科研費 - 判治 剛
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ノッチ応力に着目したすみ肉溶接継手ルートき裂に対する疲労寿命推定法の確立
研究課題/研究課題番号:23H01491 2023年4月 - 2026年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
舘石 和雄, 清水 優, 判治 剛
担当区分:研究分担者
本研究では,すみ肉溶接継手のルートから発生する疲労き裂を対象に,その疲労寿命推定手法を確立することを目的とする.寿命推定に用いる応力として,ルートに仮想的に設けたノッチに生じる応力を用いることを検討する.実際のルート形状の観察結果をもとに,様々な継手形状や載荷条件にも適用でき,かつ高精度に疲労寿命を推定できるようなノッチ形状を見出す.さらに,溶接継手表面で測定できる応力からノッチ応力を推定するための手法を構築する.これにより,既設橋の溶接継手において,溶接部周辺で計測した応力からノッチ応力,ひいては疲労寿命を推定することができるようにする.
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研究課題/研究課題番号:21K04233 2021年4月 - 2024年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
判治 剛
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
鋼橋の主な劣化要因は疲労であり,それを適切に評価し,耐疲労性を確保することが100年橋梁の実現には不可欠である.鋼橋の疲労き裂は,橋梁がシステムとして立体的に挙動することによる二次応力に起因するものがほとんどある.そのため,橋梁の立体挙動の影響などを直接とりこむことができるホットスポット応力法は極めて強力な評価法となる.本研究では,ホットスポット応力法という,新設から既設まで幅広く有効な疲労評価技術を,より合理的かつ実用的なものに発展させることを目的とする.ホットスポット応力法を公称応力法とならぶ疲労評価法として確立できれば,設計および維持管理段階で実挙動に基づく合理的な疲労評価が可能となる.
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研究課題/研究課題番号:18H01520 2018年4月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
判治 剛
担当区分:研究代表者
配分額:13910000円 ( 直接経費:10700000円 、 間接経費:3210000円 )
既設橋梁を合理的かつ戦略的に維持管理するためには,鋼部材に発生した疲労き裂に対して,その進展性を考慮した上で健全度を判定することが望ましい.本研究では,実橋梁の溶接継手部に発生した疲労き裂の進展性を評価するために,まず,き裂進展による残留応力の再配分挙動を実験および解析により検討した.その結果,引張残留応力場である溶接止端からき裂が進展すると,き裂の先端付近には引張の残留応力が常に作用するように残留応力が再配分されることを示した.その結果を踏まえ,多主桁橋のウェブガセットから生じる疲労き裂の進展をシミュレートし,き裂進展による荷重再配分挙動や,このき裂に対する疲労限界状態について検討を加えた.
疲労き裂の進展やそれを起点としたぜい性破壊を評価する際には溶接残留応力の影響は無視できないが,本研究により得られたき裂進展に伴う残留応力の再配分挙動に関する知見は,構造物の疲労限界評価の精緻化につながるものである.
鋼橋に発生した疲労き裂に対して,その進展性に基づき部材や橋梁の健全性を評価する考え方は性能照査型のき裂管理といえ,橋梁管理者の人的・財政的資源が限られる中で,維持管理の合理化,持続可能な維持管理の実現に資するものであり,その社会的意義は大きい. -
土木鋼構造部材に対する低サイクル疲労設計曲線の提案
研究課題/研究課題番号:16K18139 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
判治 剛
担当区分:研究代表者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
鋼構造部材の低サイクル疲労は地震時の破壊モードの一つであり,それを防止するための設計法の確立は急務である.本研究では,兵庫県南部地震において損傷が報告された鋼製橋脚の基部を対象に,継手形式ごとに低サイクル疲労強度曲線を提案した.これは,簡易な骨組解析のひずみ(公称ひずみ)に基づくものであり,フランジ幅によらず適用できる比較的簡易な式である.さらに,提案式の妥当性を検証するために,鋼製橋脚基部を模擬した試験体を製作し,繰返し載荷試験を行った.その結果,提案した疲労強度曲線により,本研究および過去の実験によって得られた疲労寿命の下限を評価できることが示された.
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鋼橋の長寿命化に向けた溶接継手の超高サイクル疲労強度評価技術の開発
2012年4月 - 2014年3月
科学研究費補助金
判治 剛
担当区分:研究代表者
現在,「橋梁長寿命化・寿命100年以上」が強く求められている.寿命100年以上を実現するためには膨大な回数の外力の繰り返しに耐えなければならず,従来の想定を超えた寿命領域での疲労損傷に対する配慮が不可欠となる.そこで本研究では,これまで想定されてきた疲労寿命より1オーダー多い寿命域である「超高サイクル疲労域」(107回以上)を対象とし,その領域での溶接継手の疲労強度評価技術を開発する.超高サイクル疲労域の実験では載荷回数の増加に伴う試験の長期化がネックとなるが,本研究では超高速で載荷可能な振動式試験機を新たに構築し,実験時間の問題を解決する.得られた結果より,超高サイクル疲労域における溶接継手の疲労破壊機構を明らかにし,超高サイクル疲労域までカバーした疲労設計法を提案する.
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疲労き裂が発生した鋼橋部材の残存寿命評価技術の開発
2010年4月 - 2013年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
舘石和雄
担当区分:研究分担者
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コンクリートを充填した鋼構造部材の低サイクル疲労破壊特性の解明
2010年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
判治 剛
担当区分:研究代表者
阪神・淡路大震災において明らかとなった土木鋼構造部材の低サイクル疲労破壊に着目し,昨今広く普及しつつあるコンクリート充填鋼部材に対する低サイクル疲労照査法を開発することを目的とする.き裂発生箇所の塑性ひずみ履歴に基づいたき裂発生条件を明らかにし,簡易な照査式を提案する.さらに,開発した低サイクル疲労照査式と局部座屈に対してすでに提案されている強度予測式を組み合わせ,低サイクル疲労破壊と局部座屈の両面から評価できる合理的な耐震照査法を確立する.
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土木鋼構造部材の低サイクル疲労設計手法の開発
2005年4月 - 2006年3月
科学研究費補助金 科学研究費補助金(特別研究員奨励費)
担当区分:研究代表者