科研費 - 三輪 富生
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研究課題/研究課題番号:20H00262 2020年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
森川 高行, 佐藤 仁美, 姜 美蘭, 三輪 富生, 山本 俊行
担当区分:研究分担者
ICTを活用したヴァーチャル活動が増加する中、本研究では、移動の価値を再考することを目的とし、以下の研究を実施する。移動の肉体的・精神的タスクが健康に与える影響の定量化、移動を伴わないヴァーチャル参加と、移動を伴うリアル参加でのコミュニケーションの効率性や活動の満足度などの計測、さらに、ICTの活用と移動量との関係性などを調査・分析する。これらの研究成果により、まちづくり、地域コミュニティ維持、交通インフラ整備、交通手段開発などの方向性や必要性を科学的に示すことが可能となる。
本研究では,人が実空間を「移動」してリアルな体験を行うことの価値に関して,「交通」と「活動」の観点から科学的に評価・計測することが目的である.
今年度は,「理想のテレワーク実施率に関する分析」,「テレワークに関するパネルデータ分析」,「仕事の質とテレワークの関係分析」を実施した.
まず,理想のテレワーク実施率に関する分析では,2021年3月に実施した調査データを用いて,移動手段別の移動時間による影響やテレワークの評価による影響を分析した.その結果,移動手段と時間時間によってテレワーク率への影響は異なること,テレワークの効率性を高く評価している人はテレワークを好むことなどが明らかとなった.
次に,テレワークに関するパネルデータ分析では,2020年3月と2021年3月に実施したパネル調査データを用いて,リスク認知の変化やテレワーク率の変化について分析を行った.その結果,2021年にはテレワーク評価が下がっていることや2020年にはテレワークリスク認知が高いほどテレワークを避ける傾向があったが,2021年には逆の傾向となっていることなどが明らかとなった.
最後に,仕事の質とテレワークの関係分析では,2022年3月に実施したアンケート調査を用いて,オフィスワークと自宅でのテレワーク,サテライトオフィスワークの時間配分モデルを構築した.その結果,仕事環境や仕事の質は会社や自宅など働く場所の選択に有意に影響を及ぼすことが明らかとなった.
3回のパネル調査にすべて回答したサンプルは1000人程度おり,分析に充分なサンプルが得られている.また,研究成果の学会等での発表も計画通りに行えていることから,おおむね順調に進展していると判断した.
最終年度なる次年度は,2023年に収集したアンケート調査データを分析することで,理想と実際の差とテレワークや通勤の評価と仕事環境の質などとの関係などや,3か年のアンケート調査データを用いて,コロナ禍における通勤とテレワークの経年変化について分析を行う.
また,外部発表があまりできていなかったため,これまでの成果を整理し,学会発表やジャーナルへの論文投稿など行い,外部発表を積極的に実施する予定である. -
多様化する都市活動・交通評価のためのシミュレーションプラットフォームの構築
研究課題/研究課題番号:19H02260 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
三輪 富生, 森川 高行, 山本 俊行
担当区分:研究代表者
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
在宅勤務やテレワークなどの柔軟な働き方,女性や高齢者の社会進出,自動運転車サービスによる子供の自動車移動など,日々の活動や交通行動は多様化していく.本研究では,そのような多様化した都市活動を表現し,将来の都市交通政策を評価できる,新しい都市活動・交通シミュレーションプラットフォームの構築を目指す.
そのために,居住地選択のような長期的意思決定,交通手段選択のような短期的意思決定に加え,1週間程度の期間内の多様な活動内容を決定する中期的意思決定モデルを構築する.さらに,都市活動・交通シミュレータを構築し,都市のコンパクト化と持続可能な中山間地域のための都市交通政策を検討する.
テレワークや自動運転車の普及などによって多様化が進む日々の活動や交通行動を予測・分析するための様々な分析手法の構築を行った.この結果,テレワークが進むと,曜日ごとの通勤交通量が異なることや買い物や外食が減少する一方で仕事や家族団らんの時間が増加することが示された.また,自動運転車は普及開始から20年ほどで,8割の自家用車が自動運転車となること,自動運転タクシーより自家用自動運転車としての普及が大きいことが示された.その他,自動運転車の普及により,車両間の協調的な走行によって交差点における交通流を制御でき,信号による制御よりも効率が高まること等が示された.
多様化が進む社会活動や実用化が進む新たなモビリティ―を背景に,交通量の発生から配分までを単純なモデルで評価し,平日と休日の行動の違いに焦点を当てた従来の交通計画手法は見直しが必要である.本研究では,そのような社会における,社会活動,居住地,交通需要,交通行動を予測する数理モデルを構築した.また,自動運転車の普及予測や交通流を評価するシミュレータを開発し,様々な分析を行った.これらの研究から,多くの学術的意義の高い研究成果が得られた.また,これからの交通計画における交通需要予測法やモビリティの運用方法を提案できたことは社会的意義が高い. -
研究課題/研究課題番号:19K04651 2019年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
佐藤 仁美, 三輪 富生
担当区分:研究分担者
本研究では,都市規模に応じた自動運転車を含む交通システムの検討とその評価を行うことを目的としている.都市部や中山間地等を対象とし,自動運転の利用方法を整理し,どの移動が自動運転に代わり,誘発交通がどれくらい発生するのか,それによって生活満足度はどう変わるのかをアンケート調査データを用いて分析する.評価軸として,アクセシビリティ等の利便性やCO2排出量といった環境性だけではなく,幸福感やwell-being等も用いる.
本研究では,自動運転車両の受容性や望ましいサービスレベルについて分析を行った.自動運転車両の受容性では,自動運転車両に対するイメージが受容性に及ぼす影響について分析を行い,先進性は自動運転の魅力を増す一方で,先進的なものは複雑で扱いにくいと感じるため購入や利用意向が下がることなどを定量的に明らかにした.自動運転サービスに関しては,オールドニュータウンと戸建が多い住宅地の2地区を対象に分析を行ったところ,相乗りを可能にすることにより,待ち時間などが大幅に改善されること,電気自動車を用いることで,二酸化炭素排出量を40-50%減らせることが明らかとなった.
本研究で実施した,自動運転車に対するイメージと受容性の関係については,イメージと受容性との関係を定量的に示しており,受容性を向上するための情報提供の方法について示唆を与えるものであり,実務的に意義のある研究である.また,自動運転サービスの望ましいサービスレベルに関する分析では,ゆっくり自動運転や電気自動車といった,より安全でより環境負荷の少ない車両を対象にした研究はこれまでなく新規性があり,構築したシミュレータは,他の地域でも利用可能な汎用的なものであるため社会的にも意義がある研究である. -
運転ストレスに基づく車両の個別調停および交通社会全体最適化手法の提案
研究課題/研究課題番号:17K18900 2017年6月 - 2020年3月
挑戦的研究(萌芽)
田代 むつみ
担当区分:研究分担者
本研究では経路探索や他車との協調において,個々のドライバーが運転ストレスを感じることなく,かつ交通社会全体の交通流を最適化させる,新しい交通マネジメント手法の提案を行った.運転中にドライバーに発生する「運転ストレス」を心拍数の変化により定義し,道路構造や交通状況などの運転ストレス要因から予測するモデルを構築した.そして,レーンレベル運転ストレス最小化経路探索アルゴリズムを提案した.続いて,個々の車両情報がリアルタイムに共有される条件下において,信号の無い交差点において車両同士が協調して合流時のコンフリクトを回避するための制御方法を提案し,交通ミクロシミュレーションにより効果を検討した.
個人毎の異なる価値観に基づいた心理的指標である「運転ストレス」を,交通マネジメントに直接活用するシステムは,他に類をみない新しい試みである.また本システムは,ドライバーのみならず,車を利用する全ての人のストレス検討にも応用可能であり,自動運転社会への移行段階における最適な交通マネジメントの検討にもつながる点で,研究の発展性は高い.交通情報の集約や共有化に関する取組みも近年国内外で急速に進められており,本研究が提案する協調制御アルゴリズムは,信号に代わる新たな交通マネジメント手法として実現可能性が高いと考える. -
アグレッシブ・ドライブがもたらす運転ストレスと交通効率性に関する研究
研究課題/研究課題番号:17H03324 2017年4月 - 2020年3月
森川 高行
担当区分:研究分担者
本研究課題では、運転ストレスと運転行動、交通事故経験などの関係分析、そして、日本、中国、ベトナムにおける運転行動と交通事故などの関係分析の2つの研究を実施した。その結果、運転ストレスと道路構造との関係を明らかにし、運転ストレスが少ない道路インフラの提案をした。また、運転ストレスが違反行動を促し、違反行為が交通事故の発生に関与している構造を確認できた。さらに、運転傾向と人格特性、交通事故との関係については、交通事故経験者で協調性が低い人は、いずれの国でも、アグレッシブな運転傾向があること、日本とベトナムの女性ドライバーで勤勉性が高い人は、交通規則違反を犯す可能性が低いことなどを明らかにした。
心拍変動を運転ストレスの計測尺度として用いて、道路構造の評価を実施したり、運転ストレスと交通事故との関係を明らかにした研究はなく、学術的意義は大きい。心拍計測機は小型化し安価に手に入るようになっており、道路インフラの改善、交通事故の防止策の検討に利用できる可能性を示した点でも、本研究の社会的意義は大きいと考えられる。 -
研究課題/研究課題番号:16H02367 2016年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
山本 俊行, 森川 高行, 三輪 富生
担当区分:研究分担者
本研究では,我が国での自動運転車による電気自動車共同利用システムの導入に向けて,利用意向調査に基づく需要予測と,システム運用戦略に基づくシステム挙動の分析等を行った.分析結果より,将来の完全自動運転車保有意向や共同利用システムへの提供意向に及ぼす影響要因を特定するとともに,車両数や充電,相乗り等が共同利用システムの挙動に及ぼす影響を明らかにした.さらに,走行パターンによる電気自動車の電費への影響や自動運転車と一般車が混在する場合の交通流への影響等を定量化した.
本研究では,個々の世帯が保有するマイカーを世帯が使用しない時間帯において共同利用システムに提供するという形の自動車共同利用システムの可能性を検討しており,新たな将来像の提案として学術的新規性が高い.また,このようなシステムは,各世帯が自家用車を保有しつつ,自家用車の利用効率を格段に向上させることが可能となるため,車両や空間等の限られた資源の効率的な活用という観点から社会的意義も高く,本研究成果を基に自動運転車の普及に向けて,自動車利用のあり方に関するより良い議論が可能となる. -
外国人の現場ツイートと意見構造分析による日本の交通システムの国際評価手法
2016年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
森川高行
担当区分:研究分担者
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外国人の現場ツイートと意見構造分析による日本の交通システムの国際評価手法
研究課題/研究課題番号:16K14318 2016年4月 - 2018年3月
森川 高行
担当区分:研究分担者
本研究では,外国人の視点を観光や交通政策,交通まちづくりへ反映するために,SNS(Social Networking Service)上の発言に着目し,その質と量から政策に活用できるかを検証することが目的である.分析に用いたデータは,2017年2月の1ヶ月間の日本国内でSNSに投稿された6万7千件のデータから居住者と考えられるユーザーを削除してたものである.その結果,交通や移動に関する投稿は少ないこと,写真での投稿や場所のみの投稿等が意外に多いこと,写真との関係も考慮しないとコメントだけの分析では判断が難しい場合があること,位置情報から周遊行動の把握の可能性があることが明らかとなった.
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中山間地域交通におけるシェアリングエコノミー
研究課題/研究課題番号:16K12825 2016年4月 - 2018年3月
三輪 富生
担当区分:研究代表者
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
本研究では,中山間地域でのシェアリングモビリティに対する市民意識や存在価値(オプション価値)について調査を行った.対象とした交通手段は,バスやタクシーなど既存交通手段,そして地域住民が運転する車に同乗するライドシェアシステムや自動運転車によるタクシーシステムとした.
既往研究調査によってモビリティのオプション価値の推定方法を整理した上で,利用頻度が非常に少ない交通手段の価値を推定する方法を検討した.さらに,アンケート調査を実施し,分析データを収集した.分析結果より,交通手段のオプション価値はサービスレベルの影響を強く受けることや,高齢者ほど高い価値を示すことが明らかとなった. -
高精度位置情報を使ったナビのためのデジタル道路地図のあり方
2014年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
担当区分:研究代表者
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充電行動に着目した次世代モビリティの保有・利用需要予測と普及促進策の評価
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
山本俊行
担当区分:研究分担者
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スマートフォン行動データとコンテクストデータを活用した活動・交通ログ自動生成手法
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金
森川高行
担当区分:研究分担者
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次世代自動車の普及に伴う新しい道路課金制度の提案とその定量的評価
2012年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
森川高行
担当区分:研究分担者
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準天頂衛星を活用した超高精度交通移動体マネジメント
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金
森川高行
担当区分:研究分担者
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自動車利用に関する個人情報の社会的共有に対する受容性の分析
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金
山本俊行
担当区分:研究分担者
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交通手段間での経路選択行動の相互干渉を考慮した都市道路網の再整備
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
三輪富生
担当区分:研究代表者
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道路課金政策と道路・都市施設の再配置による都心エリアマネジメント
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B),21360244
森川高行
担当区分:研究分担者
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動的な経路選択行動モデルの開発とリアルタイム情報提供効果の分析
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号:18760390
三輪 富生
担当区分:研究代表者
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プローブカーデータが基盤的交通情報源となるための課題解決
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B),18360244
森川高行
担当区分:研究分担者
情報通信技術の発達に伴い,道路を走行する車から交通情報を収集するプローブカーシステムが注目を集めている.特に,プロープカーシステムは,プローブカーが走行する全ての道路から交通情報を収集できることや,加速度や走行経路など様々な情報が取得できることが利点として挙げられる.しかしながら,プローブカーシステムによって大規模な交通情報収集を行うためには,交通情報としての有用性の提示,利用方法の確立,効率的な情報収集,提供方法のあり方など,多くの課題を解決する必要がある.本研究では,これらの課題を解決するための技術開発やシステム検討を行った. まず,プローブカーデータの有用性を提示するため,プローブカーデータを用いた経路案内システムを構築し,市販のカーナビゲーションシステムと性能比較を行った.この結果,プローブカーデータを活用した経路案内システムの方が統計的にも有意に性能が高いことが示された.さらに,通勤時の経路案内実験によって,構築したシステムの経路誘導効果を確認した.次いで,有効活用方法を開発することを目的とし,経路選択データとして利用することで極めて詳細な経路選択行動分析が可能となること,信号の制御効果の検証や交通事故分析に活用可能なこと,動的OD交通量の推定に利用可能なこと等を示した.さらに,データ収集の効率化および大規模システムの実現に向けた検討を行った.ここでは,プローブ情報の収集頻度が大規模システムの実現に大きな影響を与えることを明らかにしたうえで,低頻度データの特性や利用技術を開発し,大規模システムを実現するためのコスト分析やプローブカーの最適配置手法の開発を行った.本研究の実施により,大規模なプローブカーシステムの実現に向けた多くの課題について解決された,もしくは解決ための重要な検討がなされたといえる.
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プローブカーデータを利用した動的経路誘導システム構築のための基礎的研究開発
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 萌芽研究
森川高行
担当区分:研究分担者
昨年度開発した動的経路誘導システム『PRONAVI』をベースに,要素技術に関する基礎的研究を行った. プローブ情報は,広範囲の道路交通情報を収集可能であるが,プローブカーが走行した道路区間,時刻のみの情報が利用可能である.そこで,リアルタイムの交通状態変化をより正確に把握することが可能なVICSデータとの融合方法を開発した.具体的には,VICS情報から混雑や渋滞が発生したリンクを特定し,これを旅行時間情報に変換した上で蓄積されたプローブ情報と比較する.これにより,非日常的に発生した混雑や渋滞を旅行時間予測に効率的に利用することが可能となった.また,旅行時間予測精度の向上を図るため,交差点右左折時の遅れ時間を分析し,その結果を反映した最適経路案内システムを構築した.そして,それらの要素技術をPRONAVIに実装し,昨年度のシステムと比較して旅行時間予測精度が大きく向上することを実証した. 次に,より環境負荷の少ない公共交通への転換機会を創出するため,名古屋都市圏を網羅する鉄道ネットワークや時刻表データベースを構築し,そこにパークアンドライド駐車場の情報をも組み込んだマルチモード経路案内システムを構築した.また,それをPRONAVIに実装した上でインターネットを介した情報提供実験を行い,モニターの高い受容性を確認した. ここで,より広範囲でプローブ情報の収集・提供を行うためには,データ通信コストの大幅な削減が必要となる.そこで,プローブカーの通信頻度について検討を行い,旅行時間予測を行うために必要なデータ通信頻度を明らかにし,既存の車両管理システム等の低頻度データを用いても旅行時間予測が可能となることを示した. さらには,動的交通シミュレータの開発,ならびにそれを用いたプローブ旅行時間情報に基づく動的OD交通量推定アルゴリズムを開発し,交通需要の変動を精緻に再現できることを確認した.