科研費 - 藤本 亮
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外国語としての日本語学習と法学学習の結合による教育効果の検討とその検証方法の研究
研究課題/研究課題番号:22K18515 2022年6月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
藤本 亮, 牧野 絵美, 瓦井 由紀
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:6110000円 ( 直接経費:4700000円 、 間接経費:1410000円 )
本研究では、テスト理論という明確な方法論を応用することにより、堅実な方法論を有する新たな学際的研究領域を構築できないかという実証的な検討を行うものである。効果的な教育カリキュラムと教育方法を開発するという実践的な課題に取り組みつつ、法学分野の専門日本語の学修到達度と法学の学修到達度の進展プロセスを教育測定学の知見を用いてそれぞれ測定し、これらの学修過程の間の相補的な関係性を明らかにする。外国語としての日本語学修につき、カリキュラムや教育方法、到達度測定方法などの研究は盛んになされているが、法学教育の分野ではこれらの点の検討は十分でない。単純な経験論を越えた教育方法論の確立への道が切り開かれる。
先行する日本語教育関係の論文を中心に、研究代表者と研究分担者の間で研究会および研究打ち合わせを継続的に実施した。2022年10月より第1回模擬テストの問題セットの作成を行った。「日本語テスト」はN1およびN2レベルの問題を混在させた全25問(回答項目は25)、「法学テスト」は憲法分野に限定し、法学検定試験のベーシック(旧4級)およびスタンダード(旧3級)レベルの問題を混在させた全18問(回答項目21)を作成した。「法学テスト」については、ウズベク語、ロシア語、モンゴル語、繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語、ベトナム語、クメール語の翻訳版も作成した。テストは、日本語学習歴を尋ねるA)フェイスシート、B)日本語による法学、C)日本語能力、D)母語による法学の4部構成とした。「法学テスト」の解答にあたっては回答者はランダムに2つのグループに分けられ、A→B→C→DとA→D→C→Bと法学テストの日本語版と母語版を回答する順序を変える設計とした。各項目に対するランダム解答を排除するため、解答確信度を組み合わせた選択肢による解答形式とした。Qualtricsに問題をセットし、2023年2-3月の間に第1回模擬テストを行った。モンゴル国立大学、タシケント法科大学、ハノイ法科大学、王立法経大学(プノンペン)に設置されている各日本法教育研究センター、またホーチミン市法科大学日本法コースにて、対面式でパソコンあるいはスマートフォンから受験する模擬試験を実施した。日本国内では2023年3-4月に名古屋大学に留学している学部生・大学院生を対象に模擬試験を実施した。また、日本法教育研究センター(ウズベキスタン、モンゴル、カンボジア、ベトナム)における日本語による日本法教育の教育効果測定(テスト作成や成績判定)の実態について現地の日本語および法学教員に面接調査を実施した。
問題セットの作成にやや時間がかかったが、第1回の模擬試験を2022年度内に実施できた。ただし、一部の日本国内実施分については、留学生が春休み期間中に帰省していたこともあり、その一部が4月実施となった。有効回答数は149ケースであり、概ね目標のサンプルを回収できた。ただし、母語ベースでは、ウズベク語が15ケース、モンゴル語が39ケース、ベトナム語が67ケースと一定数が回収できたが、その他の母語では1桁にとどまった。これは厳格なテスト運用を考慮して対面式実施としたため、参加が限定されたことが影響している。次回以降はオンライン受験も可能となるような試験実施設計が必要である。
2023年4月以降、模擬試験結果についてのデータクリーニングと現地での日本語教員・法学教員への面接調査の反訳作業を行っている。模擬試験結果については2023年秋までに基本報告書をまとめ、名古屋大学法政論集に掲載する。テスト理論の専門家からも専門知識の提供を受けて、オンライン実施も含む第2回模擬試験および第3回模擬試験の実験計画法の検討を行う。2023年12月にマレーシアで開催されるAsian Law and Society Associationにおいて、研究成果の報告を行う。 -
発達段階をトレースできる到達度評価のためのIRT垂直尺度構成の試み
研究課題/研究課題番号:16H03731 2016年4月 - 2020年3月
柴山 直
担当区分:研究分担者
的確な学習指導のためには,学習者の理解度や習熟度,そこに至る個々人の学習プロセスや発達段階の把握は必須の条件である。本研究では,対象集団に小学校4年生から中学校2年生の5学年,対象科目に算数/数学,国語を取り上げ,コホート的な調査デザインのもと,学力の発達をトレースできる到達度尺度の構成を,項目反応理論(IRT)モデルにもとづく垂直尺度化により実現した。構成された尺度を使うことにより小学校4年生から中学校2年生までの学力発達を追跡することが可能となった。
児童生徒の学力を評価する場合、数年にわたる教育課程の中で,個々の子どもたちがどの程度成長するかを数値化してモニターすることは学習指導上重要である。その際,年度ごとの相対評価ではなく,個々の児童生徒がその子の中でどれだけ成長できたかの到達度評価であることが望ましい。本研究で開発された垂直尺度は,学年を越えて子どもたちの学力を追跡できるメリットをもつ。その範囲は小学校4年生から中学校2年生におよぶ。公開予定のデータを使えば学力の成長に伴う質的変化の考察などの研究への2次的成果も期待できる。 -
若手弁護士のキャリア規定要因に関する追跡研究
2015年4月 - 2020年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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研究課題/研究課題番号:15H03303 2015年4月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤本 亮, 石田 京子, 武士俣 敦, 大塚 浩, 宮澤 節生, 上石 圭一
担当区分:研究代表者
配分額:15860000円 ( 直接経費:12200000円 、 間接経費:3660000円 )
新しい世代の日本の弁護士の登場を明らかにするために、準パネル調査を実施してきた。先行するプロジェクトに引き続き本プロジェクトでは62期弁護士と67期弁護士ついて、62期は登録2年目(2011)、5年目(2014)、10年目(2019)、67期は2年目(2016)、5年目(2019)の調査を実施した。多くの弁護士は伝統時なキャリア軌跡をたどっていることとともに、伝統的弁護士がまれにしか関わらなかった法領域と働き方について開拓者として、たとえば民間・政府におけるインハウスや開拓してきた弁護士割合は急速に増加しており伝統的訴訟弁護士とは大いに異なる法領域と業務の進め方が明らかとなった。
日本の弁護士についての他に例のない追跡研究による動態的研究である。日弁連でもこの種の継続的調査は実施しておらず、研究者が中心となって進める学術的意義は大きい。職業社会学としての専門家研究としても、観察される外形的な職業特性が、弁護士というプロフェッションのアイデンティティとどう関連するのかを面接調査も含めて明らかにする。本研究の実践的意義は、得てして印象論的に論じられがちな弁護士キャリアの近時の実態について、洗練された調査方法を用いて、体系的な調査結果による分析を提示することにある。これは、さらに法科大学院教育、司法修習、OJTを含めた継続法曹教育の改善に向けた基礎資料となる。 -
司法のジェンダー公平性の確信のための裁判官に対する制度的支援の比較研究
研究課題/研究課題番号:24330033 2012年4月 - 2018年3月
南野 佳代
担当区分:連携研究者
本研究では、ジェンダー視点から公平な裁判の実現を目指して、裁判官が社会状況、ジェンダー格差の現実、それらが裁判当事者に与える影響等を十分に理解し、検討するためには何が必要かを大陸法圏、英米法圏、法継受国の諸制度と実践を調査・検討した。
ジェンダーに関する研修は、各国司法教育制度において、裁判官への組織的支援の一部として実施され、裁判官からも公平な司法行動に有効と評価され、国際的にも標準的研修であること、その内容は、法学だけでなく、隣接諸科学との緊密な協力によって更新されていること、それらは日本においても利用可能であることが明らかとなった。 -
テスト理論による法学テストの能力試験化へ向けての研究
2012年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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ゲーミングによる法教育:裁判員制度と民事紛争解決教材の開発
2011年7月 - 2016年3月
科学研究費補助金 新学術領域
担当区分:研究分担者
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法科大学院修了弁護士のキャリア規定要因に関する追跡研究
2010年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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テスト理論による法学試験の質の向上の研究
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究代表者
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ジェンダー論とシティズンシップ論の実践的架橋を求めて:変容する親密圏を手がかりに
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
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論述式試験の採点システム構築に関する統計科学的研究
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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対人援助(心理臨床・ヒューマンケア)の倫理と法、その理論と教育プログラム開発
2005年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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法科大学院教育と学生の法意識展開に関する調査研究
2004年4月 - 2008年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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現代日本人の法意識と司法システムへの信頼-その社会心理学的研究
2003年4月 - 2009年3月
科学研究費補助金 特定領域研究
担当区分:研究代表者
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ジェンダー理論の法学教育への統合的モデル構築にむけた現状と課題の実践的研究
2002年4月 - 2005年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
担当区分:研究分担者
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合衆国ロー・スクールの教育と学生の法意識展開に関する調査研究
2002年4月 - 2004年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者
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アジア諸国における契約意識の研究
1998年4月 - 2001年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
担当区分:研究分担者