科研費 - 齋藤 永宏
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研究課題/研究課題番号:21F20795 2021年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
齋藤 永宏, MA JUNGUO
担当区分:その他
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研究課題/研究課題番号:18K18998 2018年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
齋藤 永宏
担当区分:研究代表者
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
本研究では、グラフェン太陽電池の開発を行う。現在まで、均一なn型グラフェン半導体及びp型グラフェン半導体の開発には成功していない。均一なn型グラフェン半導体及びp型グラフェン半導体を接合し、透明導電性グラフェンを電極に使用することにより、オールグラフェン太陽電池の作製に挑戦した。
その結果、高結晶性p型グラフェンおよびn型グラフェンの合成に成功した。 そこで、まずp型とn型半導体特性の効率を見るために、最近活性層で使用されるペロブスカイトを用いて予備実験を実施した結果、n型グラフェンとp型グラフェンの両方が太陽電池の効率を向上させる可能性があることが分かった。
本研究では、まず、n型グラフェンとして、ソリューションプラズマ合成技術により1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアナミドを原料として陽イオン性注窒素の導入を行った結果、その平面性を維持することを可能にした。15%以上の窒素を含み、かつ、高い結晶性・平面性を有するグラフェンとしては、世界で唯一の材料である。この半導体特性を調べた結果、p型半導体特性を示すことが分かった。また、p型とn型半導体特性の効率を見るために、活性層で使用されるペロブスカイトを用いて予備実験を実施した結果、n型グラフェンとp型グラフェンの両方が太陽電池の効率を向上させる可能性があることが分かった。 -
研究課題/研究課題番号:16K14449 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
齋藤 永宏, 上野 智永
担当区分:研究代表者
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
β-C3N4はダイヤモンドより硬い物質と期待されているが、未だ合成例はない。そこで、ソリューションプラズマ(SP)プロセスを用いてβ-C3N4の合成を試みた。生成物はSEM観察から数十ミクロンの中空六角柱の構造であり、XRD分析より分子性結晶であった。シート抵抗は絶縁物相当である。このことは、原料分子のsp3構造の存在を示唆している。等温吸着線はIII型を示した。これは、マイクロポアへのガス吸着である。窒素含有が多いためガスとの相互作用も大きい。比表面積はカーボンより二桁低い。最終的に、目的物質は得られなかったが、分子レベルでβ-C3N4の骨格を持つ高分子材料を得た。
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研究課題/研究課題番号:24656438 2012年4月 - 2014年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
齋藤 永宏
担当区分:研究代表者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
電極に金および白金を用いて有機系溶媒中で、ソリューションプラズマを発生させ、カーボン材料を合成すると共に、プラズマにより電極がスパッタされ造粒される現象を利用して、導電性カーボン材料に粒径1nmの単分散性金、白金および合金ナノクラスターを一段階で合成した。また、合成した材料をリチウム空気電池の電極材料として応用し、触媒による反応制御とカーボン材料の細孔構造により放電容量が向上することを確認した。
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高分子電解質ブラシ上束縛水の挙動解明とイオン伝導性材料の開発
研究課題/研究課題番号:23246126 2011年4月 - 2015年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
齋藤 永宏, 上野 智永, 是津 信行, 寺島 千晶
担当区分:研究代表者
配分額:50180000円 ( 直接経費:38600000円 、 間接経費:11580000円 )
本研究では、高分子電解質および高分子電解質ブラシの周囲の水に関する知見を得ることを目的とした。また、細孔空間における水の状態を解析し、高分子電解質周囲の水の状態との比較を行い、水に関する基礎的な知見を得た。また、細孔空間内に高分子電解質ブラシを修飾するための方法について検討を行い、ソリューションプラズマによる分子量の制御技術および表面修飾技術を開発し、イオン伝導性に関する評価を進めた。
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多相ミクロ不均質媒質中におけるプラズマ創成とその応用に関する研究
研究課題/研究課題番号:21110003 2009年7月 - 2014年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
白藤 立, 橘 邦英, 酒井 道, 高井 治, 齋藤 永広, 石崎 貴裕, 稗田 純子, 高橋 憲司, 杤久保 文嘉, 後藤 元信, 村上 朝之, 田中 健司
担当区分:その他
プラズマ液体ナノ界面の生成法として,液中において3次元的に多数集積化した微細な気泡内でプラズマを生成する3次元集積化マイクロソリューションプラズマを提案した.その生成装置の試作と動作確認を行い,優れた水処理能力や水中での材料プロセス能力を有することを明かにした.時間分解発光分光とプラズマ反応シミュレーションにより,その高い水処理能力の起源を明かにした.シミュレーションにより,プラズマ液体ナノ界面にナノスケールの空間電荷層が形成され,界面での選択的反応の可能性があることを予測した.Er:YAGレーザを用いたプラズマ/液体ナノ界面生成法の可能性についても検討し,滅菌効果を伴うことが明かになった.
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研究課題/研究課題番号:21540511 2009年 - 2011年
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
白藤 立, 高井 治, 齋藤 永宏, 稗田 純子
担当区分:その他
水中の気泡内で生成されるプラズマを用いた材料プロセスのための学術的・技術的基盤を確立するために、水が関与するプラズマ化学反応過程のモデル化、気泡発生過程のモデル化を行い、シミュレーションを可能にした。また、この知見を基にして、微小気泡を集積化した新規液中プラズマプロセスを提案した。更に、メチレンブルーの脱色実験を通して、その新規手法が材料プロセスに適用できることを実証した。
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研究課題/研究課題番号:20246109 2008年 - 2011年
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
高井 治, 齊藤 永宏
担当区分:研究分担者
たんぱく質の吸着挙動を評価するために、アミノ酸の種類や配列を変えたモデル的なペプチド化合物を合成し、各種表面の官能基を制御した自己組織化単分子膜表面への吸着挙動を表面プラズモン共鳴分光法等により測定し、データベース化することで、アミノ酸の種類や配列の違いによる自己組織化単分子膜表面への吸着挙動を評価した。このような吸着挙動の評価から、疎水部を多くもつペプチド化合物は疎水性表面に選択的に吸着し、荷電した親水性官能基は、静電的な力で吸着していることが明かとなった。
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シリコン上自己組織化単分子膜のバウンダリー制御と表面電位ゆらぎ
研究課題/研究課題番号:19026007 2007年
科学研究費助成事業 特定領域研究
齋藤 永宏, 石崎 貴裕
担当区分:研究代表者
配分額:2400000円 ( 直接経費:2400000円 )
一般に、シリコン上の自己組織化単分子膜(Self-assembled Monolayer:SAM)形成プロセスは2次元的成長が優位におこるとされ、そのため、前駆体となる分子のC3対称性が必要とされている。本研究ではシリコン上のSAMの成長過程において前駆体分子の対称性がどのように影響するかを実験的に検証した。さらに、SAMの成長メカニズムを利用して2種類の前駆体分子からなる2元系SAMを作製し、このSAMの表面電位について調査した。
前駆体分子の対称性の検討では、前駆体としてC3対称性のOTS、C2対称性のODCS、C1対称性のODMSを用いた。これらの分子のトルエン溶液にシリコン基板を湿度50%下で浸漬しSAMの作製を行った。続いて、これらのSAMの表面形状を走査型プローブ顕微鏡により観察した。OTSの場合ではSAMの初期過程でドメイン構造が形成され、それが次第に融合し均-な膜となることがわかった。一方ODCSおよびODMSでは終始、ドメイン構造は見られなかった。さらに膜面内の結晶性をX線回折によって評価したところ、OTSの場合のみアルキル鎖に由来する規則構造が見られた。このOTSのドメイン形成と面内の規則構造は、C3対称性のOTS分子同士が膜内で2次元的にネットワークを形成するために現われる。C2、C1対称性の分子の場合では、分子間でそれぞれ1次元(線)あるいは0次元(点)的に重合するため、面内に広がったドメイン構造を形成できないと考えられる。
このようなOTSのドメイン形成を利用することで、バウンダリー界面を有する2元系SAMの作製に成功した。ここではOTSとAHAPSの2元系SAMを作製した。このSAMの表面電位をケルビン力顕微鏡により計測したところ、OTSとAHAPSのドメインで表面電位が異なり、膜内での表面電位の分布は不均一であることがわかった。また、ドメインの境界では表面電位は不連続であった。これらの結果は、OTSのドメイン形成を利用することでSAM内に明確なバウンダリー界面を形成できることを示している。 -
生体1分子・静電ポテンシャル検出技術の開発
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 若手研究(A)
担当区分:研究代表者
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研究課題/研究課題番号:18686059 2006年 - 2008年
科学研究費助成事業 若手研究(A)
斎藤 永宏
担当区分:研究代表者
配分額:30290000円 ( 直接経費:23300000円 、 間接経費:6990000円 )
本研究では、走査型プローブ顕微鏡および光導波路分光法を用いて、異なる化学的特性(はっ水性・親水性)を有する基材表面における生体1分子の吸着挙動の解明を行った。生体分子には、DNAおよびヒト血漿フィブリノーゲン(HPF)をモデルターゲットに用いた。また、ケルビン力顕微鏡およびゼータ電位測定により、これら生体分子の静電ポテンシャルを明らかにした。これらの成果は将来のバイオデバイス作製に向けての基盤技術となる。
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マイクロ波プラズマを用いたナノ細孔グラフティング重合修飾
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究代表者
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単一粒径ナノ粒子の連続調製システムの構築
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金
担当区分:研究分担者
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研究課題/研究課題番号:17656234 2005年 - 2006年
科学研究費助成事業 萌芽研究
齋藤 永宏, 高井 治, 井上 泰志
担当区分:研究代表者
配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )
本研究では、表面波プラズマによりポリマーの表面改質を行い、親水性のポリマーを基材に導入した。Arプラズマ照射後、真空を維持したまま、アクリル酸を空気中で気化させることによりチャンバー内に導入した。基板には、HDPE、PET、PPを用いた。Arプラズマ照射後アクリル酸に暴露したHDPEおよびPETでは、水滴接触角の変化は見られず、親水性を維持していた。また、PPについても水滴接触角の変化が緩やかであった。これは、プラズマ処理後アクリル酸に暴露することにより、高分子表面にアクリル酸重合体からなる親水性長鎖が作製され、その結果として親水性を維持したためである。また、水滴接触角の変化は、空気に暴露した場合、アクリル酸に暴露した場合ともに、HDPEがもっとも大きく、PET、PPの順に変化が小さくなった。これは、HDPEが主鎖断裂型に属し、PETが主鎖断裂型と副鎖断裂型の両方、PPが副鎖断裂型に属するためである。
XPS測定によって、Arプラズマ照射後、空気に暴露した基盤では、主に、286.6eVの位置に示されるC-Oに起因するピークが出現した。これは空気中の酸素と反応することにより、高分子表面に-OH基が付与されたことを示す。一方、アクリル酸に暴露した基板では、288.9eVの位置に示される-CO-0のピークが出現した。これは-COOH基を示すものであり、アクリル酸が付与されたことを意味する。これらの結果から、Arプラズマによるラジカル開始重合により、HDPE、PP、PETの3種の高分子基板上にアクリル酸重合体の長鎖を作製できることを明らかにした。 -
研究課題/研究課題番号:17655059 2005年 - 2006年
科学研究費助成事業 萌芽研究
米澤 徹, 齋藤 永宏
担当区分:研究分担者
溶液中のプラズマを利用してナノ粒子を大量製造することを試みた。タングステン線を電極とし、高圧パルス電源を使用して、電極間に放電させ、プラズマを発生させた。電極間隔、印加電圧、電流、パルス間隔は、電極間にアーク放電が生じないようにするために適切に制御する必要があった。また、溶液の導電率をアルカリ金属塩の添加によって制御したが、それにはあまり大きく影響されなかった。このとき発生するラジカル、水素、電子によって金属イオンが還元されることが見出された。プラズマ計測を行ってみたところ、このような還元種が生成していることが見出された。また、金、白金、銀、パラジウム、ロジウムなどの貴金属イオンは還元されやすく、ナノ粒子を得ることができた。遷移金属塩からもナノ粒子が得られたように見受けられるが、十分な検証ができていない。多くの金属塩からナノ粒子を作ることに成功したが、ナノ粒子の安定性をさらに向上させるためには原料液の導電性制御のためのアルカリ金属塩の排除を行う必要があることが分かる。一方、原料塩のみでは還元によって導電性が変化していく問題があり、原料のさらなる検討が今後求められる。
粒子径は、金属種にも依存するが、単一粒子径にほぼ近い形のものができ、全て球形のものが得られた。異方形状のものは残念ながら得られず、今後、更なる条件検討が必要である。
さらに、連続調製装置を作製し、検討を行った。連続調製には、溶液の冷却が必要なため、投げ込みクーラーを取り付けた。さらに条件設定を密に行うことによって、連続大量製造に道筋をつけていく。
成果としては、知的財産権として特許を出願し、学会発表を数回行った。今後は、さらに検討を進め、論文を執筆するほか、ナノ粒子原料についてより安価な原料からの調製を行っていく。 -
バイオプローブリソグラフィーによるナノ反応場の制御
2004年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
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非晶質窒化炭素を用いた一酸窒素貯蔵バイオミメティックナノスキンの作製と評価
2004年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金
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研究課題/研究課題番号:16206072 2004年 - 2007年
科学研究費助成事業 基盤研究(A)
高井 治, 齋藤 永宏, 井上 泰志, 穂積 篤
担当区分:研究分担者
ナノテクノロジーにおいて分子デバイスの構築は大きな目標の一つとなっている。このような分子デバイスの構築に必要不可欠な技術としてナノリソグラフィー技術がある。我々はこのナノリソグラフィー技術の一つとして走査型プローブリソグラフィー(Scanning Probe Lithography:SPL)に注目した。本研究では、このSPLを用いてタンパク質などの生体分子をナノ領域に位置選択的に固定化し分子デバイス構築を目指した。
まず、我々は幾つかの表面特性を有する表面を、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM)によって用意し、そのSAM上でのタンパク質等の吸着試験を行った。その結果、表面の濡れ性や表面電位、化学親和力が生体分子の吸着挙動に大きく影響することがわかった。
次に、これらの表面特性(濡れ性、表面電位、化学親和力)の異なる領域を併せ持つマイクロパターニング表面を光リソグラフィー等により作製し、タンパク質などの吸着挙動を観察した。すると、吸着体はマイクロパターンの特定の領域にのみ吸着することが確認され、上記の表面特性によって吸着体を位置選択的に固定化できることがわかった。
最後にこのような表面特性の異なるパターニング表面をSPLによってナノ領域に作製した。ここではSPLの一つであるDip-Pen Nanolithography(DPN)によって金ナノ構造体をシリコン基板上に描写した。さらにその構造体上に種々のチオール化合物を位置選択的に吸着させ、ナノ領域表面の表面特性を制御した。この試みによってタンパク質のモデル化合物である微粒子やDNAの位置選択的固定化を達成した。 -
非晶質窒化炭素を用いた一酸窒素貯蔵バイオミメティックナノスキンの作製と評価
研究課題/研究課題番号:16656225 2004年 - 2005年
科学研究費助成事業 萌芽研究
高井 治, 齋藤 永宏, 井上 泰志
担当区分:研究分担者
ダイヤモンドは、あらゆる物質の中で最も硬く、非常に安定である。また、室温においてはどのような酸およびアルカリにも侵されない。電気的には絶縁性でありながら最高の熱伝導性をもつ。光学的には、紫外から赤外域の広い範囲において透明で、屈折率も非常に高い。ダイヤモンドの工業材料としての価値は高いが、大きくて良質な天然鉱石は稀有である。よって、以前からダイヤモンドを人工的に作ることが試みられてきたが、加工性が悪く、生産コストも高いため利用範囲は限られている。
アモルファス炭化窒素(amorphous carbon:a-CN)は、CとHとNで構成されるアモルファス構造を有する炭素材料である。a-CNは、機械的特性、化学的安定性がその膜組成により異なる。現在、これらの化学的安定性を利用し、非血液凝固表面作製の試みが進められている。そこで、シールド型アークイオンプレーティングを用いてa-CN膜の作製を試みた。また、その表面における血液凝固の観点から成膜パラメーターの最適化を行った。
本研究で具体的に行った項目、および、明らかにした項目は以下の通り。
(1)アークイオンプレーティングにより生体適合性の有するアモルファス炭化窒素膜の作製に成功した
(2)人新鮮末梢血を利用した、血液凝固テストを行い、SUS420J2と比較実験を行った。
その結果、本研究で作製した表面は、著しくその非血液凝固性が向上したことが明らかとなった。