科研費 - 伊藤 武男
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歪エネルギーの蓄積と解放の収支解析に基づく地震発生ポテンシャル評価
研究課題/研究課題番号:21K03719 2021年4月 - 2025年3月
科学研究費助成事業 基盤研究(C)
伊藤 武男
担当区分:研究代表者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
インドネシアジャワ島中央部に位置するSematang市近傍には 3つの活断層の存在が確認され、その一つのKendeng断層は中央ジャワから西ジャワを横切る全長300kmにも及ぶ。本研究では、超稠密な測地学的観測に基づくブロック運動モデルを構築し、活断層沿いにおける滑り遅れ速度を推定するだけでなく、ジャワ島内のブロック運動モデルの再構築を試みる。また、ブロック内の歪み速度から歪み蓄積エネルギー速度を推定し、地震カタログによる微小地震による歪み解放エネルギー速度と比較することで、ブロック内に発生する地震についての地震発生ポテンシャルの評価を実施する。
本研究は、インドネシアのジャワ島において、稠密GNSSキャンペーン観測と現地調査を行い、地震発生ポテンシャルの調査を行う計画である。昨年度はコロナウイルスの感染拡大により、インドネシアへの渡航が不可能であっために、研究計画が未執行の状態であったが、今年度はインドネシアへの渡航が容易になったため、12月末に10点のGNSS観測点をスマラン市近郊に新設した。スマラン市はジャカルタとスラバヤの中間に位置する交通の要所として発展し、170万人都市としてインドネシアで5番目の人口を有する都市である。この地域には主要な3つの断層(Kendeng Fault, Lasem Fault, Semarang Fault)と1つ小規模断層(Ungaran Fault)が発見されており、すでに200年間程度の大地震は発生しておらず、地震発生ポテンシャルの評価が課題となっている。なお、この状況の中でインドネシア政府の測地観測機関のBIGによるGNSS観測網が運用されており、その測量結果よりKendeng Faultにて4.5mm/yrの相対運動が確認されたが、固着の状況は推定が難しいため、稠密なGNSS観測が必要である。この観測網はKendang断層とLasem断層が交差する付近に設置され、活断層が伏在かしている可能性が領域を横断した観測点分布で設置した。これにより、地表面に現れない活断層の評価の可能性も視野に入れて解析する予定である。
また、スマラン市近傍のInSAR解析により地殻変動分布を明らかにした。その結果、水平方向に顕著な変動は確認できなかったが、上下方向には年間1cm/yr程度の広域な沈降が明らかになった。また、この沈降量はBIGのGNSS観測点とも整合性があるため、GNSS観測点を補完する形で解析しより広域な画像のInSAR解析により、沈降の影響範囲を確認する予定である。
前年度はコロナウィルスの感染状況の悪化の影響によりインドネシアへの渡航が不可能でGNSS観測の観測計画の主な部分の遂行ができなく、研究計画が未執行の状態であった。今年度はインドネシアへの渡航が容易になったため、12月末に10点のGNSS観測網をスマラン市近郊に構築した。上記の理由により、観測計画が1年遅れている。
GNSS観測網の維持および、再測量を実施し、蓄積されたデータの回収も行う。今年度に明らかになったスマラン市周辺の沈降領域の範囲を広範囲のInSAR解析を行うことで、沈降領域の範囲を明らかにし、その原因について検討を行う。また、今年度はインドネシアからの博士課程の留学生を1名受け入れることで研究を推進する方策である。留学生は衛星画像を用いたInSAR解析により、広域的に地殻変動を評価する予定であり、GNSSとInSARの両面から解析を推進しつつ、モデル化も進める。 -
長基線レーザー伸縮計ネットワークによるサブミリヘルツ帯の固体地球物理現象の探究
研究課題/研究課題番号:17H06207 2017年6月 - 2020年3月
科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
新谷 昌人, 高森 昭光, 小林 昭夫, 伊藤 武男, 大久保 慎人, 勝間田 明男, 森井 亙
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:700000円 ( 直接経費:700000円 )
東海・中部地域の3つの観測サイト(神岡、犬山、船明)の長基線レーザー伸縮計の性能向上を図り、歪観測網として統合運用し、サブミリヘルツ帯の地動を高い分解能で観測する体制を構築した。レーザー制御やデータ取得の仕様を揃え、ネットワーク経由で装置の状態をモニターできるようにした。神岡の3年程度の長期記録は周辺の地殻変動データと整合していた。地震時の歪ステップについては、複数の観測点の同時記録と震源モデルとの比較などの解析を進めた。東海地方のスロー地震について、犬山・船明の各レーザー伸縮計および東海地域の多成分ひずみ計のデータを統合的に解析し、1時間程度の時間スケールのスリップ加速を新たに見出した。
本研究は、最先端のレーザー技術を用いて地面の動きを複数の地点で正確に捉え、従来の方法よりも周波数領域を広げ分解能を向上させ、さらに観測網を構築することで空間スケールを拡張した。研究期間内では観測網の構築と一部の記録の解析を行なったが、今後も高精度のレーザー干渉計を用いてサブミリヘルツ帯の歪を観測することにより、地震・火山現象と広域の歪蓄積過程との因果関係、地球中心核の密度構造と形状の知見と地球進化理論への制約、スロー地震の規模と継続時間に関するスケーリングの検証、など新たな発見や高い精度での仮説検証がもたらされることが期待される。 -
巨大海台衝突に伴う北部琉球弧のプレート間固着の研究
2013年4月 - 2017年3月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
古本 宗充, 古本 宗充, 佐々木 圭一, 鷺谷 威, 伊藤 武男, 寺川 寿子
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
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スマトラ巨大地震発生後のスマトラ断層:余効変動の収束と新たな歪み蓄積過程の解明
2012年4月 - 2016年3月
科学研究費補助金 基盤研究(B)
田部井隆雄
担当区分:研究分担者
配分額:4800000円 ( 直接経費:4800000円 )
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モンテカルロ法による最適なモデル解像度を得る逆解析手法の開発とその応用
2011年4月 - 2015年3月
科学研究費補助金 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4000000円 ( 直接経費:4000000円 )
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地殻応力臨界状態トモグラフィー手法の開発
2008年4月 - 2011年3月
科学研究費補助金 若手研究(B) 20740254
伊藤 武男
担当区分:研究代表者
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短周期常時微動の自己相関関数による地殻内散乱構造の研究
2008年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(C)
古本 宗充
担当区分:研究分担者
配分額:200000円 ( 直接経費:200000円 )
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スマトラ北部におけるスマトラ地震の歪み回復過程とスマトラ断層の歪み蓄積過程の研究 国際共著
2007年4月 - 2010年3月
科学研究費補助金 基盤研究(A)
木股 文昭
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )
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非弾性・不均質構造を用いた広域的地殻変動の解明
2003年4月 - 2004年4月
科学研究費補助金 特別研究員奨励費
伊藤 武男
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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粘弾性体中におけるプレート間相互作用と地震との関係についての研究
2001年4月 - 2003年3月
科学研究費補助金
伊藤 武男
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3000000円