科研費 - 井上 剛志
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ロケットエンジンターボポンプ開発に資する非定常流体連成マルチボディ解析法の開発
研究課題/研究課題番号:23H01368 2023年4月 - 2027年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
井上 剛志, 内海 政春, 堀口 祐憲, 川崎 聡, 安達 和彦, 神谷 恵輔, 高木 賢太郎, 部矢 明
担当区分:研究代表者
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
ロケットエンジンのターボポンプには作動流体の過酷な供給性能要求が課せられる.そして,それに付随した軸振動が頻繁に問題となる.H2ロケットのLE-7エンジン開発時にはこの軸振動克服に多大な労力を要し,LE-7Aエンジンでも信頼性向上への主要課題であり続けた.さらに,H3ロケットのLE-9エンジン開発でも流体力と振動の連成問題に起因した課題に直面し続けた.一方,これらの要求達成に必須なターボポンプの実フライト時の振動特性の解析技術は,世界的にもまだ十分に開発されていない.本研究では「ロケットターボポンプの実フライト状況下の非定常振動特性を流体力連成で高速に評価・予測し得る解析技術の開発」を行う.
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ロケットターボポンプのロータダイナミクスの半解析的流体振動連成解析技術の開発
研究課題/研究課題番号:19H02095 2019年4月 - 2023年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
井上 剛志, 安達 和彦, 川崎 聡, 神谷 恵輔, 堀口 祐憲, 高木 賢太郎, 内海 政春, 藪井 将太
担当区分:研究代表者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
ロケットエンジンには過酷な供給性能要求が課せられる.それに付随してそのターボポンプには様々な流体力が作用して軸振動が発生し問題となる.現在開発中の新型基幹ロケットH3のメインエンジン設計でも,流体力と振動の連成問題に起因して多数の困難な課題が挙がっている.この課題に対し,本研究では「流体力の作用を考慮したロケット用ターボポンプの実稼働時の流体振動連成振動を評価し得る解析技術の開発」を目的とする.
本課題では下記を実施した.(1)ロケットターボポンプの曲げ振動の本質的な流体振動連成解析の理論構築については,平行シールとテーパシールに着目し, CFDに基づく予旋回係数と入口出口損失係数を求め,それらを考慮した連成解析手法の開発を行った.(2)ロケットターボポンプの軸方向振動の本質的な流体振動連成解析の理論構築については,バランスピストン構造の弾性変形と流体の連成解析を行った.(3)RD流体力を調べるロータダイナミクス試験装置を開発した.適応制御系を実装し,0.2MPaで流体を流しつつ2000rpmで回転時にピエゾアクチュエータで多様な振れまわり軌道の追従制御とRD流体力の推定を達成した.
本課題では,ロケットターボポンプの安全な運転を目指し,ポンプの流体力と軸振動をできるだけ解析的に表せる部分を解析的に考慮しつつ双方向で連成させて,時間領域でできるだけ低計算コストで解析するためのモデリングと解析手法を検討した.これらは平行環状シールとテーパシール,インデューサ,バランスピストンについて達成した.これらの成果は,将来的にはロケットターボポンプ全構造について流体力をフルで同時に考慮して軸振動を予測できる技術開発に繋がっていく.また,並行して,流体力を調べるロータダイナミクス試験装置を開発し,様々な振れまわり軌道を描く制御系の構築と,その際の流体力の推定,そしてモデル化も達成した. -
微分方程式型零空間行列法に基づくマルチボディシステムの動解析コードの開発
研究課題/研究課題番号:18K04033 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
神谷 恵輔, 井上 剛志
担当区分:研究分担者
本研究では,複数の物体がジョイントで結合されてできたマルチボディシステムに対して,冗長な拘束や特異姿勢などの拘束条件を有する場合や摩擦力などの拘束力に依存する外力が作用する場合でも,高速・高精度に解析を行うことのできる方法の開発を行った.このためのポイントは,運動方程式中に現れる拘束力を効率的に消去することおよび拘束力を効率的に算出することである.この矛盾する問題を,修正しきい値完全ピボット付きLU分解を利用して拘束ヤコビ行列に対する零空間行列を微分方程式を解いて求めることおよび必要な拘束力のみを求められるアルゴリズムを開発することで解決した.
一般に機械は,ジョイントで結合されたいくつかの部品から成っており,各部品は結合先の部品に対して相対運動を行う.このように,複数の部品(物体)がジョイントで結合されてできたシステムをマルチボディシステムという.マルチボディシステムの運動解析を効率よくかつ高精度に行うことは,機械の動特性を考慮した設計・開発にとって極めて重要な課題である.本研究で開発した方法は,これまでに開発されている方法や商用ソフトウェアでは解析が困難な拘束条件をもつシステムに対しても適用可能で,計算効率も高い.本研究で開発した解析法を用いることで,設計・開発の効率化,機械の高性能化につながると期待される. -
自己センシング高分子人工筋肉の開発と物理原理に基づく制御指向モデリング
研究課題/研究課題番号:17H03204 2017年4月 - 2022年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
高木 賢太郎, 入澤 寿平, 井上 剛志, 田原 健二, 安積 欣志
担当区分:研究分担者
自己センシング機能を持つ釣糸人工筋アクチュエータの開発と,その動作メカニズムの解明に向けた研究を行った.
具体的には,次の4つの成果を得た.(1)釣糸人工筋アクチュエータの動作原理解明と発生トルクのモデリング,(2)イオン導電性高分子センサのシンボリックな有限要素法を用いた制御指向モデリング,(3)誘電エラストマーの電気加振に基づく特性評価法の開発,(4)高分子センサをもつ自己センシング釣糸人工筋アクチュエータモジュールの開発.
生物の骨格筋のような自己センシング可能なアクチュエーション機能を実現すべく,最新の高分子アクチュエータ・センサを用いて,すべて高分子だけでできた人工筋肉モジュールを開発することを目指した.
学術的成果として,釣糸人工筋の動作原理と発生力(トルク)の数理モデル,イオン導電性高分子センサの使いやすい数理モデル,誘電エラストマーの特性評価手法の開発についての成果を得た.そして,誘電エラストマーセンサによって張力を計測しながら収縮力を発揮する釣糸人工筋アクチュエータを試作し,ロボットのための自己センシング高分子人工筋の実現への手がかりを得た. -
大規模体験教育からスタートする振動と制御の工学に関するV字型教育の試み
研究課題/研究課題番号:16K12785 2016年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金
原 進
担当区分:研究分担者
本研究では振動および制御工学に関する新しい体験的教育法を提案している。実建築物の自由振動の実験、理論に関する講義と効果的な模型実験装置を使用した先端的振動制御を組み合わせるスタイルであり、V字型教育と呼んでいる。本教育法を約200名の学部2年生に対して実施した。受講生は5階建ての建物の自由振動を体感し、免震層の動きを観察した。その直後に受講生は実験に関連する理論的講義を受けた。それらに加えて一部の学生は建物実験を模擬した模型実験装置を使用した。免震層として用いたリニアアクチュエータは先端的な制御工学実験まで可能としている。ほとんどの受講生はこれらの組み合わせによる提案した教育法を高く評価した。
最初に実際の建築物を用いた大規模な振動の体験教育を行い、その直後に関連する振動工学の理論を講義し、その後、再度適切な模型実験装置を用いて振動工学に加えて制御工学の教育まで行うV字型教育は、他の多くのPBLの諸手法と異なり、冒頭の大規模実験で受講生のモチベーションを大きく引き上げ、最後の模型実験では振動工学のみならず制御工学までシームレスに拡張する特徴を有している。このような特徴が評価され、本研究期間中に計測自動制御学会教育貢献賞などを受賞した。また、招待講演も含めた国内外の学会発表で大きな反響を得た。今後、大学学部生の専門科目教育の新たな方法としてさらに注目されることが期待される。 -
ロケット用エンジン設計を支える非定常流体力連成ロータダイナミクス解析技術の開発
研究課題/研究課題番号:26289055 2014年4月 - 2019年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
井上 剛志
担当区分:研究代表者
配分額:16380000円 ( 直接経費:12600000円 、 間接経費:3780000円 )
研究成果は以下である.(1)平行環状シールのRD流体力について非線形バルクフロー解析手法を初めて構築し,静的偏心がクリアランスの0.7倍までのRD係数の高速低コストな解析を達成した.(2)平行環状シールのRD流体力と軸振動の連成解析手法を構築し,実験でその妥当性を確認した.(3)ロケット用ターボポンプのインペラに作用するRD流体力の回転速度依存性を明らかにし,LE-7Aエンジンの地上燃焼試験で発生する回転非同期成分の発生メカニズムについて有力な考察を得た.(3)磁気軸受を用いたロータダイナミクス試験装置を開発し,100μmオーダーの大きさの楕円軌道を1μm精度で実現する制御系の構築を達成した.
本課題では,流体力と軸振動を双方向で連成させて,時間領域でできるだけ低計算コストで解析するための手法を検討した.研究期間内では,まずはもっとも単純な平行環状シールの場合について達成した.このような考え方をほかのターボ要素にも拡張していけば,将来的には流体力をフルで考慮して回転機械の軸振動を予測できることが容易になる.また,並行して,流体力の効果のみを軸振動の解析に簡便に考慮するための流体力のモデル化についても調べ,その流体力モデルの適用範囲をできるだけ広げることも達成した.また,これらの得られた理論解析結果を実験的にも検証してその妥当性を確認し,本研究成果の信頼性が高いことも示した. -
クラックの疲労進展も包含した回転軸系の振動解析モデルと振動診断・進展予測法の開発
2011年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
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発電用風車の振動解析と制振法に関する研究
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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回転軸に発生するブリージングクラックの深さと位置を推定する診断法の開発
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
井上剛志
担当区分:研究代表者
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不連続ばねとボールバランサによる洗濯機の制振
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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磁気軸受加振によるロータクラック検出と有限要素解析を併用したその位置・深さの推定
2005年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 若手(B)
井上 剛志
担当区分:研究代表者
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発電用風車の制振法に関する研究
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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磁気軸受による加振とモード解析を用いたロータクラックの検出とその位置・深さの特定
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 若手(B)
担当区分:研究代表者
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モード解析とウェーブレットによるクラックの検出・位置特定と故障診断システムの開発
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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モード解析と信号処理によるクラック検出とその位置特定に関する研究
2000年4月 - 2002年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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全自動洗濯機の制振法の研究
1997年4月 - 1998年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者
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非定常振動のスペクトル解析による回転軸のクラック検出法の研究
1996年4月 - 1997年3月
科学研究費補助金 基盤(C)
石田幸男
担当区分:研究分担者