科研費 - 後藤 明史
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教師視点を生かしたユビキタス映像記録視聴システムを活用した授業実践能力育成支援
研究課題/研究課題番号:19K03037 2019年4月 - 2024年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
平山 勉
担当区分:研究分担者
配分額:780000円 ( 直接経費:600000円 、 間接経費:180000円 )
教員を目指す教職課程履修生及び若手教師の授業実践能力育成を支援するためにこれまで開発し運用してきている「ユビキタス映像記録視聴システム」を改良し、本システムを学生時代に経験した、教諭の授業を継続的に授業収録を実施する。さらに、収録する授業も若手教員と熟練教員等のTT(ティーム・ティーチング)の形式、自身の担任クラスと担任以外のクラス(授業が想定通り実施できないクラス)等に適用していく。これらの分析・考察を通して、「教職授業」の提示教材の活用を含めたカリキュラムマネジメント、「教員育成指標」の教員の授業実践力育成のモデルを提唱していく。
本研究プロジェクトは、教員を目指す教職課程履修生及び初任者教師の授業実践能力育成を支援するためにこれまで開発し運用してきている「ユビキタス映像記録視聴システム」を改良し、本システムを学生時代に経験した、現場の教諭の授業を継続的に授業収録及び自己研鑽及び研究会、授業研究ワークショップ、公開フォーラム等での活用を一層推進することを目標としている。2019年度は、これまでの継続を含め、5校(名古屋市立橘小学校、愛西市立立田中学校、高槻市立竹の内小学校、東浦町立東浦中学校、大府市立東山小学校)で、10授業の収録を行うことができた。小学校教諭の場合は、自身の教科専門の「算数」と「道徳」の授業収録、中学校教諭の場合は、担任学級とその他の学級(同一単元・同一指導案)を行った。今年度は、「道徳」の授業を4授業、特別支援学級の「国語」と「プログラミング教育」の2授業を収録し、分析考察中である。一方、年度末に全国的に新型コロナウィルス感染対応の観点から収録予定の高等学校の授業収録ができなくなってしまった事態もあった。
成果の公開・公表ということでは、これまでの研究成果の一部を「WALS 2019、9月、オランダ・アムステルダム)、日本教育方法学会(9月、東海学園大学)、大学教育研究フォーラム(3月、京都大学)さらには、共著を1月に刊行し、成果の一部を発表した。8月、1月、3月(オンライン開催に変更)の公開研究会・フォーラム等も予定通り開催し、参加者と成果を共有することができた。
教員を目指す教職課程履修生及び初任者教師の授業実践能力育成を支援するためにこれまで開発し運用してきている「ユビキタス映像記録視聴システム」にアイトラッキングカメラの教師視点を連携させるシステムの改良が試行錯誤の連続ではあるのが一定推進できている。これまで収録し分析した映像記録を教職課程の授業教材として活用も一部進んできている。日本教育方法学会の全国大会では、参加者企画のワークショップとして、「教師視点映像記録を活用した授業研究方法」のセッションを主催し、参加者との情報交流を推進することができた。収録授業も学生時代に本システムを経験した教諭の継続的な収録に加えて、新規に大阪府の研究協力学校で「道徳」の授業収録も実現できた。一方で、年度後半の新型コロナウィルス感染対応の観点から、高等学校の授業収録の中止等の影響も少なからずあった。
2020年度は、世界規模での新型コロナウィルス感染の影響があり、学校活動も不透明なところも多く、新規の授業収録については、柔軟な対応が必要と考えている。幸い、これまでの収録事例の分析・考察により多くの時間を充当し、これまでの成果の一部を論文等での発表活動に共同研究者と連携し研究を進めていきたい。2020年時点で、全ての教育機関でオンライン教育が試みられているが、これまでの研究成果を少しでも外部に発信していく予定である。一方で、これまでの研究成果を教職課程の授業づくりに反映させていくカリキュラムマネージメントもオンライン授業の中で進めていく。毎年開催している成果の公表を含めた年間3回(8月、1月、3月)の公開研究会・フォーラムもオンライン開催代替対応も含めて継続させていく予定である。 -
教師は何を見てどう判断しているかー教師視点の映像記録を活用した意思決定過程の研究
研究課題/研究課題番号:15K01065 2015年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金
後藤 明史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
教師の一人称映像と注視点の分析により、説明・発問時や指名時には、教職歴の長い教師は、指名した子どもだけでなく他の子どももより見ている可能性を提示している。また、教職経験の浅い教師の注視点の動きと比較して、説明や発問をしながら子ども の反応を広く探ろうとしている可能性を提示している。
教職歴の浅い教師に対して授業改善のアドバイスを行った場合、アドバイス後の授業では1回の注視時間が長くなる傾向にあり、改善点を意識して授業に臨んだことが、子どもとのコミュニケーションの 1 つの形である注視の継続につながっている可能性を提示している。
ビデオに録画された授業映像を教師らに見せ、注視点を分析する研究は度々行われているが、教師自身の一人称映像と注視点をデータとして取り出し可視化し、分析する方法を開発することに一定の成果を得られた。
特に初任教員や経験の浅い教員が指導教員、ミドル教員、授業研究者の助けを借りながら自分自身の授業を振り返り、授業実践能力の向上を目指す方法として有効であると思われる。
また、教職課程の教育方法論の中で、熟練教師などの一人称映像を視聴させるなどの実践を行ったが、教職課程履修生の授業観察視点の育成に効果があることを確認できている。 -
ユビキタス映像記録視聴システムを活用した初任者教師の授業実践能力育成支援
研究課題/研究課題番号:15K01098 2015年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
本研究は、初任者教師の授業実践能力育成支援のため、「ユビキタス映像記録視聴システム」に「教師視点の映像記録」を加えて改良し、研究協力校の授業及び大学卒業時から新任教員の授業に毎年適用し検証を積み上げた。研究成果として収録した同一指導案の熟練教員と新任教員の2つの教師視点の映像記録を教職課程の授業の提示教材として活用し初任者教師の授業実践育成に資することを実証した。
より精緻な授業記録は、子どもの変容状況を継続的総合的に把握し、授業過程を検討するために必要である。この目的から、ビデオカメラによって撮影された授業の記録(以下、「映像記録」と呼称する)が活用されている。映像記録に眼球運動から視点の移動を推定し記録できるアイトラッキングカメラで撮影された教師視点映像記録を追加するることにより、初任者教師及び教職課程履修生の授業実践能力育成に資することができる。 -
教師視点の映像記録を活用した授業の多元的記録・分析・構成方法の研究
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者
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英語教育における課題遂行支援型の間接学習に関する研究
2012年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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ユビキタス映像記録視聴システムを活用した多元的記録・分析・構成方法
2008年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
平山勉
担当区分:研究分担者
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仮想コンピューティング実験室によるクラウド型専門教育実習環境とその応用
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
梶田将司
担当区分:研究分担者
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授業記録アーカイブ・配信システムの開発に基づく授業の多元的記録・分析・構成方法
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
平山勉
担当区分:研究分担者