞する土塁および中枢施設とされる掘立柱建物数棟が検出され、川原寺式軒丸瓦などの軒瓦が出土した。しかしながら、中枢部は限定的な面積の調査に留まり、建物構造やその時期的変遷について、充分な知見が得られていない。関がどのように機能し、関内部の施設でなにがおこなわれたのかという、古代交通史における課題を解決するには、内部構造の確定が必須である。これらの課題を解決するために、2024年度は以下のプロジェクトを実施する。
    1)不破関中枢域の発掘調査:2024年度は政庁中枢域の発掘調査を実施し、関内部の建物配置について考古学的にあきらかにしていく。
    2)不破関周辺部の踏査および測量調査:2024年度はとくに小関付近を中心に微地形の測量を実施することで、不破関の全体像に迫る。
    3)他の三関および古代軍事に関する諸遺跡との比較:不破関での踏査および測量調査結果は、これまで不分明な部分が多かった鈴鹿関・愛発関の構造解明にも資するところが大きい。2024年度はとくに鈴鹿関の詳細等高線図をもとに現地踏査を実施し、不破関の調査成果を三関全体に敷衍していく。また不破関の構造解明には、朝鮮式山城など古代軍事施設の2あり方との比較も重要であり、こちらもあわせて現地踏査を実施していく。
    2.後期・終末期古墳の検討:2024年度は関ケ原町・垂井町で保管する馬具等の鉄器類を中心に実測をおこない資料化する。また、2023年度調査の成果を総合化し、美濃地域の古墳時代から古代移行期の地域実態について考究する。
    3.調査成果の公開:「不破関の普及及び啓発に向けた連携協力に関する協定」に基づき、2024年度以降も引き続き継続する。また調査成果公開のWebページの充実等もはかっていく。

  4. 古代における谷底平野および周辺丘陵部の開発と宗教施設の展開に関する研究

    研究課題/研究課題番号:17H02414  2017年4月 - 2022年3月

    科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    梶原 義実, 三舟 隆之, 尾野 善裕, 古尾谷 知浩

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    担当区分:研究代表者 

    配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )

    本年度は、以下の研究・事業をおこなった。
    ・「信仰」班では、豊田市教育委員会および協力者の森泰通の協力をうけ、2020年8月3日から8月31日にかけて、豊田市伊保廃寺(伊保古瓦出土地)の発掘調査を継続した。昨年度には地山を削り出し端部に平瓦を貼り付けた瓦積基壇および、その外側に白色粘質土を貼り付け改修した2時期の基壇が検出されたが、それらの遺構を追いかけるためのトレンチ(9・10トレンチ)を設定した。その結果、瓦列および白色粘土の基壇の西側への広がりおよび、基壇南西隅の位置を確認することができた。8月22日には発掘調査成果を市民に公開するための現地説明会を開催し、50人以上の参加者を得た。8月24日には第4回の科研関係者会議を豊田市でおこない、発掘調査の現地で所見を交換しつつ、今後の方針についての打ち合わせをおこなった。
    ・「生産」班では、協力者の大西遼を中心に、東海一円の須恵器・灰釉陶器資料のデータ化が継続して進められた。協力者の井上隼多を中心に、須恵器資料の人工知能による産地同定プログラムの構築が進められ、また3Dデータの博物館展示等への社会活用として、愛知県陶磁美術館や国立工芸館への技術提供をおこなった。さらに、名古屋大学における東山窯の発掘調査成果として、『東山118号窯発掘調査報告書』を上梓した。
    ・「生活」班では、分担者の三舟隆之・古尾谷知浩、協力者の永井邦仁を中心に、生産・宗教と権力構造や地域社会との関係性についての諸論が上梓された。
    伊保廃寺の発掘調査において、基壇状遺構の広がりを検出したことは、大きな成果である。とくに瓦列による基壇外装は、日本においては管見の限りわずか数例しかなく、寺院造営技術伝播のあり方を考えるうえでたいへん重要な遺跡であることがあきらかとなった。
    窯業関連では、3Dデータと人工知能をもちいた須恵器分析研究や、とくに社会活用面への展開が進められたのは大きな実績であった。東山118号窯の発掘調査報告書も刊行され、発掘資料に基づいた須恵器編年に貢献した。
    本年度の成果を承け、来年度以降は以下のとおり研究を遂行する。
    ・伊保廃寺の発掘調査:本年度の発掘調査成果を承けつつ、とくに瓦積基壇の西側列の状態および北西端の検出を目指すべく、調査を継続していく。作業にあたっては、表土掘削等は専門業者を入れ、大学院生等を調査・整理にあたっての補佐員として雇用しつつおこなっていく。また、発掘調査の状況については、随時現地説明会を開催し、成果の地元住民への還元を図り、発掘調査事業への理解を求めていく。成果について、文献史学の立場から三舟、古尾谷らの助言をうける。
    ・人工知能による猿投窯編年の再構成:協力者の井上を中心に、データ集積およびプログラム構築をおこない、ビッグデータの人工知能解析によるあらたな編年案を提示する。
    ・総括的シンポジウムの開催:本年度が最終年度にあたるため、3月中旬に豊田市内において、科研事業全体の総括的なシンポジウムを開催し、とくに伊保廃寺の発掘調査成果を中心に、市民に成果を還元する。
    ・総括報告書の作成:伊保廃寺の発掘調査成果およびそれに基づく代表者・分担者・協力者の研究を中心に、総括報告書を作成する。

  5. 国分寺・国分尼寺および国府・駅家等出土瓦に関する総合的研究

    2013年4月 - 2017年3月

    科学研究費補助金  若手研究(B)

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    担当区分:研究代表者 

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産業財産権 1

  1. 考古遺物の自動実測図描画システム

    梶原義実・井上隼多・堀涼・野原裕太・川西康友

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    出願人:東海国立大学機構

    出願番号:特願2021-200465  出願日:2021年12月

 

担当経験のある科目 (本学以外) 8

  1. 考古学特殊研究

    2023年9月 京都大学)

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    科目区分:学部専門科目 

  2. 考古学

    2013年10月 - 2014年3月 放送大学)

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    科目区分:学部教養科目 

  3. 日本考古学研究

    2012年4月 - 2023年3月 愛知県立大学)

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    科目区分:大学院専門科目 

  4. 考古学

    2011年12月 九州大学)

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    科目区分:学部専門科目 

  5. 日本考古学

    2009年4月 - 2024年3月 愛知県立大学)

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    科目区分:学部専門科目 

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社会貢献活動 9

  1. 愛知県文化財保護審議会 専門委員

    役割:助言・指導

    愛知県  2022年4月 - 現在

  2. 野々市市遺跡調査指導委員会

    役割:助言・指導

    野々市市  2021年9月 - 現在

  3. 大垣市文化財審議会 委員

    役割:助言・指導

    大垣市教育委員会  2021年4月 - 現在

  4. 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会 構成員

    役割:助言・指導

    2020年7月 - 現在

  5. 大垣市美濃国分寺跡保存活用整備委員会 専門委員(委員長)

    役割:助言・指導

    2020年4月 - 現在

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メディア報道 30

  1. 【潜入】不破関の発掘現場!その地で何が起こったか? インターネットメディア

    一般社団法人Platoo  河江肖剰の歴史探訪  2024年9月

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    執筆者:本人以外 

  2. 不破関「正殿」跡か 発見 構造や変遷手がかり 名大教授「大収穫」 新聞・雑誌

    読売新聞社  読売新聞  岐阜県版  2024年9月

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    執筆者:本人以外 

  3. 不破関 正殿の遺構発見 関ケ原で発掘調査 構造や変遷解明へ 新聞・雑誌

    中日新聞社  中日新聞  岐阜県版  2024年9月

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    執筆者:本人以外 

  4. 不破関 正殿の建物跡 名大院研究室調査 新聞・雑誌

    岐阜新聞社  岐阜新聞  県内総合版  2024年9月

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    執筆者:本人以外 

  5. 不破関跡 中心部を発掘 古代の交通・行政など探る 新聞・雑誌

    読売新聞社  読売新聞  岐阜県版  2024年8月

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    執筆者:本人以外 

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学術貢献活動 1

  1. 文化財3Dデータ鑑賞用Webアプリ "Culpticon(カルプティコン)" の開発

    役割:企画立案・運営等, 監修

    井上隼多  2021年8月 - 現在

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    種別:文化財保護