科研費 - 北川 浩之
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アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明
研究課題/研究課題番号:16H06410 2016年6月 - 2021年3月
科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
北川 浩之, 藤木 利之, 田村 亨, 長谷川 精, 近藤 康久, 奈良 郁子
担当区分:研究代表者
配分額:120510000円 ( 直接経費:92700000円 、 間接経費:27810000円 )
新学術領域研究「パレオアジア文化史学-アジア新人文化形成プロセスの総合的研究-」(平成28~32年度)の計画研究A03「アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明」では、新人がアジアに拡散し定着した時代の気候・環境に関わる知見を集約し、アジア各地の新人の居住環境や生活様式(生活の痕跡)を探り、新人文化の形成過程の理解を促すことを目的としている。本研究の4年目にあたる2019年度には、①南アジア地域(特に、オマーン、パキスタン、インド・カシミール地域)の古環境・考古学研究の実施、②新たなアプローチによる乾燥地域の定量的な気候復元研究、③モンゴル・ベトナムで採集した湖沼堆積物の解析及び過去の気候変動の復元、④居住地の環境適応を考慮したホモ・サピエンスのアジアへの拡散モデルの構築について重点的に取り組む予定であった。①に関しては新型コロナウイルスの拡大によって実施できなかったが、②~④に関して研究が進展した。②では、乾燥地分布するジプサムの酸素同位体比から過去の水文学的な変化を探るアプローチを確立、死海周辺から採集した試料を使った過去の降水変化の復元を行った。一方、炭素14年代測定に良好な試料が得られない乾燥地帯の遺跡の年代測定法として、花粉化石の炭素年代測定法の開発を進めた。③に関しては、モンゴル・ベトナムで採集した試料の分析を実施し、過去の気候変動データの蓄積を進め一部の研究成果を論文として公表した。④に関しては、古気候モデルを使った気候変動再現結果をエージェントベースモデルに組み込み、ホモ・サピエンスの拡大ルート、拡大の障害となる地域、異なる気候への適用が強いられる地域の特定を行った。
新学術領域研究「パレオアジア文化史学」の計画研究A03「アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明」では、アジア各地の現地研究者と連携した考古・古環境調査の実施を推進してきた。しかし、新型コロナウイルスの拡大のため海外渡航の制限で、海外フイルドの調査が実施できなかった。現地の研究者と情報交換のためのオンライン会議を行い研究を進めた。前年度までの海外調査で得たデータの解析、前年度までに日本に持ち帰った試料や現地研究者から提供された試料の多角的な分析(地球化学分析・堆積学的な分析・年代測定)を行い、過去の気候変動・環境変動・考古学的な試料の年代測定が進展した。研究成果の一部は、専門雑誌に投稿することができた。また、海外調査が十分にできない部分に関してコンピュターモデルを使い補完的に研究を進めた。さらに、モンゴル科学アカデミー古生物・地質研究所のNiiden Ichinnorov上級研究員、スラエル・ヘブライ大学Moti Stein教授、トナム科学技術アカデミーのPhong Dan Xuan准教授らと連携し北東アジア、西アジア、東南アジアの地域の過去の気候変動、古気候再現モデルを使った過去の気候変動と古気候復元の違いについて詳細な検討を行った。計画した海外調査が実施できなかった点を除けば、おおむね研究は順調に進んでいる。
平成28年度から4年間で、アジア各地で(イスラエル・オマーン・パキスタン・インド・ベトナム・モンゴル)、現地研究者と連携した現地調査・研究体制が整っている。新型コロナウイルスの拡大が抑制されれば、現地調査をを実施する。過去3年間の現地調査で採集した試料の分析、データの解析を進める。考古学的の情報が蓄積されている東地中海地域レバントやアラビア半島、パキスタン内陸部などの乾燥地域では過去の環境を探る方法が限られている。本研究課題で開発したジプサムの水和水の酸素・水素同位体比や植物珪酸体の酸素同位体比などに注目した最新の研究手法を導入し、現生人類が定着した時代の乾燥地帯の水文学的状態につて定量的に復元する。本研究で計画した海外調査に関しては新型コロナウイルスの拡大が収束し、海外渡航が可能となった時点で実施する予定である(新型コロナウイルスの拡大状況を鑑みて研究期間の延長も検討)。 -
圧力変動吸着同位体濃縮法による5万年以前の試料の炭素14年代測定
研究課題/研究課題番号:16K12580 2016年4月 - 2018年3月
科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
北川 浩之
担当区分:研究代表者
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
加速器質量分析法による炭素14年代測定法の適用年代域を拡大する1つの方法は、試料に含まれる炭素14を同位体的に濃縮することである。本研究では、圧力変動吸着法(PSA, Pressure swing absorption method)による同位体濃縮について、新たに装置を開発して検討した。実試料へ圧力変動吸着法による同位体濃縮の年代測定への応用までいたらなかったが、加速器質量分析法による炭素14年代測定法の適用年代域を拡大する1つの有力な方法であることは実証された。
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アジアにおけるホモ・サピエンス定着期の気候変動と居住環境の解明
2016年7月 - 2021年3月
科学研究費補助金 新学術領域研究
北川浩之
担当区分:研究代表者
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東南アジアの気候災害被害の低減にむけたベトナム湖沼堆積物からの古洪水の探求
2013年10月 - 2016年3月
科学研究費補助金 二国間交流事業(共同研究・セミナー)
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陸上試料の炭素14年代較正データの検証研究
2013年4月 - 2017年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
北川浩之
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腕足動物殻の同位体組成の研究ー顕生代海洋炭素・酸素同位体変動の解明のためにー
2009年4月 - 2012年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
井龍康文
担当区分:研究分担者
顕生代における海洋の炭素(溶存無機炭素)同位体組成ならびに酸素同位体組成の優れたプロキシとされてきた腕足動物殻の炭素・酸素同位体組成を,現生試料の3次元サンプリングに基づいて詳細に検討し,真に過去の海洋の炭素・酸素同位体組成が記録されている部位を特定するとともに,その信頼性を評価する.次いで,化石試料を検討し,続成作用の進行に伴って,殻の同位体組成がどのように変化するかを把握し,初生的同位体組成が保存されている化石試料を選定する指標を確立する.
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新たな気候変動指標の確立に向けたセルロース分子内酸素の同位体不均質の検証
2009年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究
北川浩之
担当区分:研究代表者
、新たな気候変動情報を解読する方法の確立を目指して、熱
分解ガスクロマトグラフィー・熱分解同位体比分析法(PyGC/PyIRMS)による高分子化合物の熱分解成分の酸素同位体比の測定法を確立し、樹木年輪試料から抽出したセルロース(グルコース)内の酸素同位体比の不均質を明らかにする。 -
天池堆積物の高分解能解析による過去5万年間の大気中の炭素14濃度変化の解明
2008年
科学研究費補助金 基盤研究(B),課題番号:20310007
北川 浩之
担当区分:研究代表者
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炭素14年代キャリブレーション年代域の拡大に向けた中国東北部火口年縞堆積物の採集
2006年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)(海外),課題番号:18403002
北川 浩之
担当区分:研究代表者
炭素14年代キャリブレーションカーブの拡大に有効な中国東北部の火口湖湖底堆積物の収集
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東アジアの気候変動の特徴と地球規模気候変動との同期
2004年4月 - 2007年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B),課題番号:16310008
北川 浩之
担当区分:研究代表者
アジア地域特有の気候変動パターンを堆積物から解読
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サンゴ骨格年輪からのメコン川の汚染史の解読法の確立
2004年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 萌芽研究,課題番号:16651005
北川 浩之
担当区分:研究代表者
メコン川河口付近に棲息するサンゴに刻まれたメコン川の汚染史の解読
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宇宙線起源同位体分析による過去1万年の宇宙線強度・炭素循環変動の解明
2001年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B) 課題番号13490013
北川浩之
担当区分:研究代表者
宇宙線生成核種を用いた地球規模の炭素循環の解明