科研費 - 小松 尚
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公立学校・廃校をコミュニティ・ハブに転換する計画・運営・プロセスとその評価指標
研究課題/研究課題番号:22H01662 2022年4月 - 2026年3月
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:15730000円 ( 直接経費:12100000円 、 間接経費:3630000円 )
本研究の代表者(小松)は、これまでの国内のコミュニティ・スクールと海外のコミュニティ・ハブに関する研究、また昨今の学術的、社会的動向から、日常生活圏における市民生活や社会交流、創造的活動の地域拠点「コミュニティ・ハブ」の形成に向けて、公有地である公立学校及び廃校跡地の利活用に可能性と意義、実現性があると判断した。また自治体の公共施設再編計画への参画を通じて、学校及び廃校のコミュニティ・ハブへの転換にはさまざまな方策が考え得るが、同時に時間軸など多様な評価視点をもつ必要性を確認した。
そこで本研究では、公立学校及び廃校を、市民や地域社会の多様な今日的ニーズに応える公的サービスや社会的事業、地域交流等が相乗的に展開可能な地域まちづくり拠点「コミュニティ・ハブ」に転換するために、構想・計画・設計・運営および利活用プログラム、またその一連のプロセスを、行政を含む多主体の創発的協働で持続可能なまちづくりの一環として取り組み、実現するための計画論と、その評価指標を多角的視点で解明する。 -
コミュニティ・ハブとして学校空間を再構築するための計画研究
2019年4月 - 2022年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
小松 尚
担当区分:研究代表者
1)研究成果の概要
本申請研究では、日本の公立学校の空間(建物と敷地)について、単なる既存公共施設の組み替えではなく、学校空間(建物と敷地、また廃校も含む)を市民の今日的なニーズに応える公共サービス提供拠点である「コミュニティ・ハブ」として再構築するために、その構想から計画、運営というプロセス全体を多主体の創発的協働で取り組み、実現するための計画論、方法論を解明するべく分析と考察を行った。主に、(1)公民館との複合型学校施設の計画研究、(2)廃校利活用における用途と面積に関する相互関係や自由活動スペースに関する研究、(3)国内外のコミュニティハブに関する研究について成果が得られ、学術誌等で成果発表を行った。
2)研究成果の学術的意義や社会的意義
超少子高齢化や人口減少が進む地域社会の持続可能性を実現するために、公共サービス拠点の計画と方法、都市・地域計画との連動性、さらにはその実施体制のあり方が問われている。かつては地域の中心であった学校という空間の行方は、今後の日本の都市空間および都市生活のあり方を左右すると言える。また、各自治体は公共施設等総合管理計画に基づく個別施設の建替事業の実施を進めているが、学校は保有面積の点で主たる施設である。このような喫緊の課題に対して、本研究は特に複合型学校施設や廃校利活用に関する建築学上の知見とともに、学校や廃校をコミュニティ・ハブに再構築する社会実践にも有用な示唆を与える成果を得ている。 -
地域の持続支援拠点となる公共施設に求められる「公共空間」研究
2015年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
小松 尚
担当区分:研究代表者
本研究は現代社会において不可欠な知的資源や活動が集積する公立図書館や学校の先進事例に着目し、公共施設が地域の課題やニーズに対応した活動やサービス提供のハブとなるために必要となる公共空間としての特性を考察した。具体的には、海外事例としてロンドン市タワー・ハムレッツ区立図書館「アイデア・ストア」とボローニャ市立図書館「サラボルサ図書館」を都市政策や都市計画、建築計画、提供サービスやプログラム等の観点から分析し、国内事例として市域レベルのハブとして公共図書館と地域コミュニティ・レベルのハブとしてコミュニティ・スクール(CS)で公民館と複合している事例を分析し、考察を行った。
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大学と地域のサステイナブルな環境再生を実現するリビング・ラボラトリの構築と評価
2013年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
小篠隆生
担当区分:研究分担者
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地域の持続・再生拠点としてのコミュニティ・スクール再編
2013年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究25630247
小松 尚
担当区分:研究代表者
地域利用を前提に計画された全国の公立小中学校について、地域利用可能ゾーンと普通教室ゾーンの立体的な構成を類型化し、利用実態に関するアンケート調査を実施し、空間構成、学校運営、地域の体制の視点から分析した。さらに、現地で空間構成の確認と学校および地域関係者へのヒアリングを行い、学校を地域に開く際の課題を整理し、地域利用可能ゾーンを計画運営する際の考慮点を考察した。次に、学校と公共施設の連携を検討する上で、英国・ロンドン市のタワーハムレッツ区立図書館「Idea Store」とイタリアのボローニャ市立図書館を対象に、地域の持続・再生支援拠点として公共施設を計画するにあたっての可能性と課題を考察した。
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大学・地域のサステイナブルな発展のための移転・撤去の総合評価の研究
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
鈴木雅之
担当区分:研究分担者
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建築に関わる社会問題の解決へ寄与する計画系研究プラットフォームの構築
2011年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究23656353
森傑
担当区分:研究分担者
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地域のまちづくり主体と大学の連携体によるキャンパス公共空間の協働マネジメント研究
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般)課題番号21560635
小松 尚
担当区分:研究代表者
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地域・環境再生に向けた共創の実現と仕組みに関する国際的連携研究
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(一般)
小林英嗣
担当区分:研究分担者
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アジア圏における大学と都市・地域による計画連携手法の構築に関する研究
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
小篠隆生
担当区分:研究分担者
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持続的環境資産形成に必要な大学と都市の実現プラットフォームに関する実証的研究
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
小篠隆生
担当区分:研究分担者
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PPPによる大学と地域の統合的居住環境計画・マネジメント手法に関する研究
2007年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)(一般),課題番号:19560614
小松 尚
担当区分:研究代表者
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持続的地域再生を目指したコミュニティ・カレッジの役割に関する実証的研究
2006年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 萌芽研究00250473
小篠隆生
担当区分:研究分担者
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大学と地域の環境マネジメント協働モデル構築に関する基礎的研究
2005年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 萌芽研究17651014
小林英嗣
担当区分:研究分担者
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地域住民の居場所となる商店街の交流の場における空間・運営・ネットワークの役割
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号:16760488
小松 尚
担当区分:研究代表者
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都市環境再生を目標とした大学と地域の持続的連携計画・マネジメントに関する研究
2004年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)16360297
小林英嗣
担当区分:研究分担者
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大学と地域の環境マネジメント協働モデル構築に関する基礎的研究
2005年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 萌芽研究17651014
小林英嗣
担当区分:研究分担者
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商店街の公私領域が地域の居場所づくりに果たす役割
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)14750505
小松 尚
担当区分:研究代表者
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コミュニティ・ハブとして学校空間を再構築するための計画研究
研究課題/研究課題番号:19K04751 2019年4月 - 2022年3月
小松 尚
担当区分:研究代表者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
公共施設再編計画が各地で進む中、本研究申請者は次に必要となる徒歩生活圏にある公共施設の具体的な再編計画指針づくりに寄与する研究を行う。具体的には、学校空間(建物と敷地、また廃校も含む)を市民の今日的なニーズに応える公共サービス提供拠点である「コミュニティ・ハブ」として再構築するために、その構想から計画、運営というプロセス全体を多主体の創発的協働で取り組み、実現するための計画論、方法論を解明する。
学校および廃校を市民の今日的なニーズに応える公共サービス提供拠点であるコミュニティ・ハブとして再構築するために、多主体による創発的協働で計画、運営する方法論を解明するために、2019年度は次の研究を行った。
①学校や広くは公共建築をコミュニティ・ハブとして再構築する、もしくは民間団体や民間建築であってもコミュニティ・ハブとして機能させていくための計画研究(研究代表者の継続研究)の整理を行い、各種研究集会で発表し、また書籍等で発表した。また、研究代表者が2012年から校舎改築アドバイザーとして参画してきた2つの小中学校が2019年度に運用開始、もしくは竣工した。ともに文部科学省が推進するコミュニティ・スクールであり、前者は学校の特別教室の地域利用や地域専用室の設置、後者は公民館との融合的空間と運営に特長がある。どちらも研究代表者のコミュニティ・ハブに関する継続研究の社会実装成果であり、本研究でもその検証を行っていく。
②上記の学校教育や地域活動の拠点として機能しているケースだけでなく、少子化の進行により廃校となった後の学校建築の利活用に関する研究にも着手した。具体的には、2018年度までに建築雑誌や書籍、Web 等を用いて収集し、内容を吟味して整理した109の廃校利活用事例について、その用途の組み合わせ、室面積、空間利用、ゾーニングや改修手法の特徴について分析した。
③国内外の廃公共施設をコミュニティ・ハブに再編する動きにも目を向け、特に廃病院を暫定公共空間として利活用するパリの「Les Grands Voisins」の基礎的分析を行った。恒久的ではなく暫定的に利用するという時間性を組み込んだ計画、運営に特長がある。2019年度は、パリ市の都市再開発計画との関係や多主体による協働型運営体制と提供プログラム、多様な空間利用を可能にする自主的な空間整備プロセスなどについて分析した。
コミュニティ・ハブに関する研究は、研究代表者の継続研究であり、本科研費の初年度としては、学校や廃校に焦点を当てて研究する体制と基礎的分析が行えたと考えている。また、海外の廃公共施設に関する研究を開始できたことは、コミュニティ・ハブ研究を国際的視点を持って進める切り口が得られたと考えられている。
2020年度は前年度までの成果を基に、国内外の学校を中心としたコミュニティ・ハブのフィールド調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大の影響から、当面は空間や運営に関する公開データ(例:自治体や当該施設がウェブ上で公開している情報)等を入手し、その分析を行う予定である。これまでのデータの蓄積や協力者との良好な関係があり、研究の遂行に大きな問題はないと考えられる。 -
施設キャパシティと利用者アクティビティの適合による広域横断型の地域施設再編
研究課題/研究課題番号:15H04096 2015年4月 - 2018年3月
恒川 和久
担当区分:研究分担者
施設キャパシティと利用者アクティビティの適合による広域横断型の地域施設再編方法の確立を目的とし以下の研究を行った。
1)6自治体における公共施設利用アンケートにより、回答者の住所と利用した施設の距離をGISにより集計し、アクティビティ毎に標準的な圏域指標を示した。2) 利用圏域をふまえた地域でのアクティビティ量と、利用可能な施設のキャパシティの適合から、公共施設の過不足を推計する方法を示した。3) 施設用途を超えた民間施設を含む公共施設の再配置のシミュレーションを行い、公共施設マネジメントの評価や活用の方法を示した。