科研費 - 岡島 徹也
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細胞外O-GlcNAc修飾のNotchシグナルと血管形成における役割
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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Notch シグナルとヘキソサミン経路を介した血液脳関門の制御
2015年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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小胞体GlcNAc修飾の神経組織での役割
2014年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究[公募研究]
担当区分:研究代表者
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モデル生物を活用した先天性脳疾患関連オーファン糖転移酵素の機能解明
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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神経組織の機能発現に関与する新規ドメイン特異糖鎖の解析
2012年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究[公募研究]
担当区分:研究代表者
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上皮成長因子様ドメインに特徴的な新規翻訳後修飾の同定と修飾機構の解析
2009年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
岡島徹也
担当区分:研究代表者
科学研究費補助金 若手研究(B) 403万円
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Ofut1によるNotch受容体の構造・機能の調節機構
2006年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
岡島 徹也
担当区分:研究代表者
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糖転移酵素群によるNOTCHタンパク質の分泌・分解の仕分け機構の解明
研究課題/研究課題番号:22H02815 2022年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
岡島 徹也, 近藤 裕史, 竹内 英之
担当区分:研究代表者
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
NOTCHシグナルは細胞間相互作用の基本様式の1つであり、その活性化レベルが発生過程で適切に制御される。NOTCH受容体の活性化には、隣接した細胞間でリガンドと受容体が相互作用することが必要となるため、受容体の細胞膜への提示は精密に調節される必要がある。NOTCH受容体の分泌過程におけるO型糖鎖の重要性の理解が進んだ一方で、表裏一体と考えられる小胞体での分解の調節機構は不明である。本研究では、小胞体におけるNOTCH受容体の分解・分泌の仕分け機構への関与が示唆された新たな糖転移酵素に焦点をあて、その分子機構とその破綻により生じる病態の制御を目指す。
(1) 糖転移酵素群によるNOTCHタンパク質の分泌・分解の仕分け機構の解析に向けて、主要な糖転移酵素であるPOFUT1、POGLUT1、EOGTを欠損したHEK293細胞を樹立した。予想通り、この3重変異細胞では、Notch1の細胞膜への発現が消失した。一方、POFUT1、POGLUT1、もしくはEOGTを発現させることにより、Notch1の細胞膜発現が部分的に回復した。従って、3重変異細胞はO型糖鎖の分泌過程における機能を反映することが確認できた。また、3重変異細胞では、O型糖鎖を完全に欠損するのか、一部、残留するO型糖鎖が存在するのかを確かめるために、内在性Notch受容体を免疫沈降により単離し、プロテアーゼ消化産物を質量分析をするための予備実験を実施した。
(2) 3重変異細胞におけるNOTCH受容体の局在の異常を明らかにするために免疫染色をしたところ、NOTCH受容体の細胞内への蓄積が観察された。こうした異常NOTCH受容体の分解機構を明らかにするために、プロテアソームやオートファジーの阻害剤を用いて解析したが、異常NOTCH受容体の発現量は、これらの阻害剤により大きな変化は認められなかった。これらの結果より、3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構を明らかにすることが重要であると考えられた。
(3) O型糖鎖欠損NOTCH受容体を認識し、分泌や分解に導く分子機構を明らかにするために、相互作用因子の探索を行った。1つは、BioID法を用いて糖鎖変異型NOTCH1と相互作用する分子を網羅的に同定した。別のアプローチとして、3重変異細胞に発現する内在性NOTCHに相互作用するタンパク質を免疫沈降法により同定した。複数の分子が両グループに共通しており、共通する分子に着目して、機能解析を進めることの有効性が示唆された。
3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構に関する予備データが得られており、来年度以降、大きな研究の進展が期待できるため。
(1) O型糖鎖欠損細胞の樹立と糖鎖解析
3重変異細胞において、残留するO型糖鎖が存在するのかを確かめるために、内在性Notch受容体を免疫沈降により単離し、プロテアーゼ消化産物のOrbitrap Fusionを用いた質量分析を実施する。もし、残留するO型糖鎖が存在する場合は、野生型と3重変異細胞の間で、修飾率の差異が検出されるか検討をする。その結果、3重変異細胞におけるNotch受容体のフォールディングの状態を間接的に知ることができる。
(2) O型糖鎖欠損によるNOTCH受容体の分解機構
NOTCH受容体が蓄積する3重変異細胞において、各種化合物を用いたスクリーニングを行い、NOTCH受容体が分解される化合物を単離する。その化合物を用いることで、3重変異細胞におけるNOTCH受容体の分解抵抗性の分子機構を解明するための手がかりとする。
(3) O型糖鎖欠損NOTCH受容体と相互作用する分子の同定と機能解析
O型糖鎖欠損NOTCH受容体との相互作用因子に着目し、in vitroでの相互作用とその制御機構について明らかにする。 -
加齢に伴う運動能力低下におけるNotch1上の細胞外O-GlcNAc機能の解明
研究課題/研究課題番号:20F20410 2020年11月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
岡島 徹也, LO PEIWEN
担当区分:研究代表者
配分額:2300000円 ( 直接経費:2300000円 )
老化は、骨格筋のエネルギー産生の低下や筋肉量の減少を引き起こす。骨格筋では、1000以上のO-GlcNAc化タンパク質が同定されており、OGTによるPGC-1αのO-GlcNAc化はPGC-1αを安定化し、ミトコンドリア遺伝子の転写を促進することで筋萎縮を抑制し、エネルギー代謝を向上する。一方、骨格筋におけるEOGTによる細胞外O-GlcNAc化の役割は不明である。EOGTはNotch受容体をO-GlcNAc化することで、リガンド依存的なNOTCHシグナルを活性化することが知られている。本研究では、Notch1のO-GlcNAc修飾による筋運動能力の低下のメカニズムについて検証する。
本研究では、当研究室で見出した細胞外O-GlcNAcの新規な役割を解析することを目的とした。これまでの研究で、内皮細胞におけるO-GlcNAcの役割が示唆されていた。EOGTは、小胞体におけるO-GlcNAc修飾を触媒する酵素である。この酵素は、上皮成長因子(EGF)様ドメインを特異的に修飾する。NOTCH受容体の細胞外領域は、主に多数のEGFドメインが繰り返した構造をとっている。Notch1の場合、36個のドメインのうち20個以上のEGFドメインがO-GlcNAcで修飾される可能性がある。したがって、NOTCHはO-GlcNAcで修飾される代表的な分子であり、生理的に重要なEOGTの基質となると考えられている。実際、EOGTの変異マウスは、NOTCHシグナル関連遺伝子のloss of function型変異を持つ動物に類似した表現型を示す。しかし、内皮細胞以外におけるEOGTの作用やNOTCH受容体との関連性は、まだ不明である。共同研究者のPeiwen Loは、Eogt欠損マウスとC2C12細胞のEogt変異体の表現型を解析することで、上記の問題を解決しようと取り組んだ。変異マウスにおける筋力の低下とC2C12細胞における筋分化の異常の分子基盤として、これまでに血管内皮細胞で解明されたNOTCH受容体を解するメカニズムとは異なる、PAMR1を含めた新たな基質候補タンパク質を介した分子機構が存在することが示唆された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。 -
血管内皮におけるNotchシグナル精密制御の基盤となる非典型糖鎖修飾の統合的解析
研究課題/研究課題番号:19H03416 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
岡島 徹也, 小川 光貴, 竹内 英之
担当区分:研究代表者
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
Notch1糖鎖レポーターマウスを用いて、脳血管内皮とその他の細胞におけるNotch1糖鎖構造の比較分析をすることで、血管内皮で特徴的な構造を示す糖鎖修飾を明らかにする。そして、特徴的な糖鎖構造に関連した糖転移酵素遺伝子のゲノム編集により、糖鎖により規定されるNotchシグナル強度を明らかにする。さらに、糖転移酵素遺伝子の欠損マウスを用いて、糖鎖依存的なNotchシグナル強度制御の生物学的意義を明らかにする。さらに、ストレス時や老化におけるNotch受容体の糖鎖構造の変化に関するデータを基に、Notch受容体糖鎖の時間的変化と機能変化の関連性を明らかにする。
本研究課題では、O-GlcNAc転移酵素EOGTを介したNOTCHシグナル精密制御の分子機序の理解に向けて、①NOTCH1を修飾するO-GlcNAc糖鎖構造の基本様式を明らかにすること、②生体内でのO-GlcNAc修飾の動態を解明する新規解析ツールを開発すること、③EOGTと他の糖転移酵素とのNOTCHシグナル制御における協調作用を示すこと、④特定の血管内皮へのEOGT発現の局在化と血管透過性への関与を示すこと、に成功した。
本研究で開発されたO-GlcNAc修飾の動態解析ツールを用いることで、生理的な刺激や病的な状況でのO-GlcNAc修飾の時空間的な制御機構の解明に貢献することが期待される。また、EOGTが血管内皮に特異的な発現を示すことや、細胞の癌化に伴い異所性にEOGT発現が誘導されることから、EOGTを分子標的にした新しい治療戦略が考えられる。 -
O-グルコース糖鎖修飾による筋衛星細胞におけるNotchシグナルの制御機構の解明
研究課題/研究課題番号:19H03176 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
竹内 英之, 岡島 徹也
担当区分:研究分担者
ヒトの筋肉の再生と恒常性維持の分子制御機構は未だに理解されていない。遺伝性筋疾患である筋ジストロフィーの有病率は、人口10万人あたり20人程度と推定され、有効な治療法は存在しない。研究代表者は、Notch受容体のO-グルコース糖鎖修飾の異常により、筋肉の幹細胞である衛星細胞の数の減少と衛星細胞におけるNotchシグナルの低下が起こり、このことが、成人後に発症する肢帯型筋ジストロフィーの原因となることを見出した [Cell 2008, EMBO Mol Med 2016]。衛星細胞におけるNotchシグナルのO-グルコース糖鎖修飾による調節機構を明らかにすることが本研究の目的である。
研究代表者は、Notch受容体のO-グルコース糖鎖修飾の異常により、筋肉の幹細胞である衛星細胞の数の減少と衛星細胞におけるNotchシグナルの低下が起こり、このことが、成人後に発症する肢帯型筋ジストロフィーの原因となることを見出した [Cell 2008, EMBO Mol Med 2016]。本研究で、少なくともHEK293T細胞においては、O-グルコースのキシロース伸長が、Notch EGFリピートのタンパク質の安定性、品質管理に寄与していることを示唆している。今後、この糖鎖修飾によるNotch受容体の品質管理の分子機構を解明していく必要がある。
ヒトの筋肉の再生と恒常性維持の分子機構は未だに理解されていない。遺伝性筋疾患である筋ジストロフィーの有病率は、人口10万人あたり20人程度と推定され、有効な治療法は存在しない。Notch 受容体の O-グルコース糖鎖修飾の異常は、肢帯型筋ジストロフィーLGMD (R21) の原因となる。本研究では、この O-グルコース糖鎖修飾のキシロース伸長が、Notch 受容体の品質管理に寄与することを世界で初めて明らかにした。本研究の成果は、筋ジストロフィーの発症や病態メカニズムの解明、さらには、治療法の開発につながる可能性がある。 -
Notchシグナルとヘキソサミン経路を介した血液脳関門の制御
研究課題/研究課題番号:15K15064 2015年4月 - 2018年3月
岡島 徹也
担当区分:研究代表者
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
細胞外O-GlcNAc はO-GlcNAc 転移酵素EOGTにより触媒され、EOGTによるNotch受容体のO-GlcNAc修飾がDLL4を介したNotchシグナルを制御する。本研究では、Notchシグナル精密制御の血液脳関門に代表される血管バリア機能における役割を検討した。Eogt欠損マウスの解析より、ビオチン誘導体の血管外漏出とフィブロネクチンの沈着が認められた。また、血管内皮特異的Eogt欠損マウスでも同様な結果が得られた。N-カドヘリンに加えて、タイトジャンクション構成因子の発現低下が認められ、EOGT依存的なNotchシグナルを介する血管バリア機能の新たな制御機構の存在が示唆された。
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細胞外O-GlcNAc修飾のNotchシグナルと血管形成における役割
研究課題/研究課題番号:26291020 2014年4月 - 2018年3月
岡島 徹也
担当区分:研究代表者
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
Notch受容体の細胞外領域に存在する上皮成長因子(EGF)様リピートには特徴的な翻訳後修飾が存在している。これまでの研究で、O-フコースとO-グルコースに加えて、O-GlcNAc修飾が存在することを報告した。しかしながら、O-GlcNAc修飾のNotch受容体における役割は不明であった。本研究では、O-GlcNAc修飾に関わる糖転移酵素EOGTの遺伝子欠損マウスを作製し、表現型解析を行なった。その結果、Notch1の特定のEGFドメインのO-GlcNAc修飾が、Delta-like 4リガンドを介したNotch1の活性化を制御することで、網膜の血管形成に関与することが明らかになった。