科研費 - 三田 昌彦
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研究課題/研究課題番号:19K01017 2019年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
三田 昌彦
担当区分:研究代表者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究は13世紀前のラージプート国家システムと比較しつつ、刻文史料・文献史料を駆使 して、いまだ実証されていない14~16世紀のラージプートの国家形成のプロセスとその国家 システムを明らかにするものである。13世紀末ないし14世紀初頭で分断されるラージプート 研究の限界を乗り越えて、両時代の国家システムの違いを明らかにするとともに、その転換 期である13世紀末~14世紀半ばの政治的社会的変動の特質を解明することで、その国家シス テムの転換の歴史的位置づけを、デカンなど他の南アジア地域と比較しながら試みる。
本年度も引き続きコロナ禍の影響でラージャスターンでのフィールド・ワークは断念し、国内での研究活動に限定されることになった。
一つは、変動期以降(14世紀後半以降)の銅板施与(寄進)勅書の様式に関する研究を進めた。筆者はこれまで13世紀以前の施与勅書様式論を進めてきており、その様式が大きく変わる14世紀後半以降の施与勅書様式との比較が、変動期の歴史的意味を探る一手段となることが期待できる。その成果は2022年度の東洋文庫刊予定の英文叢書に掲載される予定である。
もう一つは、より大きな視角からのアプローチで、初年度から進めてきた古代から15世紀までの南アジアの長期的展開のパターンを探る研究であり、その中で14世紀の変動を解明する作業である。その成果は「前近代南アジアの長期的展開(前5世紀ー15世紀)――開発と帝国システムの転換」であり、その中で14世紀の変動の結果、国家建設の担い手、政治システム、農法などにおいて大きく変化したことを述べた。そのうち、とくにラージャスターンの農法上の変化はこれまで全く看過されてきた事実である。
また、同様のアプローチとして、9月に南アジアセミナー2021において、「中世南アジアの時空間ーーユーラシア世界とのグローカルな関係の展開」を講演した。
さらに、8世紀から18世紀までのラージャスターンの城砦・都城形態の変化を追った筆者の研究を、“North Indian Medieval Fort History Study”というタイトルでImpact誌のインタビュー記事に紹介し、14世紀の変動を境に段階的に変わっていくことを示した。
コロナ禍のもとラージャスターン調査ができていないため、刻文調査が滞っている。
今後、コロナ禍が収まってくれば、ラージャスターン刻文調査を進めていく。
15ー17世紀の銅板勅書研究の論文を刊行する。また、古代から13世紀までの長期的展開のパターンを岩波講座世界歴史に公表される予定。
ラージャスターンの14世紀前後に関する歴史考古学(とりわけ植物考古学)の成果を整理し、この時代の農法上の変化を探る。 -
北インド中近世城郭史研究
研究課題/研究課題番号:26370821 2014年4月 - 2019年3月
三田 昌彦
担当区分:研究代表者
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
衛星画像分析および実地調査の結果、ラージャスターン中近世の城郭は概ね①大規模山上城砦、②小規模山上城砦+山麓宮殿城砦+城郭都市、③平地城郭都市(さらに④丘陵城砦+城郭都市)に分類することができ、時系列的には13世紀以前は①が目立ち、16世紀以降は②③がスタンダードになっていくことが跡付けられた。その変化は王権と在地社会との関係がアドホックで緩やかな13世紀以前の国家システムから、ムガル体制下で在地王権として在地支配を確固たるものにしていく歴史過程に対応するものだとする仮説を提示した。
城郭の類型化を試みるとともに、その変遷を歴史学研究との連関を意識して跡付けた点(ラージャスターンの城郭構造にも歴史的変化が確認できること、政治社会構造との関係を論じうること)。個別の城郭、例えばジャイプルの歴史学研究などは存在するが、数多くの城郭を類型化・整理してその変遷を歴史的に跡付けたものとしては、インド史では本研究がパイオニアである。ただしなおデータが不十分であり、初歩的な仮説を提示するにとどまる研究である。 -
10-16世紀北インドのヴァナキュラリズムと国家
2009年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
三田昌彦
担当区分:研究代表者
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刻文様式から見た中世北インドの王権と社会
2005年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
三田 昌彦
担当区分:研究代表者
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刻文史料よりみたデリー・サルタナット期北インドの在地社会
2001年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
三田 昌彦
担当区分:研究代表者
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近代世界システム以前の諸地域システムと広域ネットワーク
2004年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
桃木至朗
担当区分:研究分担者
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中印比較史の創生−−データベースに基づく総合的研究
研究課題/研究課題番号:21H04361 2021年4月 - 2025年3月
基盤研究(A)
三田昌彦
担当区分:その他 資金種別:競争的資金
配分額:41600000円 ( 直接経費:32000000円 、 間接経費:9600000円 )